チートVSチート
佐原学園が提出した料理、きつねうどんに周りはざわめく。
それは大会で出すにはあまりにも普通の料理だったからだ。
普通に考えればただのうどんだ、恐れることは無い、大丈夫だ。
「高山君はきつねうどんを作ったのね。これは楽に勝てるんじゃないかしら?」
「そうだといいが……」
うどんを提出された審査員は早速一口食べる。
ズルズルっ! うどんをすする音が会場に響く。
「こ、これはっ!! うまいっ!!」
審査員は箸を休めずにうどんを食べ続ける。
そしてあっという間に完食した。
「素晴らしいっ!! 麺は普通だったが、ダシが最高に美味かったっ!!」
「拙者はうどんの県に生まれた者、麺勝負で負けるつもりはないでござるよ」
「では、点数だが……ズバリ30点だっ!!」
「なっ!?」
「んですってぇ!!」
俺と佐伯さんは驚愕の声をあげる。
あのうどんがここまでの点数を叩き出すとは思っていなかったからだ。
ある1つの答えを導き出した俺は、高山にあるお願いをした。
「高山、そのうどん俺にも少し食べされてくれないか?」
「構わんでござるよ。少し余ったのがあるでござる」
高山は小さめのきつねうどんを俺に差し出す。
俺はそれを食べてみる。
「……やっぱりな」
「どういうこと?」
「ダシだ……このうとんのダシがとんでもなくうまい。乗っているあげやうどんは平凡な物だがこのダシがとんでもないレベルだ。あいつも持ってたんだ、チート食材を」
俺達のチート唐揚げのように高山もチートうどんダシを使いこの大会を勝ち抜いて来たのだ。
そんな俺達に高山が勝ち誇った顔で話しかけてくる。
「そう、このダシは拙者の家に代々伝わる秘伝のダシでござる! このダシがあれば速水殿の唐揚げなど恐れるに足らんでござるよ! ではさらば!」
高山はそれだけいうと自分の調理台に戻っていった。
「速水君、どうするの? 私達も料理提出する?」
佐伯さんは唐揚げミートスパを手に持ち俺に問いかけてくる。
「いや、少しアレンジをする」
「アレンジ?」
「ああ、奴の点数配分を見てみろ。味の評価は26点あるが見た目1点、テーマ食材は3点という低評価だ。俺達は味以外の点数も取っておきたい」
「なんか速水君変わったわね。料理に対して真剣になったと言うか。前まではやる気無い感じだったのに。それで、どうするのかしら?」
唐揚げミートスパに足りないもの……それは!
俺はあるアレンジを加えたあと審査員に料理を提出した。




