第12話「姉妹(?)のお買い物」
10分後……
「うお、流石は世界のNEON。やっぱり涼しいな」
「あぁ、エデンはここにあったようだな」
「はい、ここにエデンがあるようですね♡」
「いや、乗らなくていいんだぞ……?」
涼介達は、避暑地を求めて神社の近くのとある大型ショッピングモールへ来ていた。
建物内部にある時計台を見ると、午後の三時を示していた。祭り本番は六時から始まるのため、まだ時間的にもかなり余裕がある。
ここに来たのは、避暑が主な目的なので四人はゆっくりとモール内を歩く事にした。すると、途中でユイがすっと手を挙げた。
「あの……少しお買い物をしに行ってもいいでしょうか?」
「ユイちゃん、何か欲しいものでもあるんですか?」
「はい、そうなんですよ」
「ふーん……だそうだぞ、充?」
わざと「充」の箇所を強調して前を歩く充に言ってやると、あからさまな嫌々オーラを出しながら振り返ってきた。
「涼介、なんで俺に話をふるんだ?」
とまぁ予想通りの反応だったので少しわざとらしく嫌味を言ってやった。
「えっ、お前まさか、妹が欲しいって言ってるのになんにも買ってあげないタイプの人の形をしたゴミか?」
「いや、ゴミて……しかも女の買い物って高いだろ?するとさ?俺の財布が軽くなるワケじゃん?それに……」
と言いかけたところで、ユイがすっと涼介と充の間に割り込み 大丈夫です。と呟くと、充の方へ冷たい視線と共に批難を浴びせた。
「あのドケチで狡賢くてナルシストの兄さんにはこれっぽっちも期待してませんから」
「うぐ、なんかその言い方に反論出来ないのが悲しいな……」
「大して思ってもないくせに」
*
「あっ、そーだ。出来ればゆうなお姉ちゃんも一緒に連れていきたいんですけどいいですか?」
「え、ゆうなを?」
「はい。……その、涼介お兄ちゃんさえ良ければなんですが」
「うーん、俺は全然構わないが……ゆうな、どうするんだ?」
「えっ、私も構わないですけど……何を買うんですか、ユイちゃん?」
「えへへ〜ゆうなお姉ちゃん、ちょっと耳貸して!」
その後ユイに耳打ちされたゆうなは、少し顔を赤くしたかと思えば即座にユイに同行することに同意した。そして兄二人はユイから「来ないでね」と釘を刺されてしまったので、大人しく二階にあるフードコートで待つことにした。
*
30分後……
「ただいまです。欲しかったの無事に買えましたよ!」
満面の笑みで片手に紙袋を持ち、ユイが戻ってきた。
「そうか、それは良かったなユイちゃん」
「はい!」
そして、その後ろからゆうなもやってきた。
見ると、その手には似たようなサイズの紙袋があった。
「ん?ゆうなも買ったのか?」
「は、はい……」
ゆうなの顔が赤い。
「……ちょっとユイさん?君たち、何を買ってきたんだ?」
「ふっふふー、それは当日になってからのお・た・の・し・みですよ♪」
(一体何を買ってきたんだ……)
そう思って、もう一度問いただそうとした時、横でコーラを飲んでいた充が不貞腐れながら呟いた。
「はん、どうせ下着とかに決まってr」
「うるさい、ドケチ兄さんはすっこんでて」
プイッと顔を背けられながら罵られた充だったのだが……
「なぁ涼介。なんか俺、このままだと新しい扉が開くかもしれん」
しかし何故か妹に新たな扉を開けられそうになっていた。
苦笑いの涼介は「そうかよ」と短く返した。




