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神童の片鱗~お勉強~

リオンが生まれてから3年が経過した。

言葉も舌足らずであるがある程度喋れるようになりリーシャやマリアと散歩をしたりヴィンセントと遊んだりする日々を過ごしている。


この日はマリアと本を読む日だった。


「まりあ、きょうはなんのほんをよむの?」

「今日は人種の本を読もうかと思います」

「じんしゅ?」


この世界には様々な人種が存在している。

リオン達と同じ普人種。

獣の加護を受けた獣人種。

森の加護を受けた森人種。

龍の加護を受けた龍人種。

ほかにも多種多様な種族が存在する。


「それではまずリオン様と同じ普人種の説明ですね」

「わかった!」


そう言い種族図鑑のページをめくっていく。


「まず、普人種ですがこの世界に一番多い種族となっております」

「いちばんおおいの?」

「えぇ、一番多いのです」


この世界には大小様々な国が存在するが大抵の国は普人種が統治している。


「その特徴は全ての事を平均的に行うことができます、簡単にいうとなんでも出来るという感じですね」

「なんでもできるんだ、すごいね!」

「えぇ、ただ何でも出来る代わりにそれを極めようとするととても時間が掛かってしまう種族でもあります」

「ふ~ん、そうなんだ」


普人種は言ってしまえば器用貧乏である。

他の種族には得意な技能や特徴があるが普人種にはそれが無くある程度は満遍なく器用にこなせる。


「次に獣人種ですね」

「いぬさん!ねこさん!」


図鑑に載っている絵には猫人種と犬人種が書かれていた。


「はい、ここには猫人種と犬人種が書かれていますがそれだけではなくもっと沢山の種族がいます」

「もっといるの?おおかみさんは?」

「はい、狼人種や虎人種、牛人種、羊人種など本当に沢山の種族がいます」

「とらさん!うしさん!ひつじさん!」

「ふふ、リオン様は本当に動物が好きなのですね」

「うん!」


おそらく獣人種はこの世界で一番種類の多い種族である。


「そして獣人種ですが種族ごとに得意なことが違います、犬人種は嗅覚が非常に発達しているので探索を得意としていたり猫人種は身軽に移動できるため斥候として働いている方もいます」


