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おまけ2

 梅雨が明けた7月。

 料理大会が始まる前のお話。


「あ、由美おはよー」


 私、佐伯由美が学校に登校すると、友達の北野真矢きたのまやが挨拶をしてくれる。


「おはよー真矢、なんか機嫌良さそうだけど?」

「ふっふーん! 当ててみてよ」

「あっ! あれでしょ。千円札拾ったんでしょ」

「なんでそれだと思ったの……ぶっぶぅー! もっとロマンチックな事だよ」


「資産家のおじさんと仲良くなったとか?」


「私そんなにお金にしか興味ないように見えるっ!? あと資産家のおじさんは全然ロマンチックじゃないよっ!!」

「……ごめんなさい。他に思いつかないわ」

「諦め早っ!!」


 一生懸命考えたが他に思いつかなかった。


「そんなことより違う話でもしない?」

「そんなことって言わないでぇぇぇ!! このままだとお金にしか興味がない女だと思われるじゃない! 彼氏が出来たのよ! 彼氏が!」

「えっ!! ウソっ!!」


 まさかの告白に私は驚きを隠せなかった。

 真矢とは中学からずっと一緒にいるが、今まで浮いた話は聞いたことがなかった。

 あと私の女友達は彼氏などいない子ばかりだったからそういう話もどこか遠い世界の話だと思っていた。

 しかし私も一応女子高生、恋愛話には興味がある。真矢の相手がどんな人なのか気になった。


「どこで知り合ったの?」

「バイト先の男の子なの。色々話している間に仲良くなって付き合うことになったの。学校は違うんだけどね」

「へぇー、やっぱバイトって出会いがあるものなのね」


 そういうと真矢は私に顔を近づけ周りに聞こえないような小さな声で、会話を始める。


「由美は気になる人とかいないの?」

「そうねえ……」

「速水君とかはどう?」

「速水君? うーん、ちょっと影のある感じよね。休み時間はいつも本読んだり、山本のアホと喋ってたり。でも何で速水君?」

「いや、なんか由美のタイプそうだなと思って」


 私は速水君とはあまり話したことがない。

 悪い人ではないと思うのだけれど、どんな人かもよく知らない。

 そんなことを色々考えていると、朝のチャイムが鳴る。


「おっと! ここまでだね。じゃあね!」


 真矢はそう言うと自分の席に戻って行った。

 私も自分の席に着き、カバンから教科書や筆箱などを取り出し机に入れる。

 しかしそこで私は気付いてしまったのだ!

 世にも恐ろしい現実に!



「……弁当と財布忘れた……」







                 つづく

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