4.攻略対象 魔法騎士団長子息
放課後に図書室で1人で明日の予習をしていた。
別棟にある小さい図書室に来ていたため貸し切りで1人黙々と明日の魔法学の予習をしていると。
『あれ?ベティちゃん?1人でどうしたの?』
いつも傍に女生徒を携えている魔法騎士団長子息のアレンがいた。
アレンは少し癖のある紫色の髪を耳にかけながらベティの前の席に座った。
「アレン様?今日はお1人なんですね?私は今明日の魔法学の予習を…。あの…よろしければベアトリスと呼んでいただきたいんですけど…。」
アレンも例に漏れずベアトリスを愛称で勝手に呼ぶ男のうちの1人だった。
『たまには1人の時間もいいかなーって思ってさ?でもベティちゃんと一緒の方がもっといいね?』
「そうですか。あのっよろしければ魔法学について教えてくださいませんか?アラン様は魔法の腕前がすごく、魔王討伐にも選ばれてるとお聞きししたのですが。」
『ふーん…僕もいるのに勉強の話かぁまぁいいけどね。いいよ!教えてあげる!どこがわからない?』
…………………
「ありがとうございます!とても分かりやすかったです!これで明日はバッチリです!では私はそろそろ帰ります!」
『ベティちゃんって本当面白いね?僕は面白い女の子が大好きだよ。僕の婚約者は何であんなに真面目でつまらないんだろうねぇ。ベティちゃんが僕の婚約者なら可愛くて面白くて最高なのに…。』
「え?私面白いですか?…凄いです!アレン様なんでわかったんですか?私王都に来る前は、よくお祭りのイベントとかでコントや一発芸を披露してたんです!!よろしければ披露しますね!!久しぶりにやるのでとても緊張しますが、誰かに見てもらいたかったんです!!!」
………2時間後
「次は一発芸を268個披露しますねっ!」
「え?…もういい?でも一発芸もよく笑っていただけたものなのですが?あっそうですか。十分笑った?…でもまだ時間はあるのでは?」
「婚約者様とデートですか?そうなんですか…。それじゃあしょうがないですねぇ。残念ですけど。また今度やりましょうか?」
「忙しい?魔法の練習と婚約者様との時間ですか…それは忙しそうですね。残念です…。」
「あっ!!いいこと思いつきました!よろしければ婚約者様があまり面白くないと先程おっしゃっていましたので、私のネタ帳を婚約者様に差し上げましょうか?アレン様は面白い女性が好きなようですと…え?いらない?」
「ぁあ婚約者様は奥ゆかしく、真面目で、一緒にいるだけで落ち着かせてくれる素敵な女性だと。確かにそうですね!落ち着いた女性はとても素敵ですね!!」
「よくアレン様が連れている女性達は面白い方なんですよね?なら今度ネタの相談にのってもらいましょうか…。」
「え?違う?…でもっ…あっもう他の女性はいらない?ぁあ真の癒しは落ち着き?まぁ落ち着くことは大事ですものね。」
「そうですね!デートなのに婚約者様を待たせるのは良くないですね!私はもう帰ります!アレン様は楽しんできてくださいね!それではさようなら!!」
ベティちゃんのネタはとてもつまらないです。
オチなし。やまなしネタを2時間口を挟む余裕なく話されています。
地元で盛り上がったのは皆が我が子の発表を見る感じで盛り上がっていただけです。