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28.生命を享受せよ

タイトル略称、『ラン影』に決定いたしました!

提案してくださった皆様、ありがとうございます。


今後とも『ラン影』をよろしくお願いします。

 それじゃあ、とアルマとの通話を終わらせてから。私は視界いっぱいに広がる違和感とようやっと相対するのだった。


「……!(目が見える!)」


 当然ながら見える、と言ってもはっきりとまではいかない。全体的にぼやけていて、精々色と大まかな大きさや位置関係が分かるくらいだ。それでも、真っ暗闇にグリッド線だけが浮かんでいたあの頃に比べるべくもなく。大感動である。苦節……2、3ヶ月?意外と掛かったな。イベント期間含めてだけど。


「……(感動〜……やっと私にも感覚器官が……感覚……あれ)」


 ……もしかして。使えるようになったのは、目だけではないのではないかと。そこでやっと気がついた。


「……(耳。薄ぼんやり、くぐもって聞こえる。水の中にいるみたい)」


 階下に意識を集中させて耳を澄ますと、時たまうめき声のようなものが聞こえたり。この古く朽ちかけた屋敷そのものが軋む音も聞こえる。


 聴覚、解禁!


「……(鼻。利かない。……でもこの状況なら、逆に利かなくてよかったかも)」


 辺りの匂いを嗅ぐ意識をするが、残念なことに何も伝わってこない。ただ……ボロ屋敷ってことはいろいろな悪臭も立ち込めている可能性があるわけで。ケガの功名、かも?


 嗅覚、未解禁!


「……(手。そもそも実体が無い。まだ?)」


 目の前でほんのり透けた手を振ってみる。壁に触れようとすると、にゅっとすり抜けた。どうやら【非実体】はご顕在のようで。あー……なるほどね、鬼は鬼でも、怪物の方の鬼じゃなくて幽霊って意味の鬼だったか。


 触覚、未解禁!


「……(口。同じく実体が無い)」


 うん、言葉を発することが出来ていないからね、想定通りだ。ああ……非実体ゆえに空腹を覚えることはないけれど……あの超技術再現ごはんを食べた感覚がありありと蘇ってくるよう……。早くものを食べたい。


 味覚、未解禁!


「……(しょうがない……ステータスも確認するか)」


――――――――――――

プレイヤーネーム・エナ

性別・女

種族・【ユニーク】幽影鬼

レベル・1/80

スキル

【全属性耐性脆弱】レベル10

【物理耐性脆弱】レベル5

【魔法耐性脆弱】レベル10

【全環境耐性脆弱】レベル10

【虚弱】レベル50

【干渉力低下】レベル49

【感覚鈍麻】レベル26

【非実体】

【侵蝕魔法】レベル6

【闇魔法】レベル6

【影魔法】レベル6

【念動魔法】レベル1(new)

【魔素操作】レベル45

【魔素感知】レベル27

【隠蔽】レベル7

【魔素自動回復】レベル15

【体力自動回復】レベル8

【鑑定】レベル1

【採取】レベル1(現在使用不可)

【人語】レベル1(現在使用不可)

【魔物語】レベル1(現在使用不可)

装備

頭部【空きスロットなし】

胴体【空きスロットなし】

   【空きスロットなし】

腕部【空きスロットなし】

   【空きスロットなし】

脚部【空きスロットなし】

  【空きスロットなし】

武器【空きスロットなし】

  【空きスロットなし】

称号

【名予想家】【唯一無二】【曲芸リーグの四天王】

備考:ランダム・虚弱キャラクター成長ボーナス・デスペナルティなし・ユニークキャラクター

――――――――――――


 ……!【鑑定】使用可能ってこと!?(現在使用不可)じゃないもんね、そういうことだよね!?


 やったやったよっしゃよっしゃ、そこら中の全部鑑定してやる!ここは何処か見せてみろ、あー……その辺の空間に向かって【鑑定】!


――――――――――――

【穢れた咎の領域】推奨レベル80〜

 ある者の執念に穢が纏わりついて生まれた迷宮ダンジョン。歪んだ生を植え付けられた其れに、道を外れた餓鬼が集り空間ごと歪んだ成れの果てである。

 通常クリア条件

 ・【風化鬼】を滅する

 特殊クリア条件(解禁済)

 ・罪を終わらせる

『かつて善行だった罪悪が辺り一面に転がる』

――――――――――――


 ……おおう……。ええとなになに、まずは推奨レベル80から……80!?!?!?!?もうわけわからないんだけど、何事……?


 ねえ、もしかして私の進化が速かったの、成長ボーナスのおかげだけじゃない……???というかもしかして、成長ボーナスが無いとここでもマトモな成長が見込めなかったとか、そういうこと?


 ふむ、あー、ちょっと下の【餓鬼】を鑑定してみるか……。どれどれ。


――――――――――――

【魔物】餓鬼 レベル62

 生前、貪欲ゆえ犯した罪悪のために、地獄で飢え乾き苦しみ続ける最下級の魔物。【風化鬼】に惹き寄せられ、地獄の綻びから這い出してきた。

 飢えを司るため、敵の満腹度を減らす妨害を行う

――――――――――――


 レベル62って。62って。そりゃアレをポコジャカ倒してればレベルもホイホイ上がりますよ。あー、というよりは、【ミニ・ダーク・スピリット】の要求経験がイカれてた可能性もあるな……。何せ【侵蝕魔法】必須なんだから。


 なんか、これを見ると、生きててよかったって思えて来るよ。あ、【餓鬼】はじゃあね。【ダークランス】。ちゃんと地獄に還って反省してくれ。


 ……ところで、今まで一度も満腹度を減らされた経験がないので魂は腹減らないってのはマジみたいだね。種族的に、空腹無効とかを持ってるのかな。おかげさまで【虚弱】のレベルは下がらないままだけど。


 まあ良いや、これはしばらく【鑑定】三昧になるかな。よし、明日から頑張ろう!


『連続ログイン時間の制限に達しました』


 あーもう、今やめるから待ってて!

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― 新着の感想 ―
>『かつて善行だった罪悪が辺り一面に転がる』 こころがもういきぐるしい 視覚もぼんやりで良かったパターンじゃないですかー!
pkしちゃったのは餓鬼のプレイヤーかな? ながら作業してるとまたやりそうw
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