表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/122

71.リビング?ウェポン

「それじゃあ、瑾瑜、玉帛、ブルームさん」

『何でしょう!あとわたしも呼び捨てでお願いします!』

「じゃあブルームも敬語無しでいいよ」

『いえ!わたしはひよっこの18歳なので!』

「……まあ、嫌ならいいけど」

『ブルーム殿は溌剌としていらっしゃいますね』

『うるさくない?コイツ』

『好感を抱きやすいでしょう。ね?』

『は?何その顔』

「お前たちみんなうるさい。まずブルーム」

『はい!』


 まず、【支配】……と言うか眷属の管理について色々と試すために、眷属たちのスキルを見せてもらう。一旦ブルームから。


 ちなみに、眷属になると【念話】とかフレンドチャットを介する必要なくやり取りができるようだ。瑾瑜もずっと念話でしゃべってたわけではなかったらしい……。まあその仕様自体は結構ありがたいね。


 じゃあ、ブルームのスキルはこう。


――――――――――――

プレイヤーネーム・ブルーム

性別・女

種族・【混沌】ミニ・カオス・スピリット

レベル・1/40

スキル

【全属性耐性脆弱】レベル10

【物理耐性脆弱】レベル10

【魔法耐性脆弱】レベル10

【全環境耐性脆弱】レベル10

【虚弱】レベル50

【干渉力低下】レベル100

【感覚鈍麻】レベル50

【非実体】

【影魔法】レベル1

【光魔法】レベル1

【憑依】レベル1

【剣術】レベル1(現在使用不可)

【鑑定】レベル1(現在使用不可)

【採取】レベル1(現在使用不可)

――――――――――――


 うわあ。


「……こーれはまた……」

『初めて自分のステータスを見たときは卒倒しかけました……せっかく【剣術】スキル取ったのに振れない!って』

「わかる……私も最初はこうだったよ」

『え?エナさんもそうだったんですか?ちょっとやる気湧いてきました!』

「……あ。オフレコでお願い」

『……わかりました!』


 この中で明確に気になるものと言えば……【憑依】だな。ちょっと調べてみるか。


「この【憑依】っていうのは?」

『文字通り、人とか物とかに取り憑いて動かすスキルです。一回に一つまでだったり、体力が取り憑いた相手依存になったり……色々ある代わりに魔素を消費しないし、制限時間も無いです!』

「……物でもいけるの?」

『いけます!』


 ……もしかして彼女、私の剣にも取り憑くことができるんじゃなかろうか?その時の体力計算とかはよくわからないけれど。


「試すだけ試してみていい?もしかしたら【剣術】は生き返るかも」

『はい!願ってもないです!』


 と、言うわけで。ブルームの前に【浄穢の剣】を差し出し、ブルームが【憑依】……これがまあ、判定に入る範囲がちょっと狭いみたいで。四苦八苦しながらも、ブルームは無事に剣へと憑依した。


「……よし、距離を取ったから振り回してみていいよ」


 そう言うや否や、剣がご機嫌にくるくると回転し始めた。横薙ぎにしたり斬り下ろしたり、随分と嬉しそうだ。傍目から見たら完全にポルターガイストだが。


『……やりました!復活してます!【剣術】!』

「ふむ。じゃあ、ブルームが憑依した【浄穢の剣】を私が装備すると?……出来るな。ちょっと鑑定するよ」


――――――――――――

【浄穢の剣】レベル1 

 かつて夥しい穢に満ちていた剣。綺麗に浄化された……はずだが、浄化者の気質にあてられたか、清浄さと穢を同時に持ち合わせる混沌とした剣に変化した。

 混沌なる魂が住み憑いている。

 憑依:ブルーム

 備考:破壊時再生

――――――――――――


 悪くない。無事にくっついてキャラクターと化したようだ。壊れて成長することはなくなったが、むしろレベルが生えてきたと考えればお釣りが来るだろう。


『あ、じゃあじゃあ、潜入捜査のとき、一人で入ったふりして実は二人だー!なんて出来ちゃったり?』

『無意味ですね』

『意味無いわ』

『ですよねー』


 割と仲良くなってるね、君たち。瑾瑜と玉帛だけだとちょっと衝突してたし、ブルームがいい潤滑剤になってるのかもしれない。まあまた二人きりにするつもりだけど。


 さて。あとは瑾瑜と玉帛のスキルだが……私とほとんど大差無いな。精々【聖浄魔法】とその系列……光と陽を持ってないこと。あと【侵蝕魔法】も持っていなかった。不可解なのは、【影禍】も【幽影鬼】も【侵蝕魔法】が進化条件に入っていたのに二人は使えない、という点だが。後から生まれたから、ちょっと弱体化しているとか?


