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現人神の花嫁〜離縁からはじまる運命の恋物語〜  作者: 朱宮あめ


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 それから花柳家の離れに戻った睡蓮と楪は、あらためて結婚することを睡蓮の両親に告げた。

 睡蓮側の家族はすっかり龍桜院家との縁は切れたと思っていたため、ずいぶんと驚いていたものの、特に疑問を口にするでもなく、あっさりじぶんたちの結婚を了承した。

 どうしてあらためて結婚をするのか。

 これまで契約でじぶんの娘を縛っておいて、この期に及んで結婚とはどういうつもりなのか。

 そんな怒号が飛んできたほうが、まだ安心したかもしれない。

 しかし睡蓮の両親は、ちゃんと結婚できることになったのね、よかったね、と、まるで親戚の子の結婚を祝うかのような口調で笑っていた。

 それを見て、楪はようやく彼女の苦しみを理解した気がした。

 睡蓮にとっては、これがいつもどおりの態度なのだろう。動じている様子はない。

 ちら、ととなりを見る。

 睡蓮はただじっと、まばたきすらせずに楪のとなりに座っていた。感情を抑えているというより、顔の筋肉が弛緩して、本当になにも感じていないような顔だ。

 いつも朗らかな彼女のその表情は、彼女がこれまでこの家でどう生活してきたのかを物語っているようで、楪は胸が苦しくなった。

 きっといつもこうして、なにも感じないようにしてきたのだろう。

 どうして、という疑問を抱いても、答えは分かりきっているから。感じれば感じるほど、絶望するから。

 机の下で、そっと睡蓮の手を握る。ようやく、睡蓮が顔を上げた。楪を、大きな目をさらにまんまるにして見上げている。

 必ず幸せにする。

 楪は、そう伝えるように一度まばたきをした。睡蓮がわずかに口角を緩ませた。


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