表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/117

31.失敗は成功……?の母

 ……さて、ほかの餓鬼も倒したし魔素の薄い部屋にも戻った。


「……(調べるか、『事象融合』なるものについて……)」


 気が進まないなあ〜…………。取り敢えずインターネット調査……は、適役がいたか。私は普段オンラインゲームをプレイしないから、リテラシーがないってことちゃんとわかってきたからね。


 あと、私が直接調べるとなんか失言しそうで怖い。試金石アルマというわけだ。いやはや、持つべきはリテラシーの高い先輩だなあ。


 ……うん、なんか、どっかのタイミングでお礼させてもらいます。さて、チャットチャット。


『もしヒマだったら「事象融合」とかいうことについてネットに何か落ちてないか調べてほしい。急ぎではないから、気が向いたらお願い』


 これで良し。それじゃあまずやるべきは……再現できるかどうかの実験だ。


 あのときは確か、【浄化】を付与した剣と【シャドウクロー】がぶつかり合って発生したんだよな。そのままもう一回やるか。


 【浄化】……。よし、【シャドウクロー】とぶつかるように剣を振り下ろす!


 …………。


 ……失敗、みたい?何のログも出てこないからできてるんだかできてないんだかわからん。


 このゲーム、伏せられているデータが多すぎる。迂闊に検証なんかしようとしたら、泥沼に嵌って二度と出てこられなくなるんじゃなかろうか。……嵌まらないように気をつけて実験を進めよう。


 うーん……なんで失敗したんだろう?あの時と明確に違うのは餓鬼の存在だけれど……。ちょっとその辺からさらってくるか。


 おっ早速ぼっちの餓鬼を発見。一人でうろつくなんて随分警戒心が薄いね?だから私の実験台にされるんだよ……よっこいしょ。【念動】!あれ。効きが悪いな。じゃあちょっと【魂縛】もかけて……よし捕獲。


 【感覚鈍麻】で鈍っている聴覚を突き破って、くぐもった叫び声が聞こえる。え〜、餓鬼の声ってこんなに不快だったのか……。ちょっと黙ってろ。


 それじゃあもう一回、【シャドウクロー】!からの振り下ろし!……失敗!シビアだな!ええいもう一回だ!……また失敗。あ、餓鬼が耐えきれずに死んだ。


 あー、もう。ぜんぜんうまくいかない。えー。


 ……【対消滅】って事象が、特別シビアな判定になってるってこととか、ある?対極の属性だもんな。それを上手いこと組み合わせるのは確かに面倒……ん?


 あれ。アルマから返事が来てる。


『またなんか変なの見つけたな』

『ただ【事象融合】に関しては色々見つかってるっぽい。ちょうど検証が進められてる最中みたいだ』

『一番信用できる検証スレはこれっぽい[URL]』

『俺はこのあと用事あるんで落ちるけど気にせず色々やってみてくれ』


 ……なんてタイムリーな情報だ!!ありがとうアルマ。この恩は3ヶ月くらい忘れない。嘘。半年は覚えてる。


 えーとなになに。


――――――――――――

【過冷却】事象融合について調べるスレ5【カドゥケウス】


1カドゥケウス所属

このスレは最近発見された要素【事象融合】を検証班ギルド【カドゥケウス】主体で調べていくスレです。

■スレルール

・現在検証中の事柄に関すること以外は書き込まないでください。

・次スレは【カドゥケウス】メンバーが持ち回りで立てます。

・スレッドが»900を超えても立たない場合は»950が立てるか、出来ない場合は【カドゥケウス】公式連絡先へ連絡してください。

・荒らしはスルー。

■前スレ

【感電】事象融合について調べるスレ4【カドゥケウス】[URL]


2名無しの検証者

おつおつ


3名無しの検証者

おつ感電


4名無しの検証者

おつ過冷却


5名無しの検証者

前スレまでで親和性のある属性は大体出揃った?


6名無しの検証者

»5

たぶんまだあると思う

相性悪いとこは結構揃ってきたんじゃないかな


7名無しの検証者

俺の温めていたまとめが火を噴くぜ!


■パート1

・火+火=燃焼

・風+風=嵐

■パート2

・火+水=失敗

・土+雷=失敗

仮説:複数属性の事象融合は出来ない?

■パート3

・水+雷=感電

・水+水=失敗

結果:複数属性の事象融合は可能

仮説1:属性によっては同じ属性でも事象融合出来ない組み合わせがある?

