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『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


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第40話:ギルドの介入

あれほどの大事件だったにもかかわらず、

ギルドによる捜査は、あまりにもあっさりと終わった。

理由は単純だった。

闇ギルド――

「蛇の導き」。

その名を持つ組織は、

誰一人として、この世に残っていなかったからだ。

生存者ゼロ。

死体すら、ない。

拠点とされていた場所も、

関連施設も、記録も、裏取引の痕跡さえも。

まるで最初から存在しなかったかのように、綺麗に、完全に、消え去っていた。

ギルドが掴んでいたはずの裏の帳簿も、

関係者の証言も、

辿れる糸はすべて途中で断ち切られている。

「……異常だ」

ギルドマスター・ヴァルドは、

報告書を机に置き、低く唸った。

「掃除、という言葉がこれほど似合う案件もない」

それは制圧ではない。

殲滅ですらない。

消去だった。

報告を聞かされたウルガとセレナは、

言葉を失っていた。

あの廃教会で見た光景。

笑顔で人を壊し、

花火のように散らしたあの男。

「あれを……全部?」

セレナの喉が、かすかに鳴る。

ヴァルドは短く頷いた。

「お前たちが見たものは、氷山の一角だろう おそらく、闇ギルドの関係者は末端から中枢まで一晩でまとめて消された」

ウルガは、無意識に拳を握り締めていた。

狂気。

その言葉では、足りない。

理解しようとするほど、

背筋が冷えていく。

その横で。

「……当然じゃろ」

バステト様が、ぽつりと呟いた。

「神に近しい者の怒りに触れれば それくらいの結末は、むしろ穏便な方よ」

誰に向けたでもない言葉。

そして次の瞬間。

バステト様は、何事もなかったかのように

リーナの膝の上で丸くなり、

すう、と寝息を立て始めた。

「……」

リーナは、

息を潜め、

身じろぎもせず、

神妙な顔でその温もりを受け止めている。

(バステト様が膝の上に……幸せすぎて死ぬ……)

そんな無言の喜びが、全身から滲み出ていた。

対照的に、部屋の空気は重い。

ウルガは、眠るバステト様と

苦い顔のヴァルドを交互に見て、

胃の奥がきりきりと痛むのを感じた。

――世界は、思っていたよりずっと近くに

“触れてはいけない何か”を抱えている。

その中心に、

あの道化師がいることだけは、

誰の目にも明らかだった。

長い沈黙の末、ヴァルドは口を開く。

「……この件は、表には出さない」 「出せば、街が混乱する」

視線が、ウルガに向く。

「そして、お前はこれまで以上に、目立つ存在になる」

それが、

祝福なのか、呪いなのか。

その答えをウルガはまだ知らない。

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