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神童の片鱗~あまり泣かないリオン~

結構分量多くなってしまった...

突然だがリオンはあまり泣かない子である。


ある日こんなことがあった。


「ふむふむ」


リオンを抱っこしながら本を呼んでいるリーシャ。


リオンはリーシャの腕の中で熟睡している。

ちなみにヴィンセントはリオンに会いたいがメイドの監視がキツク会いに行けないため泣きながら仕事をしている。


「リオンはよく寝ていて偉いわね~」


リオンを眺めているとリオンがパチッと目を開いた。


「あら?リオン、お目覚めですか~?」

「あ~あ~」


何かを訴えるように言葉を発するリオン。


「もしかしてごはんかしら?」


リオンの言うこと伝えたいことがすぐに分かる、さすが母親である。


「それじゃごはんにしましょうね~」


すぐにごはんの支度を始めるリーシャ。


「はい、どうぞ~」

「あんむ」

「は~、お乳を飲んでいるリオンとっても可愛いわ~」


コンコンとリーシャの部屋の扉がノックされる


「リーシャ様、マリアでございます」

「どうぞ~」


扉が開きリーシャが入ってくる。


「頼まれていたリオン様の衣服デザインが上がってきましたのでお届けにまいりました」

「あら、もうできたの?早いわね~」


そう、リオンが可愛すぎていろんな服を着せたかったためにヴィンセントと相談し服を作ることにしていた。

服の相談は過熱しあれが良いこれが良いと話し合っていたら百枚程度の原案が出来てしまったがマリアに一喝され数着に落ち着いた。


「こちらが上がってきたデザインになります」

「あら!どれも可愛らしくて素敵だわ~」


見せたデザインは三枚、それを吟味しながら見ていく。


「また夜にヴィンセントと相談しなくちゃ」

「また百枚も案を出さないでくださいねリーシャ様」

「うっ、分かったわ」


また議論がとんでもないことになりそうなので先に釘を刺しておく。


「あう~」

「あらもういいの?」

「...」


ごはんが終わったリオン、あら?っと見つめるリーシャ、無表情で見下ろすマリア

客観的に見るとマリアだけ非常に怖い光景である。


「けっぷ」

「まぁ!また一人でげっぷ出来たのね!偉いわ~リオン」


リオンが一人でげっぷできると毎回リーシャは褒める。


「むにゃ」

「あらお眠かしら?ゆっくり寝るのよリオン」


赤ん坊は飲んで寝る、それが仕事である。


「マリア、少しお茶しましょう?」

「かしこまりました、リーシャ様」



また別の日こんなことがあった。


リーシャが少し席を外し、その間マリアが抱いていたリオンが突然グズりだした。


「ん~!ん~!」

「ど、どうしたのですかリオン様?何か嫌なのですか?」


原因が分からずおろおろしているときリーシャが部屋に帰ってきた。


「どうかしたの?」

「それがリオン様が泣きそうになっており...」

「どうしたのリオン?あぁ、おしめが汚れちゃったのね?」


実際にリオンはおしめが汚れていた為グズっていた。

すぐにリオンのおしめを取り替える。


「さ、さすがリーシャ様です」

「あなたも母親になったら分かるようになりますよマリア」


今のところ母親になる予定など皆無であるマリアはそうなのかと納得した。



あまり泣かないリオンだが一度だけ大泣きしたことがある。


「おぎゃ~!おぎゃ~!」

「あらあらどうしたのリオン?ごはん?おしめ?」

「ど、どうしたのでしょうか?あまり泣かないリオン様がこんなにも泣くなんて」

「リオン~べろべろば~!」


リーシャとマリアはリオンを心配しながらあやし、ヴィンセントは一生懸命変顔をしていた。


「うーむこれでも笑わんか、この顔はリオンに刺さらないのか?ならクロノエル公爵家秘伝の変顔を見せてやろう」

「あなた...」

「ヴィンセント様...」


リーシャとマリアは飽きれながらヴィンセントを見ていた

その時屋敷内が騒がしくなり始めた。


「ん?何かあったのか?」


その時カンカンカンと半鐘が街に鳴り響く。

ヴィンセントが不審に思っているとき扉がノックされた。


「ヴィンセント様!至急の報告が!」

「む、入れ」

「失礼します!」


入出してきたのは屋敷の衛兵であった。


