おっさん金持ちになる
ゲートまで戻ると今日手に入れたドロップ品を売却する為にダンジョンショップへと向かった。
本日の成果は、スライムの薄皮10枚、ゴブリンの爪6個、ゴブリンメイジの布切れ4枚、ウェアウルフ毛皮が4枚、ゴブリンアーチャー弓6本、デビルズアイの羽4枚、デビルズアイの瞳1個が本日の戦果だ。
ジャンプのお姉さんにアイテムを渡し、査定完了までショップをぶらついていると、裏から慌てたお姉さんが出て来た。
「あの、お客さま!か、このアイテムはどこで手に入れたのでしょうか?」
お姉さんは俺が試しにデビルズアイの羽をを再設定で変えたデビルズアイの瞳を持っていた。
「デビルズアイ倒したらドロップしましたよ」
「す、少しこちらでお待ちいただけますでしょうか」
ショップのお姉さんは、俺たちをカウンターの奥にある応接室みたいなところに通すと、何処かへと消えていった。
「バカ兄貴、またなんか変なことしたの?」
変なことって、ちょっとアイテムを交換してみただけなんだけどな、、、
しばらくすると、ショップのお姉さんは少し偉そうな感じのおじさんを連れて戻って来た。
「私は新宿ダンジョン管理課、課長の澤部と申します」
「本郷仁です、こっちが妹優奈です」
握手を交わすとお互い席に座り、澤部が話始めた。
「本日お二人が持ち込んだこのデビルズアイの瞳の件で少しお話しさせていただけませんでしょうか?」
「はい」
「このアイテムなのですが、ダンジョンが発生して5年初めて発見されたアイテムになります」
へ?マジっすか。そりゃあ、ショップのお姉さんが慌てふためく訳ですな。
「正直言ってこのアイテムはの希少価値はざっと見積もっても数億はするでしょう。私どもとしてはこちらを一度預かりし然るべき検査を行い、こちらの方で買い取らせていただく形でよろしでしょうか?」
「全然俺たちとしては買い取ってもらえるならそれで十分ですよ、数億とか言われても実感湧いてないですし」
気づいたら数億稼いでるってなにから夢、試しに妹の頬でもつねろうとしたら、先にこいつがつねってきやがった。
そんな俺たちをみて課長の澤部さんは苦笑していた。
「では少しお待ちください、こちらの方で契約書を作成して来ますので」
そう言って澤部さんとショップのお姉さんは何処か行ってしまった。妹よいつまで俺の頬をつねってるんだ。
「これ夢じゃないよね?」
「ゆへしゃないはらはなへ」
ただ問題は妹がいくら請求してくるかなんだよな、倒したのも俺だしドロップさせたのも俺だろ、10対0以外ないな。
「お兄ちゃん、折半ね」
いきなりお兄ちゃん呼びするなんて、俺はそんな罠に引っかかりません!
「はい!喜んで!」
クッ!殺せ!そうですよ、俺は世間一般的に言うシスコンですよ。おいおい妹よ、そんな見えるところでガッツポーズはよしてくれ。
暫くすると、澤部さんは契約書を持って戻ってきた。俺たちはそこにサインをし、デビルズアイの瞳以外のドロップ品の換金をすませ、その場を後にした。