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妄想の帝国

妄想の帝国 その42 ニホン医療崩壊 アイコクシャの受難

作者: 天城冴

新型肺炎ウイルスが蔓延し医療崩壊が起きたニホン国。近隣から医療支援をうけるニホンで自称アイコクシャはニホン人スタッフによるウイルス予防を受けようと、とある施設を訪れたが…

新型肺炎ウイルス対策に大失敗したニホン国は医療崩壊を招き、ついに世界各国に医療従事者、医療機器、治療法などの助けを求めることになった。


「くう、ニホン人スタッフしかいないはずなのに!どういうことだー」

と、看護師の名札を指さして叫ぶ一人の初老の男性。

指さされた看護師は困惑して、先輩スタッフに助けを求めた。

「ど、どうしましょう先輩」

「ど、どうしたのコンさん?」

「こ、この患者さんがそのう…」

コン看護師のほうも男性を指さすと

「お、お前みたいなK国、半島の看護師に指さされるいわれはない、私はニホン国のアイコクシャなんだぞ!だいたい私は患者ではない、ウイルス予防にだな…」

怒鳴りながらしゃべり続ける男性。

その勢いに驚いて、思わず男性から離れるコン看護師ら。

「な、なんなの?うちの病院のウイルス予防プログラムの参加者みたいだけど」

「それが、その私の名前見てK国の支援スタッフの方と間違えたみたいで」

「ええっ!コンさんって、名字昔からあるじゃない。確か古文のテストとかでも出てたけど、知らないのかしら」

「さ、さあ?でも、どうしましょう?」

「ニホン人スタッフってほんといないのよ、全く。ああもう、マスクもしてない、例のマウスシールドしかつけてないなんて、全然予防になってないのに。あんなオジサンが入院してくるとガクッとくるわよ。飛沫とばすわ、ウイルスは吸い込むは、そのくせ“自分はちゃんと対策してる”で、看護師の言うことも医者の言うこともちゃんと聞かないんだから。そのあげく、感染して入院、重症化。まったく医療崩壊起きたのは、ああいうオヤジのせいよね」

「その、患者さんじゃなくて予防プロ…」

「そうね、じゃあ、もう予防の先生のとこに連れて行きましょうか」

と、先輩スタッフは防護服を点検して、男性に近づいて行った。


「わーなんだ!そのマオウブシサイシントウだの、マオウトウだのわ!」

「え?あ、あのう当院では伝統的漢方の処方をウイルス対策に応用したものでして」

白衣を着た若い男性が説明しようとするのを男性はさえぎった。

「なんだと!か、漢方!ワシはニホンのアイコクシャ!C国の治療なんて受けんぞ!」

「いや、あの漢方は確かにC国伝来の医学を参考にしたものですが(ニホンの漢方は独自に進化したんですけど)」

「だから、彼の国由来のものなんぞ、だめだー!」

「(うわ、ホントにいたんだ、こういう無知な人。漢字とか食べ物とかほとんど駄目だろ、それじゃ)しかしながらニホン国では既に医療崩壊を起こし、現代医学の治療などが困難になったため、こうして重症化しやすい年代の方に古来の伝統的予防法を」

「だから、C国で使われた医療なんてワシはやらーん!」

「(だーかーら、漢方はニホン、C国は中医学ですよ)確かにC国も伝統的治療法を試し、効果をあげていますが、このショウヤクはですね」

「だから、そんなわけわからん草だの根っこだのは飲まん!」

「(はあ、ダメだ、こりゃ。ニホンの漢方もしらないなんてホントにアイコクシャ?)で、でしたらワクチン接種のみということでよろしいでしょうか」

「そ、そうだ!ニホンのだぞ」

がっくりと肩を落とした白衣の男性を残して、自称アイコクシャは部屋を出た。


「ぎゃー、K国製のワクチンだとおお!」

自称アイコクシャの叫びに看護師は

「いやですから、我が国の製薬会社では生産ができず(だから、製薬会社だって働く人いなくなってんの、感染者多くて。通常の生産だって困難なのに、新しいワクチンの製造ラインなんて無理にきまってるでしょうが)」

「ニ、ニホンでつくったワクチンがあるだろー」

「いや、その、すでに研究者の方々も現場に駆り出されておりまして(開業医やら看護師も感染してるのに。医療資格をもつ国会議員も一時的に復帰してるぐらいなんだけど)。その、共産ニッポンのコイケダ議員も、この病院で勤務…」

「コ、コイケダ!あんな野党の奴がいる病院なんているもんかー」

「あー、ちょ、ワ、ワクチン接種はー」

「そんなワクチン打たんでいいー」

自称アイコクシャは脱いだ上着をつかんで、逃げるように部屋を出た。


「はあ、はあ、何が“ニホン人スタッフのみ、ニホン伝統予防”だ、わけわからんことしおって。なんで錠剤をくれんのだー。一錠飲めば絶対にウイルスに感染しないというような」

と施設をでて乗り込んだタクシーでブツブツいう自称アイコクシャ。

「お客さん、ひょっとして、新型肺炎ウイルスの薬をお求めですか?」

「おお、知っとるのか、運転手さん」

「まあ、その。内緒ですよ、普通は流通してない薬が手に入るとこがって」

「ど、どこだ、いくらでも出すぞ」

「それはですねえ…」

タクシーは道をあちこちに回り、C国マフィアが跋扈しているという繁華街へと走っていった。


どこぞの国では医療崩壊が起きつつあるそうですが、一体どうなるんでしょうねえ。自衛隊とかまで駆り出したあと、他国に助けをもとめるんでしょうか。しかし宗主国?でもウイルス蔓延、封じ込めにある程度成功した近隣国を極度に嫌う人たちもいるし、どうするんでしょうか。

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