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朝方の出会い

「……ふわぁ」


 料理大会二日目の朝8時。

 目が覚めた俺は、布団に未練を残しながらも頑張って起きることにした。


「大会二日目か……頑張らないとな」


 今日の試合に勝てば決勝戦に進むことが出来る。

 昨日のトーナメントで脱落者は4名。今日は残りの4名で試合を行う。

 しかし、人数すくねぇなあ。

 取り敢えず朝飯でも食べようとドアを開け外に出ようとすると。


「ござるっ!!」

「うぉぉっ!!!!」


 ドアを開けた先に誰かが立っていた。

 予想外の出来事に俺はマヌケな声をあげてしまった。


「だ、誰っ!?」

「自己紹介が遅れたでござるな。拙者の名前は【高山 忍】(たかやま しのぶ)でござる。よろしく頼みますぞ」

「いつの時代の人ですかっ!? 普通に喋れないのっ!?」

「……そういう設定なので。空気を読んで欲しいでござる」

「設定って言っちゃったっ!!」


 とんでもなくキャラの濃い奴だった。

 俺は朝っぱらから何をしているのだろうか?


「で? 何か用事でも?」

「一緒に朝食でもどうかと思って」

「……もしかして選手の人?」

「そうでござる、速水殿と二回戦で戦うのは拙者でござる」


「ええええええっ!!」


 まさかとは思っていたが本当に選手だったとは。


「もしかして偵察……とか?」

「いや、一つ聞きたい事があったでござるよ」

「聞きたい事?」


 昨日の試合のことか? それとも唐揚げの秘密か?

 上手く情報を引き出すつもりなのだろう。

 少し警戒しておこう。


「昨日の試合で速水殿の隣にいた女の子、あの子は彼氏とかいるでござるか?」


 全然関係なかったっ!!

 色々考えてた俺がバカみたいじゃないか。


「……え? 何でそんな事知りたいんだ?」

「付き合いたいでござる」


 何言ってるんだこいつは。


「昨日の試合見てたでござる。あの子のエプロン姿を見て拙者思わず興奮してしまったでござるよ」

「試合全然見てないじゃんっ!? 女の子見て興奮してただけじゃんっ!?」


「ちょっと速水君! 朝からうるさいわよ!」

「起きて来ちゃったっ!!」


 なんてタイミングで起きてくるんだ。

 ますます面倒臭くなるじゃないか!


「あれ? そこの人は誰?」

「せ! せせっ! 拙者は高山というものでござる! よろしくでござる!」


 高山は佐伯さんを前にかなり緊張していた。

 そんな中でも、設定が崩れてない辺り流石と言っておこう。


「佐伯です、よろしくお願いします」


 ニッコリと微笑む佐伯さん。

 その笑顔はまるで天使のようだった。


「せ、切腹でござるよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「急にどうしたっ!?」


 高山は腰に付けていた忍者刀おもちゃを抜きお腹に当て腹を裂く動作をする。

 おもちゃなので勿論、血は出ない。


「ねえ、速水君。友達は選んだ方が良いわよ」

「友達じゃないから」


 突然の切腹に佐伯さんも引いていた。

 そんな事には気が付いてない高山は忍者刀おもちゃをしまい、立ち上がる。


「危なかったでござる。切腹しなければ興奮しすぎて死んでしまうところだったでござる……」


「社会的には死んでると思うわよ」


 佐伯さんが容赦ないツッコミを入れる。


「ぐっ! まだまだ修行不足でござるな。これにて失礼する! 二回戦で会おう! 佐伯さん!」

「俺も出るんだけど……」


 そう言って高山は去って言った。


「結局なんだったの?」

「分からん」


 結局、高山と朝食に行くこともなく終わった。




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