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ダンジョン攻略

レーナをペットにした後、僕たちは洞窟の探索を続けていた。

ちなみにレーナは僕の肩に乗っている。少し重いが顔に当たるモフモフが気持ちいい。


「にゃんにゃん」

「ははっ、くすぐったいよレーナ」

「本当によく懐いたな」


レーナは時々顔を擦り付けて来て、くすぐったくて笑ってしまう。

それからしばらく進むがいまだ魔物の気配が無い。


「本当に魔物がいないね」

「にゃん」

「え?レーナがやったの?」


レーナ曰く、自分が洞窟に来たときは魔物で溢れていたから邪魔だったので全て倒したそうだ。流石レーナ、すごく強い。


「じゃあ奥に魔物がいないのも?」

「にゃん」

「あ、そうなんだ」

「にゃにゃん」

「へ~レーナはそんな事が出来るんだね」

「...なぁリオン、なに話してるんだ?」


少しレーナと話していたら父さんが話しかけてきた。


「?僕はレーナと話していただけだよ?」

「にゃんにゃんとしか聞こえないぞ?」

「そうなの?」

「にゃん」


父さんにはレーナが鳴いているようにしか聞こえないらしい。

レーナと話していると確かに鳴き声が聞こえるが何となく言いたいことが分かる、それを父さんに伝えた。


「あ〜なるほど、昔テイマーに聞いたことあるな。心を通わせた魔物や獣と意思疎通が取れるようになることがあるって」

「へ~そうなんだ、多分それかな?」

「で、レーナは何て言っていたんだ?」

「レーナ曰く、魔物は全部倒した。新しく魔物が出ないのはレーナが魔素を吸収してたからだって」

「は~なるほど、そんなこと出来るのか」


魔素を吸収した話をすると父さんが驚いていた、父さんも知らなかったらしい。

まぁ僕も本で読んだことなかったので初耳である。

しばらく洞窟を進んでいると広間に出た。そこには台座があり、その上にクリスタルが鎮座している。


「父さん、あれって」

「あぁ、あれがダンジョンクリスタルだ」


ダンジョンクリスタル、初めて見た。透き通った水晶の様で表面がゴツゴツしている。


「あれを取れば攻略完了?」

「あぁそうだ、せっかくだし取ってみるか?」

「いいの?」


父さんがダンジョンクリスタルを取ってみるか提案してくれた。正直凄く興味があるので取ってみたい。


「いいぞ、取ってみろ」

「普通に台座から取ればいいの?」

「ああそうだ」


台座まで歩いて近づき、ダンジョンクリスタルを見る。

改めて近くで見てみるとかなりの高密度で魔素が絡み合っている。一瞬触って大丈夫か不安になったが意を決して触れてみると少しひんやりとしていた。

ダンジョンクリスタルをゆっくりと持ち上げていき、台座から外す。すると一瞬グラっとダンジョンが揺れた。


「うわ、今揺れたよね?」

「ああ、今の揺れがダンジョンを沈静化した証明だ」

「あ、確か本にそう書いてあったかも」


手の中にあるダンジョンコアを眺めると少しずつだが周囲の魔素を吸収しているのが分かる。


「さあ、ダンジョンを出るぞ」

「分かった、このダンジョンコアどうするの?」

「リオンが持っててもいいし、うちで買い取る事も出来るぞ。どうしたい?」


確かダンジョンコアは大型魔道具のコアに使われている事が多い。

クロノエル家でも大型魔道具を所有していたはずだ、僕はまだ見たことないけど。

ただダンジョンコアは貴重なので買おうとすると凄くお金が掛かるので余り手に入らない。


「それなら持っておきたいかな」

「わかった、扱いには気をつけろよ?」

「ありがとう」


こうして僕は小さいダンジョンコアを手に入れて岐路についた。


家に帰り、リビングに行くと母さん達がお茶を飲んでいた。


「リオン、ダンジョンはどうだった?」

「楽しかったよ!それにペットも出来たんだ」

「それはその黒い猫かしら?」

「うん、レーナって言うんだ。レーナ、僕の母さんだよ」

「にゃん?にゃにゃん」

「猫さん!」


レーナに母さんを紹介すると、母さんに向かってお辞儀をした。

エレナは初めて見る猫に目をキラキラさせていた。気持ちはよくわかる。


「まぁ!賢い子ね~」

「可愛い!」

「あ~、リーシャ。その猫な?実はバーテックスキャットなんだ」

「バーテックスキャット?え、嘘でしょう?」


母さんが驚いた顔でレーナを見ている。レーナは何故か少し誇らしそうな顔をしていた、可愛い。


「でも聞いていた話よりかなり小さいわよ?」

「そいつ自分で体の大きさを変えられるんだ」

「へ~そうなの、害はないのよね?」


母さんが尋ねてきたのでレーナに聞いてみる。