「まあ、こんなもんかな。これなら今後、うまくブルームを誤魔化してセーフティエリアに入ることも出来るだろうね」

『え、連れてってくれるんですか!?』

「来ないつもりだったの?」

『てっきり、「自分で動けるようになってから」とか言われるかと……』

「……まあ、こっちが巻き込んだ部分もあるから。それに、【不定形】生活って割としんどいよ?実体になるまでが遠いし、ストレートに?実体になれても、今度は【尸体】とかだし」

『お言葉に甘えさせていただきます』


 流石に恐ろしさが勝つよな。後はまあ、私もブルームの憑依した剣にはお世話になるだろうし。ぜひ来てほしかったから。


『我が君!この玉帛は?玉帛はお供させていただけないのでしょうか?』

『アンタは私の補佐だっつうの!』


 ……やっぱり、瑾瑜と玉帛、相性は良い……のかな。どうなんだろう……。2人で置いていっても、ここの運営は何とかなるだろうけど。やっぱりビジネス的な相性はいいだろうし、人間関係はそのうち育っていくと思っておこうか。


『そういや聞きそびれてたけど、アンタの頭のそれなんなのよ』

「ああこれ?なんか……仙人にもらった」

『仙人!?仙人いるんですか!?』

「まあ、私もそんな感じの存在だし?」


 そういえば【尸解仙】なんて称号が生えてきてもいたな。あとで称号の方の【龍生九子】とまとめて確認しておくとしよう。


「じゃあ、ここは瑾瑜と玉帛に任せるとして、私たちは山を降りよう」

『はい!……ここ山だったんですね!』

『せいぜい上手く立ち回ることね』

『この玉帛、謹んで拝命いたします』


 インベントリには、桃がいくらかとかっぱらった生薬が少々。それ以外には何も無い。


 ずいぶん身軽な出発だな、と内心で苦笑したのだった。


――――――――――――


『メッセージが届いています』


――――――――――――

【第二回イベント開催のお知らせ】


 平素より【クライシスオンライン】をお楽しみくださり、誠にありがとうございます。


 このたび第二回イベント『奪え!守れ!騒乱のスクランブル・ウォー!』を開催いたします!


 本イベントは、出場希望者なら誰でも参加可能な特別戦です。

 参加プレイヤーは自動的に三陣営へランダムに振り分けられ、それぞれの陣営として戦っていただきます。


 二つの陣営は「侵攻側」として、防衛陣営が保持する【コア】を奪い合い、最後にコアを保持していた陣営が勝利!

 残りの一つは防衛陣営となり、迫り来る侵攻を退け、コアを守り抜けば勝利となります。


 戦況は常に流動し、最後まで勝敗は分かりません。仲間と連携し、陣営の勝利を掴み取ってください!

 活躍したプレイヤーには豪華報酬もご用意しております。


 また、観戦エリアでは非参加者向けのアクティビティや優勝予想大会も同時開催!

 出場されない方も熱戦をお楽しみいただけます。


 皆様の奮ってのご参加をお待ちしております!


 参加要項や詳細は公式サイトのイベントページよりご確認ください。


【クライシスオンライン】イベント運営チーム


 お受け取りください:【3000マナゴールド】

――――――――――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これって侵攻する陣営が二つで、防衛する陣営が一つってこと?
ん? 三陣営と書きながら二陣営の説明しかかいていない 最後の一陣営はなんの役割だ? でもなんか特殊系の主人公ちゃんとそのフレンド君がなりそうだけど。 その二人だけでもうかなりこの二陣営分のプレイヤーの…
防衛という名の大虐殺希望
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