「何かあったのか?」

「はい、街にワイバーンが現れました!」

「なんだと!?」

「まぁ、ワイバーンが?」


そう、クロノエル公爵家が収めるエタナト街にワイバーンが現れたのである。


「何匹現れた?」

「五匹現れました!ちょうど産卵の時期なので餌を求めてやってきたものかと」

「もうそんな時期だったか」


ワイバーンは産卵期になると餌を求めて活発に移動を始める。

たまたまエタナト街の近くを通りかかり、人間が多かったため引き寄せられてしまった。


「それで、状況は?」

「今は街の冒険者とセバス様が足止めを行っております。」

「五匹となるとセバスだけではキツイか、分かったすぐに行く」

「あなた、気を付けてね」

「何、たかがワイバーンだ、すぐに戻ってくるさ」


ワイバーンは一匹に対し中級冒険者が五人は居ないとまともに戦えない魔物である。

それをたかがワイバーンと言ってのけるヴィンセントの顔は、普段ふざけまっくているとは思えないほどの威厳があった。


「パパちょっと悪い魔物を倒してくるからな、いい子に待ってるんだぞリオン」

「おぎゃ~!おぎゃ~!」

「いってらっしゃいませ、ヴィンセント様」

「あぁ、リオンを頼んだぞ」


そう言い残し現場へ出発した。





「魔法使い、弓使いは牽制をお願いします!」

「近接職の方は私が動きを止めますのでその時に攻撃を!」


現場で臨時に指揮を取っているのはクロノエル公爵家の執事セバスである。


「水よ、切り裂く刃を形作り、敵を屠れ!ウォーターソード!」

「火よ、熱く燃え盛る球となり、敵を燃やせ!ファイヤーボール!」

「土よ、風を切り裂く槍となり、敵を貫け!アースランス!」


様々な魔法がワイバーンへ殺到する。


「ギュアァァァァァァァァ!!!」

「ギュアアア!」

「ギュアッアッアッ、ギュアァァァ!?」


大体の魔法はワイバーンの鱗に弾かれ無効化されたが、一匹のワイバーンが魔法を嘲笑っている時にその眼球にアースランスが直撃した。


「ワイバーンが一匹落ちてきます!私が拘束するので合わせてください!」

「植物よ、根強き命が束縛となり、敵を縛れ!プラントロック!」


セバスの発動した魔法により地面から植物が伸び、ワイバーンに巻きついていく。


「今です!」

「うおぉぉぉぉぉ」

「おりゃぁぁぁぁぁ!」

「フンヌアァァ!!」


そこへ近接職の冒険者が殺到しワイバーンにダメージを与えていく。


「食らえや!」

「ギュアァァァ!?」

「良いです、その調子です!」


ワイバーンの体に傷が増えていく。

このままではいずれ倒されるとワイバーンは悟り、一か八かの行動に出る


「ギュオォォォォォォ」


ワイバーンは大きく息を、近くの魔素を吸い始めた。


「む、行けません!ブレスが来ます!!」


竜種にはその種族を象徴する技があり、それがブレスである。

ワイバーンは下級とはいえ竜種のためブレスを使うことができる。


「土よ!皆を守る盾となり、災いから守護せよ!グレートアースシールド!」


一人の冒険者がブレスから身を守る為の盾を展開し地面から土の壁がせりあがる。


「ギュギアアァァァァァァ!!」


ワイバーンのブレスが土の盾に直撃する。

盾系統の魔法には己の魔力をつぎ込めばつぎ込むほど固くなるためここからは根競べである。


「ぐぐぐっ、や、やばいかも~!」

「がんばれがんばれ!!お前ならできる!守り切れる!」

「いいよ~!いいよ~!魔力が最高にキレてるよ!」

「仕上がってるよ!」

「魔力がデカすぎて何も見えない!」


こうなっては盾を展開してる冒険者を応援するしかないので全力で応援する冒険者達。


「ギュ、ギュアアア!?」


そして段々と炎が弱くなっていき、ブレスを完全に防いだ。


「ど、どんなもんじゃい!!!」

「今です!仕留めてください!」

「肉になりやがれえぇぇぇ!」


ブレスを防ぎ切られたワイバーンになすすべは無く、殺到した冒険者に倒された。


「うぉぉぉぉ!」

「俺らもやればできるじゃないか!」

「油断しないでください!まだ四体残っています!!」


一匹のワイバーンを倒し指揮が上がったその時。


「セバス!待たせたな」

「旦那様!お着きになったのですね」

「あぁ、遅れてすまない」


ヴィンセントが現場に到着した。


「ヴィ、ヴィンセント様だ」

