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名探偵は裏の者  作者: 紅雀
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第一話 アリス・エレナ

チリリリ‼︎ ……。


いつものように、目覚まし時計の音が鳴り響く朝――。

俺はその音で目が覚めてしまった。

いつもなら――この程度の音では起きない筈の俺。

しかし、今日は珍しかった。音で目が覚めたのかよく分からないが。

どっちにしろ、起きてしまったものは仕方がない。

俺は音を頼りに、手探りで目覚まし時計を探した。


「……あった」


手探りで音が鳴っている目覚まし時計を見つけた。

俺は目覚まし時計の上に付いているボタンを押して、音を止めた。

目覚まし時計を手に持つと、寝ぼけ眼で時間を見た……時刻は午前6時半

俺は頭の中で一瞬だけ――。

二度寝しようか、起きていようかの選択肢で迷った。


「……」


俺はベットから起き上がった。

結局、俺は『起きている』の方の選択肢を選んだ。

正直――二度寝をしたいが、今日ばかりはそうはいかない。なぜなら――

今日は学校があるからだ。昨日と一昨日は学校をズル休みしたが。

さすがに今日は行かないといけないだろう。

いつまでも休むわけにはいかない……。


「――おはようございます、お嬢様」


不意に聞き覚えのある女性の声がした。

俺は声がした方を振り向くと――そこに居たのは。

空のような青色の短髪で、水色の綺麗な両目のうち、左目を髪で隠し。

首に青色のクリスタルのネックレスを掛け。メイド服を着た。

十六歳ぐらいの優しそうな女性だった――――。


「おはよう――オリヴィア」


俺は優しそうな女性に言った――。

この女性の名前はオリヴィア・アウイナイト。

偽名 内藤(ないとう) 莉音(りお)――俺のお気に入りのメイドさんだ。


「珍しいですね、お嬢様――こんな早くに起きるなんて」


オリヴィアは俺に言う。俺は『自分でも珍しいよ』っと返事を返した。


「ふふ、いつもは早く起きても二度寝して。起きませんもんね」


「まぁ、そうだね」


『いつもは早く起きても二度寝して、起きない』これは事実であった。

俺は朝起きが苦手だから、早く起きてもすぐに二度寝して。

最終的に学校に遅刻してしまい、担任の教師に怒られる。


「あ、あと――お嬢様」


「ん?」


「……実は今日……学校お休みなんです」


それを聞いた瞬間。

俺は『じゃあ、寝る』っと即答で返して、もう一度横になって。

布団を頭まで被り、二度寝をしようとする……。

しかし、頭まで被っている布団はすぐにはがされてしまった。


「せっかく、早く起きたのに。二度寝をするのはもったいないですよ」


オリヴィアは優しい声で言う、今日は確かに学校の日だったはずだが。

どうやらそれが休みの日に変わったようだ――いや、問題はそこではない

別に学校に行く日が休みに変わったのは特に問題はない。

逆にめんどくさいのが無くなって嬉しいくらいだ。

では――何が問題なのかというと……。


『オリヴィアがその事を前もって、言わなかった』事が問題であった。

普段なら、そういう事はきちんと前もって言うはずのオリヴィア。

しかし――今回は違った。俺がせっかく学校行くために早きした直後に

『学校が休み』だという事を俺に伝えた。なぜ、オリヴィアは前もって。

俺に『学校に行く日が休みの日』に変わった事を言わなかったのか――。

俺はその答えを知っていた。


「お前、俺を早起きさせるために。前もって、今日が『休み』だって事を言わなかったな?」


俺はオリヴィアにそう言った。すると、オリヴィアはニッコリ笑った顔で

『はい、その通りです』っと言った。


オリヴィアは俺に早起きをさせるために。

『学校に行く日が休みの日に変わった』事を俺に黙っていたようだ。

その事実を知らない俺が『今日が学校に行く日だと』思い込んで

思わず、早起きしてしまうのを狙って……ね。

全てはオリヴィアの計算通りという事だ。


「では、お嬢様――私はそろそろ、持ち場へ戻ります。ご自宅が出来たら、食事室へお越し下さい」


「あぁ、分かったよ」


「――それでは、失礼します」


そう言うと、オリヴィアはいつの間にか消えていた。

まるで、瞬間移動(テレポート)したみたいだった。


「……はぁ、支度とかめんどくせぇ」


俺はポツリと言った――。

あぁ、そういえばまだ俺の名前を言ってなかったな。

俺はアリス・エレナ。白犯罪組織(ホワイトマフィア)『エレナファミリー』のボスであって。

光川(ひかりがわ) (あい)っという偽名で探偵をやっている。


今日も俺の『日常』は幕を開け――。

楽しい表裏の活動が始まるのだった――。

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