プロローグ
昨日見た夢がとても面白かったので、小説にすることにしました!
皆さんも楽しんでいただければ嬉しいです!
山の向こうまで澄みわたる空、優しい風のせせらぎ・・・。辺りには色とりどりの薔薇が咲き乱れ、人々を魅了する庭と成していた。
そこに今、みすぼらしく薄汚れた少女と純白の制服を身に纏った美少年がいる。
「お嬢さん、大丈夫かい?」
少年は地面に這うように倒れた少女の手を取った。
「ええ・・・。助けていただきありがとうございます。」
少女は戸惑いながらも、立ち上がる。
それから恐る恐る握った手を離した。そこにはうっすらと指の形に土が付いていた。
「あの・・・私のせいで、あなたを汚してしまいました。どうお詫び申し上げればよいか・・・。」
すると彼は動揺する少女を抱きしめる。
「気にしないよ。」
ふんわりと花のにおいがした。落ち着くにおいだった。
少女は目を閉じて、彼に身を寄せる。
・・・どれくらいの時間が過ぎただろう?
遠くで教会の鐘がなって、ようやくハッとした。
「ご、ごめんなさい!!私、帰らないと・・・!」
彼女はチラチラ振り返りながら、庭を後にする。
この時にはもう、その目には清々しい空も美しい庭も映らなかった。
たった1つだけー。目の前の純白の王子様だけが彼女の心をとらえた。