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速水君うるさいわよ?

「……でっ?」

「どうかした?」

「いや、なんで当たり前のように俺の部屋にいるんだよっ!?」


 一回戦が無事に終わりホテルの部屋に戻った俺は何故か柳さんと一緒にいた。

 いや、一緒にいたじゃない。こいつが無理やり上がり込んで来たのだ。


「あんたの唐揚げの秘密教えてくれるまで出て行かないから」

「いや、出て行けよっ!!」

「ちょっと速水君うるさいわよ」

「面倒くさいのが増えやがったっ!?」


 入口のドアから佐伯さんが入ってくる。

 俺の発言にムッとしたのか、佐伯さんはちょっと怒った様子で――


「面倒くさいって何よ! 一人、部屋で騒いでる可哀想な速水君の為にわざわざ来たのに!」

「いいよ来なくてっ! ていうかもう寝ろ!」


 時間はもう夜十時を回っていた。

 明日も試合がある為、俺は早く寝たいのだ。

 佐伯さんと話している間、ずっと静かにしていた柳さんが突然口を開く。


「どうしても教えてくれないのね?」


 ようやく納得してくれたのか?


「ああ、それは教えられない。じゃあ俺はもう寝るからな」

「そう……分かったわ。唐揚げは諦めるわ」

「おう、だからもう戻って――」


「でも、せっかく三人いるのだからちょっと遊びましょうよ」


「話聞いてたっ!? 寝るっていったよねっ!?」


 すると、帰ったと思っていた佐伯さんがカバンから何かを取り出す。


「トランプならあるわよ」

「余計なもん出さないでくれるっ!? ほらっ! 柳さんめっちゃやる気になってるじゃんっ!!」


 柳さんは目を輝かせてトランプを見ていた。

 そんなにやりたいの!?


 結局やることになりました。


 勝負はババ抜き、俺の全力の説得により一回だけの勝負ということにして貰った。

 ババ抜き開始の前に佐伯さんが余計な提案をする。


「ねえ、折角だし一番最初に勝った人には何かご褒美貰えるようにしない?」

「いいわね由美! ナイス提案よ!」

「誰が用意するんだよ」


「「速水君」」


 二人とも速攻で答える。見事なハモりだった。

 お前らいつの間に仲良くなったんだよ。


「しょうがないな……一番には何か買ってやるよ」

「やったー!」

「ナイスよ! 唐揚げ君!」


 誰が、唐揚げ君だ!

 こいつ俺の名前覚える気ないだろ!


「……で? 俺が買った場合は何が貰えるんだ?」

「そうねぇ……わ、私とのデート券とかどうかしら?」

「いらね」

「ひどいっ!?」

「じゃあ私もデート券で」

「いらないって言ったよねっ!! そうだな……じゃあ中華料理を少し教えてくれ。それでいい」

「そんなのでいいの? 分かったわ」


 こうしてトランプが始まった。

 十分くらいだっただろうか? それくらいで決着はついた。

 結果からいうと一番やる気のなかった俺が勝ってしまった。2番は柳さん、ビリは佐伯さんだった。


「よし、俺の勝ちな」

「くっ! やるわね……」

「ビリなんて……ビリなんて……」


 さあ、終わったぞ。これで寝れる……。


「「もう一回やろっ!!」」


「帰れっ!!」


 無理やり部屋から追い出した。

 部屋の外から何か言ってるが無視して俺は寝た。


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