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第57話:プールの後はスパリゾート



 夏のプール。


 スライダーで娘にイタズラした美里を『おしおき』する雪枝。

 プールの係員からアウトも頂戴し。


 こそこそっとスライダーを後にする一家。


 園内のフードコートで昼食を済ませ、午後は流れるプールで、ゆったりと流された後。


 隣接するスパリゾートで、さらにゆったりと湯に浸かる。


 残念ながら、ここでも、女子三、男子(いち)に分かれる事に。



「はふぅ……プールの後の温泉も良いよねー」

 正確には温泉ではないが。

 ここでは、ぽろりは標準仕様。三人とも、ぽろり状態で。


「雪人くんが一緒に入れないのは、残念だけど」

「うふふ。今度はぁ、温泉宿予約してぇ、家族風呂、かしらぁ?」

「いいねっ!」

 前のめりなアカネに。


「あー、でも……」

 母・美里が。


「今の雪人ちゃんだと、まだ抵抗あるんじゃないかなぁ」

 横やり。


「あー……そうだねぇ、先ずはそこからかぁ……」

 残念な気付き。


「やっぱりぃ、スケジュールぅ、前倒ししてでもぉ、前進、しないとねぇ」

 一応、スケジュールは立てているとは言え。

 うかうかしていると、遅延してしまうのは世の常。


 常と言うならば、前倒しで余裕を持った行動を心掛けないと。

 いざと言う時に、間に合わない可能性も無きにしも、非ず。


「そうそう、それで思ったんだけどさ」

 アカネも何やら、気付いたことがあるらしい。


「なぁにぃ?」

「えとね、『A』……キスは済ませたってコトだけど、あれって、『A』の中でも、初歩の初歩だよね?」


 唇と唇を触れ合わせる、いわゆる、バード・キス。


「ふむ?」

「さっき、雪枝ママがお母さんにしてたような()()()()()のキスって、『B』の領域になるのかな?」



「私はそのつもりだったけど」

 美里の意見。


「私はぁ、『B』の前にぃ、って、思ってた、けどぉ」

 雪枝の考えと、齟齬(そご)


「どっち!?」

 直接影響を受ける娘・アカネとしてはかなり重要なポイント。


「前倒しって言う意味でも、早い方がいいだろうし、先にヤっちゃう?」

「そぉねぇ、毎日の『A』はぁ、もぅ、できてるしぃ」

「そういう意味では、さっきの雪枝ママのお手本はナイスだったかも?」

「めっちゃ怒られたけどね……雪枝さん、大胆すぎ」

 ぽっ。

 思い出して頬を染める美里。


「そぅとぉ、決まればぁ、さっそくぅ」

「おーっ」

「おーっ」


 なんだかんだで、仲良く方向性もまとまって。


 結束、結託、結論。




「ぶえっくしゅっ!」


 そんな、女湯の出来事は露知らずの、雪人。

 湯舟の中で温まっているにも関わらず、大きなくしゃみ。


「……また何か悪だくまれてる気がする……」


 するどい。


「それにしても……」


 母さんも、美里ママも……アカネより大胆だよな、と内心。


 他の入浴客も居るので、声に出して独り言をつぶやく訳にもいかず、頭の中で考える。


 プールでの実母の大胆な行動。


 あの親ありて、あの娘あり、か?


 いや、でも、そうしたら。


 自分……雪人も同じように影響を受けている?


 男女の差、か?


 母親と、娘。遠慮の要らない部分は、男の自分より多分にあるのだろう。


 特に、性的な部分に関しては、なおさらに。


 ここへ来て、例のプロジェクトだなんだと、色々と『教育』されているが。



 もちろん。


 雪人とて、思春期を過ぎた、男子。



 それなりの興味もあれば、知識も、無くは、無い。


 ただし。


 実際に為すべき行動となると。


「んーっ!」


 自分が実行する事を想像すると、のぼせそうになってしまう。


「ちょっと早いかもだけど、もう、上がろう……」




 ロビーで少し待って、女性陣と合流して、帰路へ。


 せっかくだからと、夕食は少し早めに外食で済ませて。



 美里の運転する車が、家に近付いたところで。


「そうだ、雪人くん、次のステップに進むからねっ!」


 そう宣言する、アカネ。


 嫌な予感的中の雪人。



 もう、こうなったら、腹をくくるしか、ないのか?





お読みいただきまして、ありがとうございます!


力尽きそうになりながらも、どうにか毎日更新を続けられておりますのも、お読みくださる方々のおかげでするん!(><

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