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22.デメリットスキル

 うおあああああああ死ぬほど湧いてくるなこの餓鬼ども!!!!【ダークランス】、【シャドウボール】、あああ【魂縛】!!!範囲火力が欲しい!!!


 あ痛っ。殴りやがったなこの!【ダークランス】!はー、もう、なんか……どっかいけ!【魔素操作】!……ちゃんと押し流せるんだ。


 あーしんど。あーしんど!何だマジで。何なんだ、マジで!この襲われよう、というか天丼っぷり、絶対におかしいってば!これっ、これ、【隠匿】機能してるの!?


――――――――――――

【隠蔽】レベル1

 姿を隠し、世の影へ隠れる技。

 自身以外にも発動することができる。

 効果時間・解除するまで永続

(現在はノンアクティブです)

――――――――――――


「……(アクティブ!私を対象にアクティブにしてくれ!)」


 必死で【隠蔽】をアクティブにする。そうした途端、私に向かってたかってきた餓鬼たちが、急に目標を見失ったかのように右往左往しはじめた。良かった、効果があったみたいだ……。あー、疲れた……。


 ……なるほど。【隠匿】はパッシブで常にオンになってたけど、こっちはオンオフが効く分最初にアクティブにしてあげないといけないのか。次は忘れないようにしないと、もう餓鬼祭りは嫌だ……。


 ちょっとこれ、いくつかスキルを確認しないとマズそうだな。よし。


 うん、【〇〇耐性脆弱】系はその名の通りのデメリットスキルだな。あ、【物理耐性脆弱】がレベル7まで下がってる!やっぱり耐えることで上がってくもんだったのか。となると、そのうち魔法系の敵ともやりあっておかないといけないな。あと、極限の環境に身を置いたりとかも。


 それで、問題はずっと置物と化している【虚弱】だよ。お前なんなんだ。


――――――――――――

【虚弱】レベル50

 あらゆる状態異常・疾病に対して脆弱になる。

 また、筋力と生命力に低下:極大

 レベルを下げることでデメリットが軽減される。

――――――――――――


 ……あー、つまり。お前は【全状態異常耐性脆弱】かつ【全疾病耐性脆弱】かつ【体力低下】みたいな感じ?デメリットスキルてんこ盛りだよ……わーお……。


 えーと、だから?こいつのレベルを下げるには、何か重いものを持ち上げるとか、身体を鍛えるとか、何か病気や状態異常にかかってそれを治すとか……うーんアテが無さすぎる。しばらく置物続行だね。


 つらい。筋トレだけでもできたら良かったのに、形無き霊魂アバターであるばかりに。あー、【非実体】が私の思っていた以上に悪さをしている。地形無視とか結構良いじゃん!とか言ってごめんなさい、無理です。いつか必ず消します。消せなくてもオフにします。


 さて、次は【干渉力低下】か。レベル100とかいうとんでもない数値をしている割には、結構素直にサクサク下がってくれて嬉しいよ。


――――――――――――

【干渉力低下】レベル67

 あらゆる能動的行動の効果が大きく減少する。

 レベルを下げることでデメリットが軽減される。

――――――――――――


 ……おっそろしいスキルだ。『あらゆる能動的行動』ってことは、下がらないと自分の意志ではマトモに動けすらしないってこと?そりゃスキルレベルが下がりやすく設定されてもいるわけだよ。これで下がりにくかったら流石に引退してたな。本気で。


 えー……デメリットスキルって私の思ってた以上にヤバいものばっかりだったんだな。何らかのペナルティくらい重いじゃん。


 そして【感覚鈍麻】。これもレベル39まで下がった。おお、そう聞くと視界がほんのり良好になっている気がしなくもないね。……うん、ごめん。違いが全く分からない。これは感覚器官を得てから影響を理解できるようになるやつだな。


 そして【非実体】。お前が一番大概な性能してるよ!マジで許さない。


――――――――――――

【非実体】

 エネルギー、思念、霊魂……あなたは不定形の何らかであり、肉の身体を持たぬ存在である。

 このスキルは状態スキルである。

 このスキルにはレベルが存在しない。

 効果時間・永続

――――――――――――


 このスキルにはレベルが存在しない。レベルが存在しない、かあ……。つまりレベルを下げて影響を抑えることもできないわけで……私の不甲斐ないふよふよ霊魂ボディもこいつのせいで……キレそう。


 そしてまた新情報が出てきたな。なんだこりゃ、“状態スキル”?ということは、アンデッド系のプレイヤーには【アンデッド】ってスキルがある、みたいな話なのか?


 それから、確認し忘れの称号タイトルについても調べよう。ごめん本当にマジで忘れてた。


――――――――――――

【名予想家】

 名勝負の行方を見事に的中させてみせたものに与えられる称号。

 記念称号・効果なし

『あそこで読み違えてなかったら、勝ってたのは俺だって!マジで!!』

――――――――――――


 おもろ。でも意味はあんまりないのか。抽選で当たるイベント参加記念って感じだね。


――――――――――――

【唯一無二】位階ランク

 この世に二つと存在しないものへと変貌を遂げたものへ与えられる称号。

 再び進化を遂げるとき、位階が上がる。無二の道を踏み外すことなかれ。

 隠し称号・全ステータス上昇(少)

千紫万紅(千思万考)の世にも、不純物は現れる』

――――――――――――


 見なかったことにしよう。……見なかったことにするんだよ!しろ!!


 あー、なんか色々考えることが多いなあ。つまり良いゲームってことだけどね。何も考えずにいるのも楽しいけれど、自分が動くのがデフォの完全没入型フルダイブVRゲームでずっとそれは、ちょっとしんどいし。考え続けるのもしんどいっちゃしんどいけど。


 ……アルマは【つる】とか【胞子】とか、そんな感じのスキルを持ってたりするのかな。考えてみるとちょっと面白い。イチカは……【料理】?【解体】とかも持ってそう。そんなのあるかは知らないけど。


「……(まあ、今はレベル上げだな)」


 レベル上げして、レベルを下げる。これ大事。じゃ、今日も頑張ろうか。


『連続ログイン時間の制限に達しました』

『3分以内にログアウト処理が行われない場合、強制ログアウト措置を実行します。残り……』


 わー待って待って!!!今ここで落ちたら死ぬ!!……てことは結局あの小部屋に逆戻りじゃん!!うわー!!!

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