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4話

「ハァッハァッ! くらいやがれ!」

「くっ! なかなかやるではないか!!」

「ここであなた達を倒せば神エイロスの勝利も近づく! 諦めません!」

 1つに魔法とは。己の内なる力――魔力を体外へと具象化する現象だ。そして、具象化する際に己の意思を通すことで、火、水、土、風、といった様々な魔法を発動することが出来るのだ。

「まさか私たちに近づくことが出来るとは、思いもよらなかったわ!」

「余裕がなさそうだな! ま! 俺たちも賭けだったがな!」

「こんな死闘はここで終わらせます! 二度とごめんです!」

 2つに魔法とは。外界に存在する目に見えない物質――魔力素を操り具象化する現象だ。そして具象化する際に詠唱することで、火、水、土、風、といった様々な魔法を発動することが出来るのだ。

 ジャンヌ達が光の神エイロスより授かりし力とは魔力のこと。本来持ち得なかった魔力を体内に宿すことで強大なる力を得、闇の神タルロスに対抗しようとしたのだ。

「だが、こんなちゃんばらごっこもおしまいだ」

「えぇ。あなた達、おしまいよぉ」

 神エイロスの考えはある意味正しかった。力を戦士たちに分け与えることで、神タルロスが召喚した戦士たちに対抗できると。タルロス自身も戦士たちに力を分け与えていると考えてのことだったのだ。しかし甘い。

 神エイロスは力を分け与えるという同じ条件下で差をつけるために人選に力を入れた。そこが間違いだったのだ。

 闇の神タルロスは()()()の力――闇の神の力をも戦士たちに分け与えていたのだ。自身が弱体化するのも厭わずに。

 光の神エイロスは宇宙に存在する力を持たぬ者に分け与え、闇の神タルロスは神だけの力を分け与えた。

 エイロス軍の戦士たちがタルロス軍の戦士たちに勝てるわけがなかった。

 ジャンヌたちは、モリーによる死血魔法とベノムによる死毒魔法による空間制圧魔法を、魔力壁を繰り返し張り直し続けることで回避した。ベノムの毒は魔力壁をも溶かす凶悪なもので、瞬間的に何度も張り直す必要があったのだ。

 魔力壁を繰り返し張ることでモリーとベノムに近づくことが出来た4人。先程も述べた様に、魔法とは己の意思で自由自在。魔法壁もそれぞれの意思により内側から外側への干渉が可能なようになっている。魔法とは実に便利だ。

 そんな賭けが決まったジャンヌ達4人はモリーとベノムと乱戦状態になった。

 モリーの死血魔法は体表に当たった所から、当たった液体の量だけ体内から血を吸い取る。

 ベノムの死毒魔法は触れた所からどんな物もベノム自身の意思で溶かしていく。

 そんな恐ろしい魔法も魔力壁があれば何も怖くはなかった。例え外側から迫る死毒の鳥籠があろうと、目の前から大量の魔法を浴びせられようと。そう。魔力壁があれば……。

「えっ!?」

「なっ!?」

「ぐぁああああッ!!」

「きゃぁあああッ!!」

 それは4人同時に起きた現象。己の意思で自由自在に操れる魔力と魔法。それは全宇宙共通で不可侵の現象。それだというのに、ここでありえないこと――他人からの干渉を受けるという事態が起きたのだ。

 ジャンヌ達の他人――モリーとベノムによる干渉。それは死を意味する。魔力壁を張り続けることができなくなればどうなるかはお分かりいただけるだろう。

「あ、ぁぁぁあああああ!!」

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

「あか……ァ……ヵ……ヵ…………」

「そん……な…………」

 静寂が訪れる。それはもう静寂。先程の喧騒はどこへやら。

「あ~疲れた」

「ふふふ、ごちそうさまですわぁ。恐怖に歪む顔。美味でしたわぁ」

 2人は闇に包まれ、その場から姿を消した。

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