クラスの始まり
クラスAはやはり高位貴族が多い。
アルヴィ王子、アイゼル王子殿下、4つ存在する公爵家のうち三家それぞれから1名ずつ、
侯爵家からは4名。
伯爵家は私の他3名。子爵家から1名。
クラス内には全てで12名。
「このクラスの主教員となりました、フェルディナントと申します。以後、よろしくお願いいたします。それでは、皆さん一人ずつ自己紹介をお願いします。」
室内は横並びに4席、それが3列ある。
廊下側、アイゼル殿下から始まる挨拶はつつがなく進み、私も無事に終えることが出来た。
人前で話すなんて緊張しかないけれど、視界にアルヴィ様がいて少し安心して話せたわ。
それに、全員穏やかな様子で良かった。
基本の日程表をもらい、説明を受け、選択できる3枠にどの授業を受けるか希望表に答える。
枠の1つは運動系。
基礎体力、基礎訓練、ダンス、スポーツの選択。
基礎体力と基礎訓練は同じように見えて負荷が相当違うらしい。
私はもちろん基礎体力。
枠の2つは座学から選択する。
全て基礎のもので、貴族学、経営学、儀礼学、美術学、美的学、音楽学、武物学、古物学、文化学、多国学。
大体は文字通りで、武騎院へ入りたい者は武物学や儀礼学、領地を治める者は貴族学、経営学など。
私は幸い、何も関係ないから文化学と多国学。
他の授業も捨てがたいけれど、まずはこの2つから。
成績が良く安定していれば、来年春から枠を増やすことも先生が相談に乗ってくれるらしい。
その後は帰り支度の上で遠回りに門へ向かっていきながら先生が各部屋の説明をしてくれる。
基礎学を受ける講堂、運動は外か屋内運動場、食堂やその他の部屋。
貸し出しもされる図書室は忘れずチェックしなければ、と思うけれど他の部屋は疲れもあって少しうろ覚えの状態で門まで到着。
「さて、明日からこのクラスでやっていくので、またよろしくお願いします。今日の所は気を付けて帰るように。」
フェルディナント先生の言葉をきっかけにそれぞれが門から出ていく。
「先生、私は東門から出たいので、学内を通ってよろしいでしょうか。」
「もちろん、大丈夫ですよ。学内は広いので迷わないようにだけ注意してくださいね。」
一応先生の許可を経て、東門へ向かう。
「アレクシア嬢、良ければご一緒させていただいてよろしいでしょうか。私も東門から出るのです。」
アルヴィ様はまだ他に人がいるから他人行儀な話し方のように思う。
「では行きましょうか。一人では少し自信が無かったので助かります。」
少し歩いたところで、ふぅ、とアルヴィ様が息を吐く。
「やっぱりアレクシア嬢と他人行儀にするのは大変だね。いつも通りに離せないとはもどかしいものだ。」
「そうですね。新鮮ではありましたが。」
「確かに。」
「何にせよ、同じクラスで良かったです。知らない人だけしかいないより心強いですね。」
「そうか。僕もアレクシア嬢と同じクラスで良かったよ。何より、今まで以上に一緒に過ごせる。」
そういって、私の荷物を持つと、柔らかく笑ってくれる。
「ヴィアルド様。少し、エリシオの事、相談させていただいてもよろしいでしょうか。」
家族にもなんと相談すれば良いのかわからないこと、きっとヴィアルド様は聞いてくれる。
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