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リオンの専属メイド

プロローグだけだと味気なかったので1話目も投稿します。

リオンが生まれてから3日が経過た。


その間にクロノエル家では親バカが2人生まれていた。


「おぎゃ~!おぎゃ~!」

「リオン、ごはんの時間ですよ~」

「(Ŏ艸Ŏ)」


リオンが生まれてからリーシャはいつもリオンのそばにおり、ヴィンセントは仕事がない間はずっとリオンのそばに居た。


「きゃっきゃっ」


先ほどまで泣いていたのが嘘のように笑顔になり、手を挙げながら喜ぶ。


「あなた!この子ごはんが分かっているわ!」

「あぁ!間違いなく天才だ!!!」


ちなみに泣き止んだのはヴィンセントがリーシャの後ろで変顔をしていたからである。


「さぁ、ごはんですよ~」

「あむ~あむ~」

「おお、良い飲みっぷりだ。将来大物になるぞ」

「えぇ、きっと大物になるわ」


リオンを眺めながらそんなことを言い合う二人。


そんな二人をメイドはジト目で眺めていた


「(飲みっぷりだけで大物になるかわかるのでしょうか...?)」


ときに時間とは残酷なもので、一方向である。


「ヴィンセント様、そろそろ執務の時間でございます。」

「なに!?まだここにきて1分しか立っていないぞ!?」


驚きながらメイドを見るヴィンセント、相変わらずジト目なメイド。


時間の流れとは常に一定である。


「いえ、すでに30分は経過しております。」

「なに!ありえない、さては時空間魔法の使い手がこの至福の時間を邪魔しているのか!?」


この世界には魔法が存在するため、その可能性を疑ったヴィンセント。


「いえ、時空間魔法をそんな無駄な使い方はしないかと。」

「だとしたら、本当に30分経ったというのか?」


メイドは相変わらずジト目のまま告げる


「えぇ、先ほどからそう申し上げております。時計をご確認してはいかがですか?」


クロノエル家は公爵家なので普通より資産が多いため時計といった高級品も身に着けている。


ヴィンセントは懐より懐中時計を取り出し時間を確認する。


「むぅ、本当だ...なら仕方ない、休憩は後30分追加だ。」


キリッっとした顔でヴィンセントは言ってのける、私がルールだとばかりに。


「ダメです、行きますよ」


ガシッっとヴィンセントの襟首を掴むメイド。


公爵家当主にその扱いは大丈夫なのかと不安になるが、これがクロノエル公爵家の日常である。


「お、おいやめろ!襟首を掴むな!!あぁ神よ、なぜこうも厳しい試練を与えるのですか~!」


現実とは残酷であり思うようには行かない。


ヴィンセントはメイドに連行されていった。


「あんむ」

「あら、もういいの?」


そんなやり取りがそばで行われていたがリーシャはマイペースにリオンの世話をする。


「けっぷ」

「まぁ!一人でげっぷができたのね~、えらいわ!」


親バカは一人でも親バカであった。



食事が終わった後リーシャはリオンを抱きながら話しかけ、言葉を教えようとしていた。


「リオン~ママですよ~、マーマ」

「あうあ~」


リオンはリーシャの方を見ながら言葉を発する。


「!、今ママと言いませんでしたかマリア!」

「いえ、多分行っていないかと思います。」


ヴィンセントを連行した後で戻ってきたメイド、マリアが言う。


「あらそう?ママと行った気がしたのだけど...」


首をかしげながらマリアの方を見るリーシャ。


「気のせいです、まだ生まれてから3日ですよ?」

「ん~そうね、まだ3日だものね」


リオンは生まれてからまだ3日なので普通なら言葉を理解し発することはできない。


「すこしお手洗いに行くのでリオンを見ててもらえる?」

「はい、かしこまりました」


リオンをマリアに預けリーシャが退出した。


「....」


マリアは無表情でリオンを見つめ、リオンは自分を抱いているマリアを見つめる。


「あうあ~?」


マリアは普段の無表情が嘘のように笑顔になる


「リオン様、マリアですよ~、マ~リ~ア」

「あ~う~あ~?

「っ!!!今マリアと呼んでくれたのですか?リオン様」


驚きながらリオンを凝視する。


リオンはその顔が面白かったのか笑い始める。


「きゃっきゃ!」

「そんなわけないですよね...いえでも、もしかしたら」


ありえないとは思いつつももう一度試したくなるのが人間である。


「マリアですよ、ま~り~あ」

「あ~う~あ~?」

「やっぱり行ってますよねこれ?天才ですか?」


先ほど親バカ二人をジト目で眺めていたマリアであるが、十分に親バカの気質があった。


そしてリオンの神童としての片鱗が見えていた。


扉が開きリーシャが入ってくる


「戻ったわマリア」

「はい、リーシャ様」


少し名残惜しくはあったがそっとリオンを手渡すマリア。


「きゃっきゃ!」

「は~い、ママが戻って来ましたよ~」

「あうあ~」

「は~可愛いわ~リオン」


リーシャはリオンにメロメロであった。


「そういえばねマリア、少しヴィンセントと話し合っていることがあるの」


リオンを受け取ったリーシャが話しかける。


「話し合っていること、ですか?」

「そう、今はこうしてずっと一緒に居られるけど私も外せない仕事がそのうちあると思うの」


リーシャも公爵家夫人であるため会食やパーティー、お茶会などどうしても外せない仕事があったりする。


「それはまぁ確かに」

「マリアは今私とヴィンセントの専属メイドってことになってるわよね?」

「えぇ、そうですね。お二人の専属メイドとして働いております。」


マリアは仕事の処理能力が極めて高くヴィンセントとリーシャ両方の専属メイドを就任している。


「そこで私たちの方は比重を軽くして良いからリオンの専属にもなって欲しいの。」

「私がリオン様の専属、ですか?」


少し驚いたようにマリアが言う。


表情は一ミリも動いていないが。


「えぇ、私たちが一番よく知っているメイドはマリアだし、安心して任せられるの」

「それは...ありがとうございます。」


マリアは少し照れていた。


表情は一ミリも動いていないが。


「だから頼まれてくれない?それに子供すきでしょ?マリア」

「え、どうしてそれを」

「だっていつも無表情なのにリオンと居る時だけ表情が緩んでいるわよ?」


普通の人が見たら分からないが長年マリアと共にいるリーシャには一目瞭然であった。


「まぁ、ヴィンセントは気が付いて無いと思うけど」

「そう...ですね、リオン様の専属に付けたら嬉しいです」


嬉しそうにマリアは言う。


表情は一ミリも動いていないが!


「まぁ本当!よかったわ、それじゃあよろしくねマリア」

「はい、リーシャ様」


こうしてマリアがリオンの専属メイドに就任した。

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