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露店散策

次の日、起きてご飯を食べた後父さんは仕事に出かけた。

旅館には僕と母さん、エレナ、マリア、セラ、ベルが残っている。


「準備も整ったし、早速観光に行きましょうか」

「楽しみだな~」


外出の準備を整えて旅館を出発する。

旅館の外に出ると、やっぱり僕たちの服が目立つ。


「やっぱりヤマツでは私たちの服は浮いちゃうわね」

「リーシャ様、着物を買いに行きますか?」

「そうね~、そうした方が良さそうね。なにより着てみたいし」


こうして僕たちは着物を買いに行くことになった。

旅館の近くに旅行者向けの着物店があるらしく、そこへ向かう。


「ここが着物店ね、色々あるわね~」

「いらっしゃいませ、是非見ていってください」


着物店の中には沢山の着物が並んでいる。


「これなんかどうかしら?」

「良くお似合いかと思います、こちらの水色の着物なども似合いそうですね」

「それもいいわね~。あ、皆も着物着てみたいでしょ?選んで良いわよ」


母さんのその言葉で女性陣が着物を選び始める。

目に見える大半が女性物の為、僕はどうするか考えていたら店員さんが話しかけてきた。


「お客様、男性用の着物はこちらにありますのでご案内します」

「僕が着れるものもある?」

「ええ、ございます。ささ、こちらへ」


店員さんについて行くとセラだけ僕に付いて来てくれた。


「こちらが男性用の着物になります。そうですね、お客様にはこちらの着物がよくお似合い化と思います」


店員さんが差し出してきたのは白から青へとグラデーションしている着物だった。


「少し着てみても大丈夫?」

「はい、大丈夫です。お手伝いさせて頂きますね」


着物の着方が分からないので店員さんに手伝ってもらい着ていく。

実際に着てみると中々に着心地が良い。着付けが終わりセラに披露する。



「どうかなセラ、似合ってる?」

「よくお似合いですご主人様!!」


セラは尻尾をぶんぶんと振りながら褒めてくれる。よかった、似合っているらしい。


「にゃんにゃん」

「ん?レーナも似合ってるって?ありがと」


レーナからも似合っていると言われ、顔を擦り付けてくるので撫でてあげる。


「予想よりお似合いですね、こちらの着物などもいかがですか?」

「それも着てみようかな」


この言葉がいけなかったのか、僕は次から次へと着物を着せ替えられていく。

そのたびにセラやレーナは褒めてくれるが流石に疲れてきた。

結局着物は最初に着たやつが気に入ったのでそれを購入する。


「リオンも良い着物があってよかったわね~」

「うん、母さんも良く似合ってるよ」

「あら、ありがとう」


母さんはピンク色の少し派手な着物を着ていたが凄く似合っている。


「リオン様、良くお似合いですね」

「マリアも雰囲気にあっていて素敵だね」


マリアは暗い紺色の着物を着ているが、それがマリアの雰囲気にマッチしていた。


「着物も買った事だし、さっそく街へいくわよ~」


母さんの号令で街への散策へと繰り出した。


着物店から少し歩くと、市場に付いた。

市場には活気が溢れており、様々な物が売られている。

初めて見るものが多いので、色々と目を惹かれてしまう。


「この白くてプルプルしたものは何かしら?」


市場を見回っていたら母さんがあるものを見つけた。


「こちらは大豆から作られた、豆腐という食べ物になります」


不思議そうに眺めていると店員さんが説明してくれる。

大豆という豆からこんなプルプルした物が作れるなんて不思議だ。


「美味しいのかしら?」

「はい、醤油を少したらして頂くと、とても美味しいですよ?あと、お肌にもとても良いんです」

「買うわ」

「毎度ありがとうございます!」


肌に良いという言葉が出た瞬間に母さんが購入を決定する。

やっぱり女性はこういった言葉に弱いのだろうか?


「良ければ試食されますか?色んな豆腐がありますので食べ比べしてもらえればと思います」

「あらそう?頂こうかしら」


店員さんが色んな豆腐を小分けにして出してくれる。

実際に食べてみると美味しかったし、豆腐によって舌触りが全然違う。


「この滑らかな豆腐美味しいね」

「私は歯ごたえのあるこっちの方が好きだな~」

「この滑らかな豆腐を買おうかしら?」


豆腐を食べながらベルとそんな事を話す。母さんは滑らかな豆腐を気に入ったようだ。


購入が終わり再び市場を歩き始める。次に目についたのはコメの料理だった。


「この料理は何て言うのかしら?」

「へい!こちら寿司って料理になります!」

「へ~、これ魚がコメの上に乗ってるの?」

「へい!新鮮な魚ですので生で食べることが出来るんですよ!」


ヤマツは比較的海に近い街なのでそこから取れた魚だろうか?

