表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/63

第3話 初めての狩り

朝霧が、森を包んでいた。

ウルガは剣を握りしめる。

隣には兄、レイン。

「緊張してるか?」

「少し」

嘘じゃない。

でも、怖くはなかった。

今日は、初めての狩り。

獲物は小型の魔獣。

危険度は低い。

――はずだった。

森は静かだ。

静かすぎて、逆に落ち着かない。

(……気配が多い)

前世の感覚が、小さく警告する。

だが、兄は落ち着いている。

「焦るな」

「まずは

 周囲を見ろ」

頷く。

その瞬間――

藪が、弾けた。

「来るぞ!」

小さな魔獣。

だが、速い。

反射的に、剣を振る。

――空振り。

「っ!」

足が、もつれる。

地面に倒れる。

(しまっ……)

影が、覆いかぶさる。


剣が、割り込んだ。

兄だ..

魔獣を弾き、前に立つ。

「下がれ!」

その背中が、やけに大きい。

(……また、

 守られてる)

悔しさが、喉に刺さる。

立ち上がる。

逃げない。

足は震えてる。

でも、剣は離さない。

二体目が来る。

兄が応戦中。

(今だ)

呼吸を整える。

狙う。

今度は――

振り回さない。

小さく、確実に。

剣先が、魔獣の脚を裂く。

「……!」

倒れた。

完全じゃない。

でも、当たった。

戦いは終わる。

森に、静けさが戻る。

兄が、こちらを見る。

「……今の」

「悪くなかった」

短い言葉。

でも、

胸が熱くなる。

「……ごめん」

「最初は

 誰でも失敗する」

頭に、手が置かれる。

子ども扱いだ。

それでも――

嫌じゃなかった。

帰り道。

ウルガは考える。

力が欲しい。

だが、近道はいらない。

意識の奥で、我儘な玩具箱が

静かに在る。

――まだだ。

今日は、自分の足で立てた。

それだけで、

十分だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