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本と思い出に栞を  作者: piyo77
子どもから少女へ
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お茶会当日

春の日差しが徐々に力強さを増してくる5月の終わり、お茶会は開催された。


今回は6歳から10歳とは言っていたけれど、実際には8歳から10歳の子たちが大半だとのこと。



到着すると、既に親しい方たちである程度のグループができていた。

お母さまもすぐにご婦人方に声をかけられている。

こうなると私は手持無沙汰で、すぐに用意された席についた。

離席の可能性も含めてか、目立ちにくい端の席にしていただいていて、気遣いを感じられる。


さほど経たずして、お茶会の開催として主催のリスティア夫人が話し始めた。

「本日は皆様、招待を受けていただきましてありがとうございます。本日は花のティーパーティ、皆さん和やかに過ごしていただけたらと思います。数種類のお茶と茶菓子を用意しておりますので、楽しんでくださいね。

 早速、始めたいところではあるのですが、本日はぜひにと参加してくださった方がいらっしゃいますので、ご紹介させていただきます。」

そういってリスティア夫人の隣に、パールブルーの髪色、サファイアの瞳が爽やかな男の子が一歩前に出てきた。

「本日、リスティア公爵夫人に無理を言って出席させていただくことになった、この国の第二王子、ティフィンだ。この場を機に、皆と気兼ねなく話せるようになれたら嬉しい。」


主催の公爵家への挨拶だけではなく、ティフィン殿下にも挨拶をすることになった。

公爵家の子ども達は流石というべきか動揺をあからさまに出すような教育は受けていない。

侯爵家もまぁそうよね。問題は伯爵家の子ども達。


公爵家当主と同等程度の地位にある王子と急に挨拶といわれても、そう、例え王子が堅苦しいことは求めていなくも、どうしたらよいか困っている。

公爵家、侯爵家と挨拶を進め、早々に伯爵家の子どもたちの番がきたものの、促されても躊躇して挨拶へ行くに行けない子が多いみたいね。


ぼんやりと眺めていると、お母さまが近くに来て肩に手を置いた。

ディクス家は伯爵家でも立ち位置が高い方なので伯爵家の一番手になっても問題はない。

そのうえ、別に私は気負うこともないのだから。


ささっとリスティア公爵家ならびに王子の前に出る。

しなければいけないなら早い方が良いものね。


「ディクス伯爵家長女、アレクシア・ディクスです。王子殿下の麗しき姿を拝謁でき、恐悦至極にございます。リスティア公爵夫人、素敵なティーパーティにご招待いただき、サプライズまで、素敵なお時間をありがとうございます。」


出来る限り優雅に見えるようカーテシーをしたものの、私にこの体勢は長時間できない。

今回はお茶会で挨拶が後ろに使えていることもあって、短時間でも許されることが本当に助かった。

最低限の顔見せをして、早く席に戻ろう。


読んでいただいてありがとうございます!


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