「ほんとだ!ヴィンセント様が来てくれたわ!」

「これで勝てる!」


ヴィンセントが到着したことによりさらに指揮が上がる


「お、一匹は倒したのか、やるじゃないか」

「何とか一匹は倒せたのですが我々では他が厳しそうです」

「大丈夫だ、もう冒険者を下がらせて良いぞ」


ヴィンセントは冒険者たちを全員下げるように支持を出した。


「いいのですか?」

「最近運動してなかったからなぁ、ここはいっちょ頑張るわ」

「かしこまりました、冒険者の皆さん!ここは大丈夫ですので周辺の警戒をお願いします」


その号令をもとに冒険者たちは宣戦を離脱し負傷者の治療や周囲の警戒を始めた。

突然攻撃がやんだことを不審に思うワイバーンであるがその時。


「焔よ、我が力に」


ドンッと周囲に魔力が吹き荒れる、それは質量を持っていると錯覚してしまうほどの熱く重い魔力であった。


「「「「ギュア!?」」」」


ヴィンセントは腰に下げていた剣を抜く


「焔よ、我が剣に纏へ」


剣に炎が纏われる様は神秘的な光景であった。


「おぉ、ヴィンセント様の魔剣がみれるぞ!」

「あの伝説の!?」

「生きててよかった!」


周囲の冒険者が沸き立つのも無理はない。

ヴィンセントは剣を構える。


「行くぞワイバーンども、飛べ!飛炎!!」


ヴィンセントが剣を降りぬくと扇状に炎がすさまじい勢いで飛んでいく。

その飛炎に奇跡的に反応出来た二体のワイバーンは上空へ回避、逃げ遅れたワイバーンは両断された。


逃げたワイバーンはその光景を唖然と見ていた。


「む、やっぱり少し訛ってるな...」


ワイバーンの後ろから声が聞こえる。


「ギュアアア!?」


振り返るとそこには剣を振りかぶったヴィンセントが居た。


「まぁ、お前も死んどけ」


ヴィンセントが剣を降りぬくと剣から炎が伸びる、その様はまるで巨大な炎の大剣のようであった。

ワイバーンはいつの間に後ろへ移動したのか?と考えている間に剣に両断された。


「ギュアアア!?」


それを見ていたワイバーンは一目散に逃げ出した。

あれは無理だ、あれには勝てないと思いながら一心不乱に逃げる。


「残念だがそこでも俺の射程範囲内だ」


リオンは剣を刺突の構えにし、炎を滾らせる。


「貫け!刺炎!!」


遥か上空にいるワイバーンに向けて刺突を放つと炎が熱線となり飛んでいく。


「ギュ、ギュア!?」


何かを感じ振り向いたワイバーンが最後に見たものは一面の赤色だった


「よし!討伐完了!」


うおぉぉぉぉぉぉぉ!


勝どきが鳴り響く街中に鳴り響く。


「さすがヴィンセント様だ!」

「炎帝!炎帝!炎帝!」

「素敵!!結婚して~!!」

「俺が愛してるのはリーシャだけだ!」

「キャァァァァ!」


まるでお祭りのように騒ぎは伝染していく。


「お疲れ様です旦那様、後処理はお任せください」

「悪いなセバス、みんなが待ってるから後は任せた」


そう言い残しヴィンセントは本邸の方へ向かって走り出した。





「終わったようですね」

「ええ、そうね」


屋敷の中でも街の騒ぎは聞こえてくる。


「んむ、んむ」

「まぁ見て、リオンが泣き止んだわ」

「ほ、本当ですね」


そしてワイバーンが全て倒されたと同時にリオンが泣き止んでいた。


「(ワイバーンが現れたのに何か関係があるのでしょうか?)」


心の中で何かワイバーンと関係があるのかとマリアは考えていた。


「(魔力を敏感に感じてしまう体質だとそう言ったことがあると聞いたことありますが、まさか...)」

「きゃっきゃ!」

「リオンは可愛いですね~」


リーシャは平常運転である。

その時ドタドタドタと足音が聞こえたかと思ったらバーンと扉が開かれた。


「パパが帰ってきたぞー!」

「あーあ!」

「む!?今パパって言わなかったか!?」

「えぇ!言ったかも知れないわ!!、いいえ言ったわ!」

「いえ、言っていないかと」


ヴィンセントが戻ると元の騒がしさが帰ってきた。


「ん~ベロベロバ~」

「きゃ、あうあうあ~!」


ヴィンセントの様子はとても先ほどまでワイバーンを圧倒的な力で屠った威厳は無く、一人の親バカであった。

お読みいただきありがとうございます!


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