おまけ1
「お前、佐伯と付き合ってんの?」
「えっ?」
料理大会予選優勝後から数日経ったある日のお昼休み、授業終了のチャイムが鳴ったと同時に山本が俺に話しかけて来る。
「いきなりなんだよ、いいから学食に行こうぜ」
「だって最近お前らいつも一緒にいるし、なんか通じ合ってるような感じがするし」
「ああ……それにはちょっと事情があってな」
俺は全国料理大会の事を山本に話した。
「そんな事はどうでもいいっ!!」
「どうでもいいのっ!?」
一生懸命説明したのに、この仕打ちである。
「俺は今お前が佐伯と付き合っているのか、お前がどんな子がタイプなのか、お前がどこの大学に進学するかしか興味ない!」
「全部俺の事じゃねえかよっ! 流石に気持ち悪いぞっ!」
「お前の事は全て知っておきたい」
やめてくれぇぇぇぇぇぇ!! 俺はホモじゃないからっ!!
それと、クラスの女子がなんかめっちゃ見てきてるっ!?
俺はこの流れを断ち切るべく話題を変える。
「とにかく、佐伯さんとは別に何もないから」
「佐伯の事好きじゃないのか?」
「んー、どうだろう? 嫌いか好きかで言えばまあ、好きだけど、それが恋愛感情かどうかは分からないな」
「へー、成る程な。まあ、お前あんまり恋愛とか興味無さそうだしな」
「山本、お前は佐伯さんの事どう思ってるんだ?」
「俺? そりゃ勿論付き合えるなら付き合いたいけどさ。でも……」
「でも?」
「なんか好きな人いるような気がするんだよな。いや、間違いなくいるな」
「なんでそんな事分かるんだよ」
「……まさか気付いてない?」
「検討もつかないな」
山本は何故か残念そうな顔で俺を見る。
何だよ、俺何かしたか?
(佐伯がお前と居る時だけ見せるあの表情。こいつは気付いてなかったのか……)
「まあいいか。速水、そろそろ学食行こうぜ」
「結局佐伯さんの好きな人って誰の事だったんだ?」
俺の質問には答えずに山本は学食に向かって行った。
少しだけ気になるが、早く飯に行かなければ昼休憩が終わってしまう。
俺も、食堂へ向かう山本の後を追った。




