第11話-1「デート開始……?」
「……なるほど、最後の一人はユイちゃんだったんですね」
トイレから帰ってきたゆうなは現在、事情説明を受けながらユイに抱きつかれていた。
「まぁ、そういう事らしい……」
一通り説明を聞いたゆうなはユイの頭を撫で始めた。
「久しぶりですね〜ユイちゃん、また会えて嬉しいですよ♡」
「お久しぶりです、お姉ちゃん! 私も嬉しいです♡」
甘やかすゆうな、それに甘えるユイ。
明らかにお互いの口調が丸くなる。
……そしてそれを見ている男2人。
((うん、やはり姉妹だな))
兄達はそう確信した。
*
姉妹2人の再会の後、今日の予定を確認してから、4人はデートを開始した。
そして数十分後。
涼介、充、ゆうな、ユイの4人は、この街を代表する神社『狐稲荷神社』へとやってきていた。
恋愛成就の神が祀られているという、カップルに大人気の神社だ。
(なんでも昔、ここの神社に祀られている狐の神様が人間の男にプロポーズされたとかなんとか……。)
「……いや、それにしても人多くね?」
と第一声は涼介。
門からでも分かる人の大群を見て、涼介はだんだんとげんなりした顔になる。
ジリジリと照りつける夏の日差し、今朝の予報では雲ひとつない快晴で最高気温は35℃を超えると言っていたことを思い出し、顔を顰めた。
「まぁ、夏休みだしな」
「それに、確か今日お祭りがあるんですよね♪」
充とゆうなの追加情報に涼介は「なるほど」と納得がいった。
ここ、『狐稲荷神社』は年に数回ほど祭りが催される。
かなり有名な祭りで、かの青森の『ねぶた祭り』とほぼ同じ規模を誇っている。
その為、その日は観光客が異常に多くなるのだ。
つまり、行きのバスがあまり混んでいなかったのは幸運という事でもあった。
「まぁ、こんな所でうだうだ言うのもなんだし、早いとこいって戻るとしようぜ!」
充が先陣を切って門を潜る。
「あぁ、そうだな」
そうして3人もあとに続いて門を潜って行った。




