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112.いのち と やくそく

むかし の そのまた むかし


ある ところ に


いのち と やくそく の かみさま が いました


ある みにくい おとこ は いいました


「やくそく の かみさま に あわせて ください」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に あって ききました


「なぜ わたし に あいたい の ですか」


おとこ は いいました


「わたし は つみ を おかしました


あなた に さばかれる ため に きました」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に むかって ききました


「なんの つみ を おかした の ですか」


おとこ は いいました


「こめ を ぬすみました


さいしょ は いもうと の ため


つぎ は とも の ため


さいご は むらびとたち の ため


わたし の せいで


いもうと と とも と むらびとたち は


みな ころされました」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に いいました


「では あなた は


いもうと と とも と むらびとたち を


くよう する たび に でなさい


ひとり で あるいて だれか に たよらず


ひとり で たび を しなさい


いつか おのれ を ゆるす ひ まで」


おとこ は きらきら ひかる なみだ を ながして


かみさま を みつめて いました


――――――――――――


むかし


ある ところ に


いのち と やくそく の かみさま が いました


ある うつくしい おとこ は いいました


「いのち の かみさま に あわせて ください」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に あって ききました


「なぜ わたし に あいたい の ですか」


ある おとこ は いいました


「わたし は しっぱい したのです


わたし は もっと すぐれている べき なのです


わたし に えいえん の いのち を ください」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に むかって ききました


「なに を しっぱい したのですか」


おとこ は いいました


「あに に まけました


どちら の あに にも まけました


わたし が もっとも すぐれて いるのに


だから えいえん の いのち が ほしい の です


あに を みかえす べき なのです」


いのち と やくそく の かみさま は


おとこ に いいました


「では あなた は


ひとなみ に いきて しになさい


あなた は すぐれて いない の ではなく


まわり が みえて いない の です


あなた の しあわせ を さがして


しぬまで いきて いなさい」


おとこ は どろどろ にごる なみだ を ながして


かみさま を みつめて いました




うつくしい おとこ は 


やくそく と いのち の かみさま を


ころして のむ ことに しました




おとこ は かみさま の はら を ひきさきました


はらわた は すぐ に くさりました


おとこ は のこった もの を かきあつめます


ち は ぎんいろ の えきたい


ひとみ は とっくりいちご の ような あか


ほね は にぶい なまりいろ


ひづめ は もろく はいいろ に ひかり


つの は かがやく おうごん


おとこ は かみさま から うばいました


たくさん たくさん うばいました


つかいかた に なやむ おとこ は


だれか で じっけん しました


ねずみ こども しようにん


あに の むすこ


かれら は しにました


そうして おとこ は


かみさま の つかいかた を しりました


すりつぶして のみました


ぜんぶ つかいきりました


うつくしい おとこ は みにくい えがお で


かみさま を のみこみました


うつくしい おとこ は


えいえん の いのち を


て に いれました


おとこ は おのれいがい の


えいえん の いのち を おそれて


にせ の えいえん の いのち も


かいて のこして おきました


すいぎん とっくりいちご なまり ひそ きん


それら を よく まぜて


のむと しぬ


にせ の えいえん の いのち を


いのち の ほうほう と いつわって


かいて のこして おきました


――――――――――――


ひきさかれた かみさま は まだ いきていました


ひきさかれた はんぶん は


みにくい おとこ の もと へ たどりつきました


みにくい おとこ は ひと を やめても


いもうと と とも と むらびとたち の くよう を おえても


ひとり で あるいて たび を していたのです


みにくい おとこ は かみさま を けんめい に てあて しました


しかし てあて も むなしく


かみさま の はんぶん は しんで しまいました


みにくい おとこ は かみさま を


ていねい に ていねい に


くよう しました


みにくい おとこ は


あたらしい やくそく の かみさま に なりました


――――――――――――


ひきさかれた もうはんぶん は


かわを くだり


うみを こえて


とおい しま で いきたえました


かみさま の しんだ からだ から


きれいな みどりいろ の め が でました


その め は すくすく そだち


やがて おおきな き に なりました


その おおきな き は


あたらしい いのち の かみさま に なりました


――――――――――――


あたらしい やくそく の かみさま は


うつくしい おとこ を みつけて いいました


「おまえ が えいえん に いきる なら


いきる くるしみ を


えいえん に あじわえ」


あたらしい やくそく の かみさま は


おとこ に のろい を かけました


おとこ は のろい に くるしみます


のろい に たえかね かんがえました


「しらない だれか に おしつけて しまえ」


おとこ は やすらか に ねむる


つみ の ない おとこ に


つみ を おしつけました


つみ の ない おとこ は


ざいにん に なりました


うつくしい おとこ は


つき の ない よる へ


きえて ゆきました


――――――――――――


あるとき


ある おんな が


にせ の えいえん の いのち に ふれました


おんな は いのち を もとめました


おんな は ざいにん を つみ から ときはなちました


おんな は 


にせ の えいえん の いのち を のみました


おんな は しにつづけました


おんな は いのち を ゆるしました


おんな は じぶん の いのち を みつけました


あたらしい やくそく の かみさま と 


あたらしい いのち の かみさま は


おんな に ちから を ゆるしました


おんな に いのち を ゆるしました


おんな は あたらしい いのち に なりました




あるとき


おんな は うつくしい おとこ と であいました

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― 新着の感想 ―
扶桑樹とアルマ、穢王とエナの話か~ 元々は扶桑樹と穢王が合わさったかみがいたのかな? 優しそうなかみだったのに顔だけ美しく心は醜いおとこに殺されてしまって、、、
難しい…要約が欲しい
あいつ予想よりもカスすぎて笑うしかない
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