一括りに獣人種と言っても出来ることは千差万別である。

例えば犬人種と狼人種は似ているが犬人種は匂いを追跡でき、狼人種は戦闘力が高い。

そのためこの二つの種族はペアを組み狩りをすることもある。


「次に森人種ですが別名エルフと呼ばれ、特徴として耳が長いです」

「じゃあ、まりあもえるふなの?」


そう、マリアの耳は普人種の物より少し長くなっていた。


「いえ、確かに森人種の血は流れているのですが私は森人種と普人種のハーフなんです」

「はーふ?」

「別種族の間で子供を作るとその両方の特徴を持った子供が生まれることがあります」


普通別種族の間で子供を作ると両親どちらかの種族になる、しかし極稀に両親両方の特徴を受け継いだ子供が生まれてくることがある、それがこの世界のハーフ種族であった。


「そうなんだ、すごいねまりあ!」

「んっ、ありがとうございます」


リオンの天使笑顔攻撃で心臓が止まりそうになるマリア。


「そ、それで森人種ですが特徴として魔法を非常に得意としています」

「まほう!」

「えぇ、魔法ですよ」


森人種は他種族より魔力を操る技術や魔素を感じる技術が高い傾向にある。


「まほうってどうやってつかうの?」

「これは少しリオン様には早いのですが...そうですね、魔力や魔素を使ってとだけ言っておきます。詳しくはもう少し大きくなってから勉強しましょう」

「まりょくとまそってなに?」


リオンは俗にいう何々期であるため知らないことはすぐに聞き始める。


「魔力は体の中を流れる力で、魔素はこの空気中に漂う魔力の素になります」

「じゃあこのいっぱいあるつぶつぶがまそなんだ!」

「え?」


実はリオンには空気中の魔素が見えていた、これはかなり特異な体質であるためマリアは少しフリーズしてしまった。


「リオン様、魔素が見えるのですか?」

「ん?まりあはみえないの?このつぶつぶ、もしかしてぼくってへん...?」

「いえ!決して決して変ではありません!!」


リオンはマリアが見えていない物が見えている事実に少し不安になって泣きそうになったがマリアが強く否定したため安心した。


「そっか、よかった~」



こうして種族図鑑を使った勉強は続いていった。



夜、リオンの部屋ではリーシャとヴィンセントにその日あったことを話していた。


「きょうはまりあとしゅぞくのべんきょうをしたよ!」

「あらそうなの?よかったわね~」

「何か気になる種族はいたか?」


二人はそれを楽しそうに聞いている。


「いぬさん!ねこさん!まりあ!」

「いぬさんとねこさんは犬人種と猫人種よね?」

「マリアはなんだ?」

「まりあ!はーふ!すごい!」

「あぁ、確かマリアはハーフだったな、確かにすごいよな」

「うん!」


こうしてリオンの報告会が続いていくがリオンはまだ三歳児、段々とお眠になっていく。


「それで...それで...」

「リオン、もう眠いでしょ?ねんねしましょう?」

「うん...」


話したいことはまだまだあったが子供は寝るのが仕事である。


「はい、おやすみなさいリオン」

「おや...すみ...」


リオンが眠りに付くとここからは大人の時間である。

コンコンと控えめに部屋がノックされる。



「リーシャ様、ヴィンセント様、マリアでございます」

「入っていいぞ」

「失礼します」


マリアはリオンを起こさないように静かに入ってくる。


「それじゃ、今日のリオンの話をマリアから聞こうか」

「そうね、今日のリオンはどんな感じだったのかしら?」

「はい、本日は...」


夜リオンが寝た後にこうして報告会をするのが最近の日課であった。

それには理由がある。


「と、言うことがありました。おそらくリオン様は魔素が見える体質かと」

「う~む、なるほど...」

「リオンは魔素が見えるのね~」


今日一番の話題はリオンが昼間マリアに対して魔素が見えると告げた事だった。


「うちの子は天才だと思っていたが天才どころの話では無くなってきたな」


リオンは成長するにつれてその賢さを発揮していた。

最初のうちは天才だ天才だと褒めていた二人であるが、ある時を境にそれは不安へと変わっていく。

このまま行けば増長し手の付けられない子に育ってしまうのではないか?そんな不安が三人にはあった。


「しばらくはこの事を伏せておいた方がいいかと思います」


魔素が見える体質は極めて珍しいため極力話さないほうがいいと二人に告げるマリア。


「そうね、明日あの子と話すわ」

「報告ありがとう、マリア」

「それでは失礼します。」


そういい残し退出していくマリア。


「それにしても、うちの子は凄いわね」

「凄いなんてもんじゃないさ!超超超凄いぞ!」

「あなた、静かに」

「はい...」


リオンに対する不安は募るがそれよりも大きな愛情でリオンを包んでいる。


「きっといつか増長してしまうこともあると思うけど、私たちでしっかり導きましょうね」

「あぁ、もちろんだとも」


そういいながら二人はリオンの部屋から退出していく。


寝室へ歩いている途中にヴィンセントが照れながら切り出す。


「なぁリーシャ、その、なんだ」

「なにかしら?あなた」

「そろそろ二人目...欲しくないか?」


それはリーシャも考えていることだった。

リオンに他人を思いやる心を持ってほしいという思いもあり、リオンに兄妹を作ってあげたかった。


「えぇそうね、私もちょうど考えていたの。リオンのためにもなるし」

「そうか、次はどっちが生まれるかな?」

「私は女の子が欲しいわね~」

「はは、じゃあ女の子になるようにクロノ様に祈るか」


この世界では何か願い事をするとき自分たちの信仰する神に祈る習慣がある。


「そうね、クロノ様、どうか次は女の子になりますように」


そうして夜は更けていく。


竜と龍の言葉が違うのにはちゃんと意味があります。

ワイバーンはドラゴンは竜種

そのうち出てくる〇〇〇〇〇〇〇は龍種

まぁ少し先になりますが...

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