3.攻略対象 騎士見習い
コメントありがとうございます。
ベティのターンはこのままでいくことにしました。
最後までよろしくお願いします。
学園に通い始めて3日。
まだまだわからないことばかりで困ることも多い。
みんないい人ばかりでベティのことを手伝ってくれる人も多くとても助かっている。
中でも学園内でベティが困るとすぐ助けてくれるのは、王子様の側近で、魔王討伐のメンバーとしても参加する騎士団長子息のマイケルだ。
今も、移動教室の際に忘れ物をし、駆け足で戻るベティが角でマイケルとぶつかり転んでしまったことで、抱き上げて保健室に運んでくれると、不要な心配をやめてくれない。
『すまないベティ、まさか君が飛び出してくるとは思わなくて、保健室に行こう。抱き上げるよ?』
「大丈夫です。マイケル様。私が確認もせず走っていたのが悪いのです。授業に遅れてしまうのですみませんが失礼させて戴きます。…あとあのベティは愛称なんです、ベアトリスと呼んで欲しいのですが…。」
何故かこの学園で通う高位貴族子息はベアトリスのことを勝手にベティと愛称で呼ぶものが多い。
そのことを少し…いやちょっと…気持ち悪いなー。
と思うベティ16歳。
『ベティに怪我があったら大変だ!君のような華奢な女の子を弾いてしまうなんて。小さくてフワフワしてるからぶつかっただけでこんなに飛んでしまうなんて思わなかったんだ。俺と昔馴染みの女は背が高く、ベティのような華奢な女の子ではないから気づかなかった。』
…愛称呼びが実は流行ってるのかな?
ベティが小さくてふわふわ?言われたことないから嬉しい!
「ありがとうございます!小さくてふわふわなんて初めて言われましたわ!私専属スキルがタンクなだけあって実はここだけの話…120キロあるのです…。」
え?マイケル様そんなに驚く?タンクって攻撃受けること多いから筋肉がやっぱついちゃいますよね?
「あっそんな感じしないですか?流石に女の子として重すぎるのは恥ずかしいなーって思って魔法で操作してるんです。…内緒ですよ?見た目はこのままなんですけどね?」
「マイケル様私の専属スキルがタンクなのご存知なかったんですか?なんだーそれなら驚きますよね?私中型ドラゴンも10歳の時ですかね?殴って勝ちましたよ!!剛腕持ちなのでパワータイプなのですっ!!」
「マイケル様はもう大型ドラゴン倒しましたか?…あーなかなか出会えませんよねぇ。そうですねー。中型?空飛んでるの見つけて飛びかかってやりました。」
「あれ?マイケル様お顔の色が…?大丈夫ならいいんですが…。」
「あっ今度騎士団で手合わせしてくださいっ!最年少の天才騎士と言われるマイケル様と闘ってみたいです!
え?見習いだからできない?…そ…うなんですか。とても残念です。」
「そうだ!今日の自主訓練とかっ…」
「え?婚約者の方とデートの約束?あら!それは素敵ですね!!背がすらっと高くスタイルがいい婚約者様ですよねー。大人っぽくて素敵な方ですよね。」
「それで、いつなら一緒に訓練できますか?とても楽しみです!手合わせダメでも自主訓練なら一緒にできますよね?」
「あっ授業に遅れる?…そうでした!大変!!忘れるとこでした!ありがとうございます!!ではまたっ!」
この後マイケルは二度とベティの前に現れなかった。
憧れふわふわ華奢女子が実はゴリラだった。