第9-1話「デート」
それから軽く昼食を取ったあと、涼介も着替えて3人で揃って櫻井家から近くのバス停へ向かった。
「うわ、日差し強いな……」
玄関を開けた涼介が一言。
「そうかー? 最近ずっとこんなのだけど」
と充。
「そ、その兄さん! 良ければ一緒に入りませんか?」
そして、日傘を指した涼し気な姿のゆうな。
ゆうなが入らないかと聞いていたのは日傘のことだった。
「あー……いや、俺が入ると窮屈じゃないか? それに、ゆうなの肌は白いんだから、俺なんかのせいでその肌を焼いて欲しく無いし……」
「に、兄さん……/////」
とゆうなが涼介を熱い視線で見つめていると
「おいおいお前ら、夏の空気に負けねぇぐらいアツいじゃねぇか……近くで感じるこっちの身にもなってくれよな〜本当」
嫌味ったらしい喋り方で、けれどもニヤニヤしながら充が言った。
それを聞いて、涼介達は顔を真っ赤にした。
*
それから涼介達はバス停にちょうど止まっていたバスに乗った。
昼頃だったのが功を奏してか、バスは比較的空いていた。
充は1人用の座席へ、涼介とゆうなはその2つ後ろにある2人用の座席に腰を下ろした。
ゆうなは乗り物酔いをしやすいタイプなので、ゆうなに窓側を譲った。
しばらく経ってから、ゆうなの顔が赤くなっていることに涼介は気が付いた。
「どうした?顔が赤いぞ。暑いなら場所変わろうか?」
涼介は熱を測る為に、手をゆうなの額に当てた。
するとゆうなは更に顔を真っ赤にした。
「ひぁ!?だっ、大丈夫ですよ兄さん!すぐにカーテンを閉めますから……」
そして慌てて立ち上がりカーテンに手を伸ばす。
しかし、そのタイミングで運悪く、バスがカーブに入ってしまった。
それによりバランスを崩したゆうなは、涼介の膝下へお尻の方から転倒してしまった。
「きゃっ!!」
その結果、どうなっただろうか?
今一度、ゆうなの服装を思い出してもらいたい。
涼し気なワンピースだ。
そう、ゆうなが転倒したことにより……
ハラリ……
スカート部分が捲れてしまった。
そこに現れたのは……『あの時』のパンツだった。