「大丈夫だよねレーナ?」

「にゃん!」


問題ない、主の家族には危害を加えないと言っている。

するとレーナは僕の手から飛び出し母さんの方へと歩いていき、母さんに甘えだした。


「にゃんにゃん」

「あらあら、可愛らしいわね~」

「お母様!私も撫でたいです!」


エレナがそんな可愛いわがままを言うとレーナの方から近づいていった。


「にゃん」

「あ、レーナちゃん。ふわぁ、もふもふです!」


エレナが満面の笑みでレーナを撫でている、よかった。

僕も席に着くとマリアがお茶を出してくれた、それを飲み流れレーナに話しかける。


「レーナって何を食べるの?」

「にゃん?にゃにゃ」

「へ~そうなんだ、分かったよ」

「何て言ってるんだ?」


あ、そうだ。レーナの声の意味は僕にしか分からないんだった。

父さんたちに意味を伝える。


「基本的には魔素があれば問題ないけど、何でも食べることが出来るって」

「なるほどな~」

「リオンはレーナちゃんの声がわかるの?」

「そうなんだよね、何故か分かるんだ」


そんなことを話していたらエレナに撫でられるのに飽きたのかレーナは僕のほうに寄ってきたので撫でてあげる。


「ゴロゴロ...」

「ここが気持ちいいの?」


この日は一日レーナを撫でながら過ごした。



次の日セラとベルにレーナを紹介する事にした。

早速二人に集まってもらってレーナを見せる。


「昨日言ったダンジョンでペットにしたレーナだよ」

「にゃん」


レーナは僕の肩にお座りしながら二人にちょこんと頭を下げる。


「猫ちゃんだ!可愛いね~」

「とても強い力を感じます...」


二人は興味深そうにレーナを眺めているので撫でて見るか聞いてみた。


「二人とも撫でてみる?」

「触ってみたい!」

「私も撫でてみたいです」


僕はレーナを机の上に下ろし、二人はゆっくりと手を近づけて撫で始めた。


「ふおぉぉ」

「ま、負けました...」


セラはその毛並みに魅了されたのかさわさわと撫で、セラは何故か落ち込んでいた。


「どうしたのセラ?」

「毛並み、負けました...」


どうやらレーナの毛並みに自分が負けていると思ったらしい。

僕はよくセラを撫でるがそんなことは無いと思うのでセラを励ます。


「そんなことないよ。ほら、セラだってこんなにも気持ちい毛並みをしてる」

「わふ、ご主人様...ありがとうございます」

「にゃん...」


耳を撫でるとセラの機嫌はグングンと回復していき、笑顔になった。

そんなセラの様子をレーナがじっと見つめており、一度頷いた後僕の肩に飛び乗ってきた。


「どうしたのレーナ?」

「にゃんにゃん。にゃんっ」


肩に飛び乗り僕に顔を擦り付け甘えた後、セラのほうへ向き鼻で笑ったような気がした。


「なな...!失礼しますご主人様!」


セラはそれを見て驚愕した顔をしていたがレーナに対抗したのか僕の胸に頭を擦り付けてくる。


「あはは、くすぐったいよセラ」


そんな事をしていたら今度はレーナが僕の頬を舐めた。


「うわ、どうしたのレーナ?」

「にゃんっ」

「ななな...!」


それを見たセラが目を丸くして驚いていたが、少しした後意を決した表情をした。


「失礼します、ご主人様」


その言葉と共にセラの顔が近づいてくる。

改めて間近でセラの顔を見ると凄く綺麗な顔をしている、なんかドキドキしてきた。

そしてあと少しで僕の顔と触れるという所で声が掛かる。


「何をしているのですか?セラ?」

「「「ひっ!」」」


その声はまるで地獄のそこから響いているのでは無いかというほど怖かった。

セラが話しかけられたのに僕とベルも悲鳴を上げてしまった。


「何を、しているの、ですか?セラ?」

「こ、これは...その...」

「にゃ、にゃぁ...」


レーナはその様が余程怖かったのか尻尾が股の下に入ってしまっている。

僕らでもこんなに怖いんだからセラはもっと怖いだろう。セラはガタガタと震えている。


「あなたにはもう一度リオン様との距離感をお話する必要がありますね」

「あ、あの、その」

「行きますよ」


マリアがそう言うと、セラの襟首を掴みながら連行していった。

僕とベルは一息つく。


「リオン様、マリア様怖かったね」

「うん、やっぱりマリアだけは怒らせちゃダメだね」

「にゃぁ」


セラは今頃マリアに怒られている頃だろう、何故マリアがあんなに怒っていたのか分からないけど。

そんな事がありつつもレーナはクロノエル家に馴染み始めていた。


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