♪×4 遭遇
待ちに待った休日。
それも運の良い事に三連休。
洗濯に掃除に冷蔵庫の生理整頓、そして買い物。
やらなきゃならない事、したい事は沢山ある。
まずは朝食ね。
まずはこの一週間で飲みきれなかった牛乳をボールに注ぎ入れ、卵一個とシナモンパウダーと砂糖を入れて適当に混ぜ合わせ、これまた残りモノのフランスパン(厚切りがおススメ!!)を浸し、熱したテフロン加工のフライパンにバターを一欠けら。
バターが程良く溶けた所で卵液に浸したフランスパンをイン!!
ジュワジュワと音を立て、香ばしい香りが食欲をそそる。
うん、朝食って大事よね。
だって朝食を食べなきゃ、力も出ないし、頭もよく働かないもんね!!
上手く焼き上がったフレンチトーストを皿に盛って、粉のコーヒーをマグカップに入れ、お湯を注いで出来上がり・・・。
うん・・・、我ながら見事に手抜きな朝食よね。
だから私は捨てられるのかも。
男は誰だって料理上手で床上手なタイプに惹かれるらしい。
私もその手の男に捨てられた過去を持っている。
でもそれはもう過去の事。
モグモグとフレンチトーストを咀嚼し終え、コーヒーで流し込み、鍵と財布を持って玄関の鏡の前で服装をチェックして、エコバッグを持って出かける。
「あら、おはよう初花ちゃん。珍しいわね、今日はお休み?」
「はい、そうなんです。だから今日は精一杯羽を伸ばそうかと思って」
私が住んでいる椿ハイツは、1LDKの単身者用マンション型アパートで、ご近所付き合いは都会ながらに珍しく盛んで、こうして気安く声を掛けてくれる。
これだから下街商店街に住むのは止められないのよね。
「行ってらっしゃい、初花ちゃん」
「はい、行ってきます。」
鼻歌を歌いながら買い物に出かけた私は、その買い物先で、仲良さそうに街を歩いている伊勢谷さん夫婦と、櫂君を見かけてしまった。
(う、うわ、すっごい美人な奥さん!!)
思わず電柱に隠れてしまったのは、なんとなくで。
決して心が震えたからじゃない。
だから平気・・・。
伊勢谷さんが、あのチョコレートの人が、美人な奥さんとキスしたって、私は何とも思わない。
恋は盲目・・・。
私がその言葉の意味を真に理解するのは未だ先の話。