天は慈悲深く
ウインドブレーカーでは防ぎ用もない
ぼたぼたとトタンを叩く雨音の中
私は朦朧する意識の中
踏み込んだ足裏に
己が魂置き去りにしながら
体だけを前に動かす
雨粒が前髪に水滴を落とし
滴るそれが額を濡らす
あぁここに私はあるのだ
と思いながらも
三歩前に置いてきた、命半分が名残惜しくて
庇いきれぬズボンを濡らすと、知りながら
脚は徐々に遅くなる
不意に、フード内に響く雨音が
慎ましやかとなり
遂には、雨とも霧ともとれぬほどに細やかに
あいも変わらず空は鈍色で
しかしその苛立ちは感じられず
何と天は慈悲深いのかと
身勝手なる感謝を向けつつ
私は意識を地に落とし、行く