仮説2:相反する属性での事象融合は出来ない?

■パート4

・水(氷)+水(氷)=過冷却

・水+土=濁流

・水(氷)+風=吹雪

・土+風=失敗

結果1:そのままでは融合できなかった同属性でも状態によっては事象融合が可能

結果2:相反する属性での事象融合は出来ないでほぼ確


8名無しの検証者

»7

すげえ 乙

雷の検証あんま進んでない?


9名無しの検証者

»1

»7

これ次スレからテンプレに入れる?


10 カドゥケウス所属

»9

»7

よろしければぜひ

»8

今のところ【雷魔法】がダントツでレアなため、人員不足です。もし習得されている方で、協力しても構わないという方は【カドゥケウス】までご一報ください。


11名無しの7

»10

使ってください

――――――――――――


「……(奇特なやつも居たもんだな)」


 ありがたい。こういう情報がオープンになってると攻略も進むってもんよ。


 ……しかし、「相反する属性での事象融合は起きない」ねえ。でも影と聖浄ってさあ、結構相反してない?なんなら【対消滅】だよ?真反対ですって言ってるようなもんじゃん。


 出てきてる属性から見るに、現状オープンになってる属性魔法は火、水、土、風、雷。木、とか金、とかあったら五行だな〜とか思ったけど、ベースは西洋の四大元素+雷っぽいな。そういやイベントで交換できる属性魔法のスキルスクロールにも、雷以外の4つ全部あった。


 そう考えると私のスキル構成どうなってるんだろうな。持ってるやつら、たぶん全部が基本的な属性魔法たちとは法則が違う。まず明確な上下関係がある。【侵蝕魔法】の下に【闇魔法】【影魔法】があるように。この流れだと【聖浄魔法】にもありそうだ。素直に考えるなら【光魔法】とか?


 それから、こいつらみんな、直接的に対象へ干渉してる……と、言えなくもない?この場合の「対象」は、敵だけじゃなくて【影魔法】で操作してる影とかも含むよ。


 よく考えたら、【影魔法】って妙だな。影を魔素から作り出してるんじゃなくて、元からある影を魔素で操作してるってことだし。


 あ、じゃあワンチャン、【侵蝕魔法】と【聖浄魔法】だったらもっと安定したりしないかな。どっちも対象の状態を直接書き換える魔法と言えるから、上手いことぶつかってくれそうだ。


 それから、相性良い魔法って言ったら【影魔法】と【闇魔法】とか?これはたぶん成功するし、あとでいいや。


 【侵蝕魔法】と【聖浄魔法】の組み合わせ……ちょっと試してみるか。


 前みたいに剣に【浄化】。いや待てよ?剣に【魂縛】って通じる?というか、万が一通じて剣に【対消滅】が発生したらどうする?


 なんなら、わざわざ剣にやらなくても直接そこに転がってる餓鬼に両方かければ良いのか。ちょうど【魂縛】は……まだ掛かってるな。念の為【念動】を解除して……【浄化】!


『事象融合:【対消滅】が発生』

『【餓鬼】消滅判定:成功』

『【餓鬼】は【魂魄遊離】状態であったため、【ミニ・ダーク・スピリット】に変質しました』


 はい?変質?……魂をむしり取った状態で肉体が消滅したから、みたいな話?


称号タイトル獲得:【始祖】』

『称号【始祖】が称号【唯一無二】と統合されました。【始祖】の位階ランクがⅡに昇格しました』

『称号獲得:【同族殺し】』


 あ、死んだ……もったいない。

《ここから日頃の御礼》

毎日連載一ヶ月です。ものぐさ三日坊主の割にはよくやっている方かな、と我ながら思います。


一月前のランクイン履歴を見ると、日間VRランキング98位(連載中)だったそうで。ひと月で相当の大躍進と言っても過言では無い……のかな?


これも皆様が日頃から応援してくださっているおかげです。今後ともよろしくお願いします!


(でも最近の毎日連載はかなりぎりぎりです。もし休載したら、期末レポートの大雪崩に襲われている大学生の作者をどうか嘲笑ってください)(ストックが無さすぎる)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いつも楽しませてもらってます。新種族作れるんだ!面白くなってきました! 単位は本当にとったほうがいいです、教授の目を見られない生活になるから。
楽しく読ませていただいているので、レポートの雪崩に飲み込まれない程度に続きを書いていただけるとありがたいです。 今後も楽しみに待たせてもらいます!
がんばってくだせぇ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