第9-2話「み、見え……!? 」
「…………っ」
涼介はソレが見えた途端、顔が赤くなるのを感じて慌てて顔を背けた。
しかし、1度見たことがあったので、捲れた瞬間の色や形がより鮮明に記憶に残ってしまった。
「あれ? 兄さん……? 何かありましたか?」
涼介の様子を見てゆうなはキョトンとしているので、現在の状況を小声で教えた。
「いや、その……見えてるぞ?」
そう言って、先程パンツが見えた辺りを指差す。勿論だが、この時も顔は背けている為、大体の場所を指した。
涼介の指した箇所を確認したゆうなは、そこを慌てて隠しながら涼介の方へ顔を向けた。
「あの……兄さん、もしかして見られましたか?」
「その……すまん」
パンツ単体を至近距離で見たり持ったりした事があった涼介だったが、実際に穿いているパンツを見てしまうというのは、異次元の破壊力だった。
チラリズム……恐るべし。
しばらくの沈黙……
「……に、兄さん」
ゆうなは再び隣に腰を下ろしてから小さく話しかけてきた。
「はい……何でしょうか?」
思わず涼介が敬語になってしまい、伴って体が強ばる。それ程に申し訳無い気持ちでいっぱいだったのだ。
ゆうなは、なかなか言い出せないのか、ずっとモジモジしていたが「うん」と一言呟く。するとゆうなは、急に涼介に抱きついて来て耳元で囁いた。
「兄さんにだけなら……見られても構いませんよ♡」
「えっ……」
「だって……」
より強く抱きしめながら
「私の身体は、ぜーんぶ兄さんだけの物ですから/////」
「うっ……」
涼介は、バスの中で抱きつかれたままという生き地獄(?)を味わいながら、ゆうなの言葉で脳がオーバーヒートを起こすという事態に陥り動けなくなってしまった。
結局、涼介が復帰したのはバスが目的地に着いてからだった。




