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おっさん兄妹パーティー結成です。

新宿ダンジョンに着いた俺は妹を待つ間、ゲートの横にあるカフェでコーヒーを飲んでいた。


今日は取り敢えずの目標で5層まで行ってみたいな。と予定を考えていると、妹が店に入ってきた。


「お待たせ、バカ兄貴」


「いや、全然待っとらんぞ」


このセリフ彼女ができたら使いたいわー、なんでお前やねんって思いつつ、妹の格好を見てみると動きやすような服に、ちゃんとし膝などの関節にはガードのような物を付けていた。


「バカ兄貴、まさかその格好で行く気?」


え、なんですか?俺もちゃんと大手のユ○クロさんのとこで動きやすい服選んだつもりなんだけど、、、、


「そんな危険なところに行く気もないし、これで大丈夫だろ?」


妹は呆れた顔で俺をみてきたが、俺のメンタルは鋼より硬いので無視をすることにした。


「お前そのでかい鞄何入ってるんだ?」


妹が背中にしょっていた黒いカバンについて聞いてみた。


「私の獲物よ、バカ兄貴は何使うの?」


「あ、俺かこれ」


と言いバールを見せると、なんとも言葉に言い表せないものすごーく残念な物を見る目で俺をみてきた。


「よし、時間も勿体無いから早速行くぞ」


この空気に耐えられなくなった俺は、妹にそう告げ、足早にダンジョンゲートへと向かって行った。



前回と同様にゲートを抜け階段を降りた広間で妹が声をかけてきた。


「バカ兄貴、探索者カード貸して」


取り敢えず、よくわからず妹にカードを渡した。妹がカードに向かって何かをつぶやくと、カードが光り出した。


(バカ兄貴きこえる?)


???!?頭の中に妹の声が直接聞こえてきた。


「聞こえてるみたいね、探索者カードにはダンジョンの恩恵みたいなのでパーティーを結成する機能があるみたいなの。そんで、パーティーを結成するとさっきみたいな念話が使えるようになるの」


なるほど、人類はここまで進化したんだな。


(こうか?)


(そうそう)


俺も試しにやったみたがどうやら成功したようだ。この後も妹の説明が続き、要するに念話は半径15メートル以内のパーティーメンバーにのみ使えるらしい。


「んじゃあ、そろそろ進むか」


俺がそう言うと妹は鞄からアーチェリーっぽい物を取り出して俺の後を追い始めた。それで俺のこと後ろから打たないでねと、心の奥底から願いながら俺も進み続けた。



少し歩いているとスライムが出てきたが前と同じようにバールで薙ぎ払うと消えて行った。その様子を後ろから妹は可哀想な人を見るように眺めていた。


歩いているとふとした疑問が浮かんだ、妹が倒してドロップしたアイテムは俺の再設定が使えるのかと言う疑問だ。俺は妹にそれを説明し何匹か倒してもらうことにした。


4〜5匹妹がスライムを倒すと、スライムの薄皮がドロップした。俺はそれに近づき触ってみると。


『ドロップアイテムを再設定しますか? Y/N』


俺が倒してもいないモンスターでも成功したことに驚きつつも、Yをタッチした。すると前回の俺と同じようなリストが表示された。


『・スライムの薄皮

 ・スライム液

 ・スキル 『軟化』

 ・スキル 『物理耐性』 』


「なぁ、スキル要るか?」


何気なく妹にそう言うと、妹はとうとうコイツ逝っちまったなみたいな表情を浮かべてきた。


「あのね、さっき言ったけどスキルっていうのはねそんな簡単に取れる物じゃないの」


これ以上話を聞きたくないので俺は勝手に『物理耐性』のスキルを選び妹に渡した。


「え?ちょ?え?」


妹は目を丸くして、しばらく考え込むと自分の頬をつねり出した。これはなかなか末期ですね。


「ほら勿体無いから使っちゃえよ。たしか、使いたいって念じれば使えるようになるらしいから」


妹は少し戸惑いながらもスキルを使用した。するとカードから淡い色の無数の弾が飛び出し妹を包み込んだ後、妹の中へと消えて行った。


「これ本当なの?現実」


「残念だけど現実です」


未だに信じられないって感じの妹をほって置いて俺は2層へと続く階段を目指して進み始めた。


少しすると2層への階段に到着しそのまま2層へ俺たちは入って行った。前回と同様に2層は森林が広がっておりなんとも言えない感情が込み上げてくる。


一度妹の方を確認すると少し落ち着いたようで、無言で俺の跡を追ってきていた。俺は地図を取出しながら3層へと続く階段へ進み始めた。


途中何度かゴブリンと戦闘になったが前回と同じようバールで一発殴るだけでゴブリンは消えて行った。そんな戦闘を後ろから見ていた妹は、本当だったんと言う顔押していた。


2層を進むこと一時間ほどで3層へと続く階段にたどり着いた。少し妹の方を確認するとつかれた様子なのでこの階段付近で休憩を取ることにした。


「ほら、これでも飲んで少し休めよ」


「ありがとう、バカ兄貴はなんでそんな疲れてないの?」


んーなんでだろ?言われてみれば休みなく二時間ほど歩いて入るけど、全然疲れたと言う気分にはなっていない。


「んー、なんでだろうな?」


俺はこの時まだ気づいていなかった、先週あげたステータスがどれほどの効果を出しているのかを。


30分ほど休憩し俺たちは3層へと続く階段を澄んで行った。

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