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64.混沌なる目覚め

第二章プロローグ。


※エナはちゃんとリアルでも女の子です※

『ログインを確認』

『【歳王】よりメッセージが届いています』


「王たる為には土地が無くてはな。お前が平定した二つと、その周りをくれてやることにした」

「好きに使うと良い。お前は王になるのだから」


『メッセージが終了しました』

『領域獲得:【穢れた咎の領域】【混沌なる穢那の領域】【無頂山陰-中層】』


――――――――――――


 ……おはようございまーす。


「よっこいしょ……あ?」


 目が覚めたら、全身がまた凝り固まっていた。周りには何も見えない。一切の暗闇だ。


「……なんだ今度こそバグ……痛っ」


 慌ててもがいたら、ごつんと何かにぶつけた。……なんだ、これ。何か……丸みをおびたものに押し込められている。なんだろう……甕?何?甕に押し込められてるの?甕棺ってこと?


「……まさか、まだ死体なのか?今度は初手屈葬なのか?」


 流石にもう死体は御免なんだが!?普通に声は出るから、死後硬直はしてなさそうだけど……取り敢えず、ここから出よう。


 ……【影操作】……出来る。【シャドウクロー】!


 びし、とヒビが暗闇に走る。そこから光が漏れ出してきた。もう一発【シャドウクロー】!


「っよし!開いた」


 丸いそれから這い出す。


「薄暗い……あ、屋敷だ!」


 どうやら中庭の中心にスポーンしたらしい。ひとまずあの謎の宮殿は脱したか。良かった。


 と言うわけで、私が先ほど破壊して出てきたそれを、改めて見やった。


「……卵の殻?」


 卵の殻だ。多分。中はつるりとしていて黒く、外側は赤く透き通った宝石のようなもので覆われている。


「……いや、どう見ても卵の殻だな……」


 私の知る生物のものとはおおよそかけ離れているが、その丸いシェイプや中から生物が出てくるという事象に当てはめて考えれば、どう考えてもそれは卵の殻だ。人?を一人押し込められるくらいの異常なサイズではあるが。


 ……【鑑定】。


――――――――――――

【龍生九子の卵殻】

 この世に二つと存在しないものを生み落とした卵の殻。この世の何ともつかない結晶体に覆われている。

 これを生み落とした存在は一体何なのだろうか。そもそも存在しているのだろうか。

 卓越した技能で加工すれば、力を持った装備品にすることが出来るかもしれない。

――――――――――――


 世に出してはいけないタイプの素材かもしれない。


「取り敢えず、もらっておこう」


 もらっておくも何も、最初から私のものであるのかもしれないが。


 いやはや、死んで生まれ変わったと思ったら卵生になってるとは思わなんだ。ちょっと自分のステータスを確認するか。


――――――――――――

プレイヤーネーム・エナ

性別・女

種族・【始祖-混沌】龍生九子

レベル・1

スキル

【龍生九子】

【無属性魔法】レベル1(現在使用不可)

【聖浄魔法】レベル23

【光魔法】レベル1

【陽魔法】レベル1

【侵蝕魔法】レベル31

【闇魔法】レベル35

【影魔法】レベル35

【念動魔法】レベル30

【毒魔法】レベル17

【格闘術】レベル28

【剣術】レベル24

【支配】レベル1

【統率】レベル1

【魔素操作】レベル100(Max)

【魔素感知】レベル94

【偽装】レベル24

【龍脈活性】レベル8

【内丹】レベル13

【鑑定】レベル22

【採取】レベル1

【罠解除】レベル5

【人語】レベル1

【魔物語】レベル1

装備

頭部【空きスロット】

胴体【天衣無縫】

   【渾然一体】

腕部【天衣無縫】

   【心間手敏】

脚部【天衣無縫】

  【剽疾軽悍】

武器【浄穢の剣】

  【雙魚の環】

称号

【名予想家】【事象の地平線】【残酷】【ビギナーズ・ラック】【天秤】【始祖-混沌】【同族殺し】【龍生九子】【尸解仙】【王の器】【曲芸マスター】【絡繰を知るもの】

支配領域

【無頂山陰‐中層】(常時公開)

【穢れた咎の領域】(非公開)

【混沌なる穢那の領域】(非公開)

備考:ランダム・始祖級キャラクター

――――――――――――


 ……色々増えているとも言えるし、あんまり増えていないとも言える……かな。


 取り敢えず真っ先に分かる異変としては、【始祖‐混沌】なる所属だろう。前は【ユニーク】だったよね?ちょっとログ見返すか。


 ……うへ、『却下』が凄いことになってる……。と言うかアレだったのか、もしかしなくても元は【試練】とか無くて、問答無用でキャラクターロストさせられかけてたのか?いや同意したのはこっちだから文句は言わないけど。


「……なんで急に『部分的に承認』……まあ良いか、今ここで生きてることだけ考えとけば」


 ログを読み進める。……死亡ログ溜まり過ぎだろ、邪魔くさい!


 ……なるほど。私は始祖級キャラクターなるものになったのか。なんやかんやの条件を満たして、人類でも魔物でもない独自種族【混沌】を立ち上げるに至ったと。じゃあ、【人類】や【魔物】にも始祖がいたりするのかな。まあこの辺は後で調べてみるか。


 支配権の移行は……今回ログインしたときに【歳王】から貰ったやつかな?あ、下の方に何か増えてる。ふんふん……“平定した”っていうのは、私が攻略したダンジョンってことかな。


 うん、【穢れた咎の領域】が含まれているし、そういうことだろう。【混沌なる穢那の領域】についてはまだよくわからないけれど。【無頂山陰-中層】は、恐らく何の変哲もない地名だな。ここだけ公開になってるのは、他のエリアと厳密に区切ることができないから……とか?


「まあ良いか。一旦、【穢れた咎の領域】についてもっと調べて……お?」


 ステータスウィンドウの、【穢れた咎の領域】をタッチする。すると、何やら管理画面というものに移行した。


――――――――――――

【穢れた咎の領域】

 核となる咎は既に祓われたが、しかしこの迷宮ダンジョンそのものが執着を以て穢を溜め込むようになってしまった。今は平定され、閉じられているが、再びその口を開けば多くの命を貪欲に喰らうだろう。

状態-非公開

公開条件を満たしていません。

必須条件-ボスキャラクターの設定

可能な設定-各フロアの削除および新設、トラップの設置、隠し部屋の修繕、スポーンキャラクターの詳細設定など

――――――――――――


 まじ?


「……ダンジョン運営要素まであるの?」

……アルマとの合流はもう少しだけ(10話はいかないくらい?)先になります、すみません。出来るだけさっさと進めます!

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― 新着の感想 ―
初手屈葬ってなかなかのパワーワードw
ランダム生成の可能性が知れ渡る様なことになれば検証班が過労死してしまいますねぇ^^
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