おっさん今後の人生を考える
俺の家に着いたのは20時を回った頃だった。妹はこのまま泊まって行く気のようで勝手に人の家のシャワーを使っている。
俺は俺で先ほどのことを思い返していた、正直こんな簡単に大金が手に入ってしまうとこのまま探索者として生きていったほうが楽なのではないかと。
そんなことを考えていると妹が風呂から出てきた。お前タオル一枚でよく出てこれたな。この時俺は妹に人間として認識されていないことを再確認した。
「そういえばバカ兄貴は仕事どうするの?わたしやめちゃおっかなって」
いやいや、大金が入る予定があるからってそれは安直すぎないか。
「仕事やめどうすんだよ、人生いろいろ金かかるんだぞ」
「仕事はやめるけど、バカ兄貴と一緒に探索者真面目にやったらそっちの方が儲かりそうだから」
あらやだ、なんて素直な金に意地汚い子なの。
「お前それ俺に寄生する気満々じゃん!」
「お兄ちゃん、だめ?」
1日に二度も同じようなこと俺が引っかかる訳ないだろ、、、
「ダメ訳ないだろ、週明け辞表出してくるわ」
クッ!殺せ!口が勝手に動いちまう、脳では罠だと分かっていても、俺の本能のシスコン勝手に、、、
妹の策略にハマってしまった俺は、腹を決めて冒険者として生きて行くことにした。
「冒険者としてやって行くならまずは俺のスキルについてもう少し詳しく知っておくべきだよな」
「確かお兄ちゃんの再設定ってスキルは自分のステータスの値を自分でいじれるんだっけ?」
「そうそう、増やしたり、減らしたり出来るんだが、その為にはSPってポイントが必要みたいで、今余ってるのが700ちょいってところだな」
「それで今ってどんなステータス?」
俺は現在のステータスを紙に書き出して妹に見せた。ついでに妹のステータスも書き出した。
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東郷仁
SP 711.1
HP 124
mp 1256
STR 50 + -
DEF 50 + -
SPD 50 + -
INT 50 + -
DEX 50 + -
LUC 100 + -
スキル
再設定
物理耐性
気配探知
火魔法(I)
俊敏
鑑定
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東郷結菜
HP 28
mp 30
STR 12 + -
DEF 10 + -
SPD 14 + -
INT 16 + -
DEX 13 + -
LUC 10 + -
スキル
物理耐性
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こう見比べてみると俺って少し人の域を超えてそうなステータスしてんな。まだ余ってるポイント振ったらマジ人に戻れなくなりそう。
「やば私の倍以上じゃん、そりゃあゴブリンだのをワンパンする訳だね。今って最深層って24層でしょ、バカ兄貴ならステータスだけもっと先いけそうだね。」
やめてお兄ちゃんそんな怖いとこ行きたくない。そんなこと話していると時間は過ぎていき今日は寝ることにした。