一口サイズのコメに赤色や白色の魚の切り身が乗っている。


「ちょっと食べてみたいな。おじさん、一つください」

「へい!種類はどれにしましょう!」

「一番人気の物でお願い」

「かしこまりました!」


どれが美味しいのか分からなかったのでとりあえず一番人気の物を頼むと、赤色の魚が乗った寿司が出てきた。


「こちらの醤油に付けて食べてください」

「ありがとう。あむ...美味しい!」


寿司を口に入れると、とても美味しかった。

初めて魚を生で食べたけど、余り臭みもなく醤油とマッチしており、魚特有の旨味が口に広がる。

かなり気に入ったので帰りにお土産として買って行きたい。


その後も沢山の露店を回った。


「これは天ぷらね、昔食べたことあるわ」

「サクサクしてて美味しい!」

「あら、こっちの香ばしい匂いはかば焼きかしら?リオン、あれも美味しいわよ~」

「食べる!」


天ぷらやかば焼きといった食べ物を食べたり、武具の露店を見たりした。


「あ、刀がある」

「リオン様、試し切りが出来るらしいですよ?」

「なになに?切れたものに応じて景品が貰える?面白い露店だね」


露店を見ると、売っている刀で試し切りをして切れたものに応じて景品が貰えるらしい。

中々面白い露店だ。刀が気に入ればそれを購入することも出来るらしい。

面白いのでやってみることにした。


「お、坊ちゃんも挑戦してみますか?」

「うん、お願いするよ」

「坊ちゃんの大きさだとこの辺りの刀が良さそうですね。どの的に挑戦しますか?」


挑戦すると言うと店主が刀を渡してくれ、どの的にするか聞いてくる。


「ご主人様なら一番難しい的でもいけるよ!」

「頑張ってくださいご主人様!」


一番硬い的は鉄で出来ている。まぁ多分切れるかな。

ベルとセラの応援を受けながら的の前に立つ。


「坊ちゃん、鉄の的に挑戦するんですか?ちなみに刀を壊したら買い取りになりますよ?」

「うん、大丈夫。多分なんとかなるから」


店主が怪訝な顔をして聞いてくるが、この厚さの鉄なら多分切れるだろう。

何回か刀を素振りした後、目をつぶり意識を集中させる。


「ふー...しっ!!」


抜刀の構えを取り、脱力した状態から一気に抜刀して刀を走らせる。

刀は抵抗感を感じさせずに鉄を切断したが鉄的は崩れずにそのまま佇んでいる。

僕は残身した後、刀を納刀して店主に返す。


「刀ありがとう」

「はい?失敗したのですか?」


店主が失敗したのか聞いてきたので的の前まで歩き軽く押すと、的が真っ二つに割れて倒れた。


「おぉ~!流石ご主人様だよ!」

「素敵ですご主人様!」

「ありがとう」


店主の方を見るとあんぐりと口を開けていた。僕みたいな子供が鉄の的を切ったことが信じられなかったのかな?

その後気を取り直した店主から景品を貰う。

ちなみに景品は好きな刀一振りだったので、この露店で一番良さそうな刀を貰った。


「刀がもらえて良かったねご主人様!」

「うん、嬉しかったけど僕的には露店で仕える商品券の方がよかったかな?失敗した...」


一つ下の的が露店で仕える商品券だったのでそっちにすれば良かったと後で気が付いた。


そんなことがありながら露店の散策が終わり旅館へと帰ると、父さんが帰ってきていた。


「お、帰ったのか。いいな~俺も露店回りたかった...」

「滞在中に少しは自由な時間がとれるのでしょう?その時に回りましょう」

「ああそうだな、楽しみにしておく」


父さんは僕らが露店を回ったのが羨ましかったらしい。


「お、これ旨いな。そうだ、領主と少し話していたんだが、領主が皆に会いたいそうだから明日は皆で領主邸に行くぞ」


買ってきたお土産を食べながら父さんがそんな事を言った。

どうやら会談の時に家族の話が出たらしい。そこで今回は家族を連れてきている話をすると是非に会いたいと言ったそうだ。


「だから明日は観光は無しで皆で領主邸だ」

「わかったわ、少し準備をしないといけないわね」

「お手伝いさせて頂きますリーシャ様」

「助かるわマリア」


ここの領主はどんな人なのか気になりながらこの日は眠りについた。


感想ありがとうございます!

指摘された箇所を少し修正しました。

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