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19.聖女見習い2

「これは…?」

「ふふ、開けてみて」


袋を開けると、中には何枚かの服と鞄、カードが入っていた。


「シャリアちゃんの制服セットと聖女見習い証明書よ」

「うわぁ、可愛いー!」


聖女見習いの制服は、白と銀をを基調としたワンピースで、背中の所には大きめの銀のリポンが巻いてある。

鞄はこれも白と銀が基調となっていて、結構大きい。中には包帯やガーゼ、消毒液など治療セットと水筒が2本入っている。


「なんで水筒2本も入っているんです…入ってるの?」

「1つは普通にシャリアちゃんの飲み物を入れるものよ。聖女って人混みに行くことが多くって意外と熱中症になる人多いからね。それで、もう1つは聖水用よ」

「聖水…?」

「聖力が込められた水のこと。それを飲んで聖力を回復したり、そのお水で治癒したり用途は様々なんだけどね」


なるほど。緊急用という訳だろう。鞄の中身まで支給されるとは思っていなかったため、少し驚いてしまう。人を助ける職業柄、必要な物は全て支給している、ということだろうか。


一連の説明を終えると、リリーはシャーロットの手を取り、元気よく手を上げた。

「それじゃあ、制服に着替えて城下町へレッツゴー!」


□■□


「さてと、到着!」

シャーロットはリリーに案内され城下町にやってきた。


賑わう市場、行き交う人々。


(ふわぁぁぁ…!)


城下町に来るのが初めてのシャーロットはキラキラとした目でその光景を見つめていた。


(あれは噴水ってやつかしら!あれは…屋台?もしかして屋台ってやつかしら!?美味しそうなのがいっぱい並んでるわ!あぁ!あれは…なんだったかしら…はっ!『かふぇ』、『かふぇ』だわ!)


夢中になっていると、隣でクスリと笑う声が聞こえ我に返る。


「城下町初めて来たの?」

「はい!」

「そっか。じゃあ、お仕事終わったら一緒に屋台で何か買おっか」

そう言ってシャーロットの手を引いて歩き出す。

光を反射して百合の髪飾りがキラキラ煌めく。本当に天使のようだ。



「あら、泣いてる子がいるわ。どうしたのかしら?」


早速、転んだのか地面にへたりこんで泣いている男の子を見つけた。

2人は男の子の元まで歩くと、しゃがんで目線を合わせる。


「どうしたの?転んじゃった?」

「うっ、うっ…うん…」

「お母さんは?」

「食べ物買いにいっちゃった。僕、お留守番しててね、って言われたのに…うわああぁん」


そこで言葉を区切ると、少年は再び泣き出した。どうやら、母親が外出中に外に出てしまったらしい。そして転んで歩けなくて泣いているという所だろうか。


リリーに少年をベンチに座らせないかと提案すると、彼女は直ぐに賛同して、少年の手を引いて近くのベンチに座らせた。


「どっちが治療しま…する?」

「そうねぇ、私が膝やるからシャリアちゃんは肘お願いできる?」

「了解です!」

ピシッと敬礼を返す。


治癒魔法をかけると、傷口がだんだん塞がっていく。完全に塞がってからリリーの方を見ると既に治癒は終わっていた。


(わ、早いわね…)


シャーロットは聖力検査ではあまり他の人の治癒の様子を見れなかったため、技術レベルの平均がどれくらいなのか、全く分かっていない。

シャーロットの前世の実力との比較や、先程からの動きの良さから考えるに、リリーは優秀なのだろう。


「うわぁ、おねえちゃん達すごい!」

少年は立ち上がるとぴょんぴょん跳ねる。あまりの感動ぶりに、嬉しくて少し照れてしまう。


「ふふ、治って良かったね。おうちには帰れる?」

「うん!もう歩けるから大丈夫!」

「じゃあ、気をつけて帰ってね」

リリーが少年の頭を撫で終えると、手を振りながら少年は走り去っていった。


そしてシャーロットとリリーは、時に二手に分かれながら日が沈むまで町の怪我人を治療して回った。

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