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やっと気づいた

 季節は秋。あの大会が終わり一週間が経った頃。

 とある教室にて。


「ああ〜疲れたー」

「もう少しだ、頑張れ」


 やる気のない山本は机に寝そべる。

 今は授業中だが、担当の先生が急に休んだ事で自習になってしまった。

 見張りの先生もいないため、お喋りをする生徒や真面目に自習する生徒など、それぞれが自由に過ごしている。

 俺は……特に何もしてない。

 窓の外を眺めながらどうでも良い事を考えたりしていた。


「なあ、速水。ちょっと相談があるんだけど」

「ん? なんだ?」


 珍しく山本が真剣な顔になっている。

 なにかあったのだろうか?


「俺ってイケメンだよな」

「違うな」

「少しは悩んでくれよっ! 傷つくだろっ!」

「あっ、もしかして髪切った?」

「3日前から切ってるんだが!? どんだけ俺に興味ないんだよ! まあ、いいや。とにかく俺が言いたいのは」


 キーンコーンカーンコーン!


「あ、お昼だ」

「学校のチャイムにまで嫌われてるの俺っ!?」


 1人で騒いでる山本は放って置く。

 俺は席を立ち上がりある場所へ向かう。


「……今日もアイツのとこに行くのか?」

「ああ」

「くそあいつめ、俺と速水のランチタイムを邪魔しやがって、許せん! 俺も連れてけっ!!」

「悪いな、今度唐揚げ弁当持ってくるから」

「ふっ……行ってこい」


 それでいいのか山本よ……。






 教室を出て俺はある場所に向かう。

 ある場所とは学校の屋上だ。


「あ! やっと来た!」


 そこに向かうと、二人掛けのベンチに座った1人の美少女に出迎えられる。


 佐伯さんだ。


「結構急いで来たつもりなんだけどなぁ」


 あの大会の後、俺達は良く一緒に昼飯を食べるようになった。

 なんとなく一緒に行動していないと落ち着かない、そんな風になっていて、俺はというと少し佐伯さんの事を意識するようになっていた。


「ふふん、まだまだね速水君。それで、例のアレはあるのかしら?」

「ああ、ここに」


 俺は手に持った弁当袋を佐伯さんに見せ、そのまま渡す。


「ありがとう! これは速水君の手作りかしら?」

「ああ、最近は俺が作ってるよ」

「やったー! 速見くんの手作り♪ あっ! じゃあはいこれ!」


 佐伯さんは後ろに隠していた弁当箱を取り、俺に渡してくれる。

 佐伯さんは何故か今日弁当交換をしようと昨日言ってきたのだ。

 わざわざ屋上に来たのも、同じクラスなのに別々に来たのも他の人に見られると恥ずかしいからという可愛いらしい理由だった。

 

「よし、じゃあいただきます!」


 俺は貰った弁当箱の蓋を開けようとしたが


(チラッチラッ)


 佐伯さんがチラチラと俺の方を見ている。

 なんか気のせいか顔も赤くなっているような……。

 俺もなんだか恥ずかしくなってきたので気にしないようにして弁当箱の蓋を開けた。


「な、なんだこれっ!!??」


 弁当箱の中が凄いことになっていた。おかずは問題ない、凄く美味しそうだ。


 問題はご飯の方だ。


 なんと桜でんぶで、【ハートマーク】が描かれていた!!


 ああ! 佐伯さんが顔を真っ赤にして顔を伏せてしまった!!

 これは、そういうこと……だよな……。

 ごめん佐伯さんっ! いくら鈍感な俺でも流石に気付いたよっ!

 よし、俺も……。


「佐伯さん、俺――」


 


この物語はここで終わりとなります。


ブックマーク、感想、評価を下さった皆様、本当にありがとうございます!


皆様のおかげでここまでモチべを失わずに来ることが出来ました!


本当に感謝です!


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