1話 最初の出会い
学園七不思議って知ってる?
それは学園に住まう怪異達の話。
でも7つ全て知ると死んでしまうそう。
その中の7つ目の話は『鏡のキョウ』と言って旧校舎の高等部の1-Cにある鏡を4時44分に覗くとキョウって男の子が現れて一番大切なモノを代償に一つ願いを叶えてくれる、というものだ。
「一番...大切なモノ。」
私は放送の怖い話で聞いた話を聞いて呟いた。
たった、一人で。
「っということで来てしまった。」
私は放課後、旧校舎の高等部、1-Cに来ていた。
私のめあてはやっぱり『願い』。
私にはどうしても叶えたいめあてがある。
あ、私は蒼 渚。
ここ樹学園の高等部 1-Cの生徒。
「さて、とあと少しで4時44分。」
そう言って私は鏡の前に立って目を瞑る。
10,9,8,7,...脳内で数字を数える。
3,2,1...。
「0!」
そう言った瞬間、私は目を開いた。
鏡を見ても写っているのは私だけ。
やっぱり嘘、か。
私がそう思って後ろを向いた時。
「よ〜ん〜だ〜?」
そう、鏡の方から声が聞こえた。
そして肩に手が置かれる。
「ヒッ!」
驚いて後ろを振り返るとそこには。
「ック。あはははは!」
私と同い年くらいの男の子がいた。
そして男の子は笑うのを一旦やめて私に声をかける。
「大丈夫?」
そう、言ってくれた。
この子が...キョウ。
思ってたのとなんか違うけど。
「あなたがキョウ?」
そう言うと男の子は笑ってこう言った。
「そうだよ、俺は怪異だ。学園七不思議の7番目『鏡のキョウ』、はじめまして。」
やっぱり。
「私は蒼 渚。」
じゃあ『願い』は...。
「アオイ、ね?アオイは 『願い』叶えてもらいに来たんでしょ?」
見透かしたようにキョウくんは言う。
『願い』、私の『願い』は...。
「私の願いは...。」
一瞬、言うのを戸惑った。
コレを言いたくないから。
ッ!もう、いい!
「好きな人と結ばれたい!」
それは言い訳だった。
私の本当の願いは『友達が欲しい』だから。
それを言い換えて『好きな人と結ばれたい』と願った。
そう言うとキョウくんは「恋の願いね。」とメモしている。
「で、相手は?」
ッ!どうしよう。好きな人なんていないし...。
ここで私は面白いことを思いついた。
それでニヤッと笑ってキョウくんは にこう言う。
「ふふ、誰だと思う?」
そう言うとキョウくんは「え?」という顔をした。
ま、普通そうなるよね。
「当てて!それで願いを叶えて?もしそれができたら私の一番大切なモノ、あげるから!」
そう言ったらキョウくんはニヤリと笑ってこう言った。
「ふぅん、面白そうじゃん。」
キョウくんのその顔は思わず見とれてしまうほどかっこ良かった。
「契約だからね?」
そう言って私の手に何かを指で描く。
「これは契約の印さ。」
手の魔方陣はピカッと光って消えた。
「ふふ、期待してるよ?キョウくん!」
なんか書いてる時少し迷っちゃいました!
でもこれは現実世界なので。キリッ。