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剣の訓練2

リオンは今日も騎士たちと訓練を行っていた。今は剣と槍の鍛錬をした後の休憩中である。


「リオン様、タオルとお飲み物をどうぞ」

「ありがとう、マリア」


汗を拭きながら水分補給をする、ほどよく動いた後に飲む水は格別である。


「最近槍の鍛錬もしてるけど、マリアの目から見て僕の槍はどう?」

「十分な熟練度かと思います」

「う~んなるほど。そろそろ剣だけに戻ろうかな?」


その瞬間騎士たちが少しざわつき、互いを牽制するように見合う。


「「「(これは俺(私)の得意武器を教えるチャンス!)」」」


そんな雰囲気には気付かずにリオンは雑談を続ける。


「魔法の方は微妙だけど、武術の方は順調だな~」

「いつかリオン様も凄い魔法が使えるようになると私は信じております」

「わ、私も信じてますご主人様!」

「ありがとう、でもセラにはもう魔法は抜かれちゃったからな~。もっと頑張らないと」


実はセラとベルはクロノエル家で働き始めてから魔法の修練を行っていた。

二人とも闇属性の適正があったため、その魔法を習得している。最近になり魔法を発動出来るようになったのだが、効果は既にリオンの魔法を超えていた。


「私はまだまだです。ご主人様の方が沢山の魔法が使えて凄いです」

「威力は弱いけどね~」


思うように魔法の威力が伸びず、少し卑屈になっているリオン。


「しかし、少しずつ威力も伸びてますよね?」

「うん、本当に少しずつだけど。よし、そろそろ訓練に戻ろうかな」


そういいタオルと飲み物をマリアに渡し、訓練に戻る。


「じー...」

「セラ、タオルを凝視するのはやめなさい」

「でも....マリア様、それご主人様が汗を拭いたタオルですよ?」

「だからなんだと言うのです」

「それ、私が洗います!」

「あなたは匂いを嗅ぎたいだけでしょう?いけません」


獲物を狙う瞳でタオルを凝視するセラを注意するマリア。


「でも...」

「あなたがリオン様の匂いが好きなのは知っています。しかしそれがリオン様にバレると嫌われてしまうかもしれませんよ?」

「うっ、それは嫌です...」

「なら我慢しなさい」


セラとマリアはそのタオルをめぐって攻防を繰り広げていた。


その頃騎士たちはいまだに牽制しあっており、ある騎士が話しかけようとすると。


「おっとこんな所にゴミが」

「うぉっ」


わざとらしい動きで足を掛け。

また別の騎士が話しかけようとしたときに。


「あら?魔法の制御をミスってしまったわ」

「うわー!」


明らかに騎士を狙った魔法が直撃する。そんな少し混沌とした訓練場で剣の素振りをしていたリオンに一人の騎士が話しかけてきた。


「り、リオン様、すす、少しよよよよろしいでしょうか?」

「うん?どうしたの?」


めちゃくちゃキョドリながら話しかけてくる一人の騎士。


「「「(あいつ、いつもめっちゃ影の薄いやつだ!)」」」


そう、己の影の薄さを活かし混沌とした醜い争いを抜けてリオンに話しかけたのである。


「り、リオン様はあああ暗器などに興味はないでしょうか!?」

「暗器?話には聞いたことあるけど見たことはないな~」

「!ここここんなのがあるんです!!」


そういうと騎士の袖からシャキっと針が出てくる。


「え、凄い。どうなってるの?」

「ふ、服の中に仕込んで、とととと特定の動作をす、することで出てくるんです」


そう言って暗器使いの騎士は的に体を向ける。


「そ、そして暗器を投げます」


無造作に手を振ると針はまっすぐ飛んでいき、的のど真ん中に突き刺さる。


「おぉ~!」

「こ、このような感じで体中に暗器を仕込んで、状況に応じてつつ、使い分けていくんですすす」

「面白そう!教えて貰える?」

「ぜぜぜぜぜひ!お教えしましょう!!!」


その後暗器の出し方や投げ方を教えてもらうリオン。


「じ、実は腕だけじゃ無くてああ足にも仕込んでお、置けるんです」


足を的に向かって振ると暗器が飛び出し的に直撃する。


「おお~、やってみたい!」

「はい、分かりました。」


その後、暗器の扱いを一通り教えてもらい満足したリオンが剣の訓練だけに戻ろうとすると数多くの騎士がリオンの元に殺到する。


「リオン様!次は弓とかどうでしょうか!?」

「短剣こそ、至高」

「斧はいいですぞ~、切って薙いで引っかける!」

「リオン様、拙者と一緒に刀の道を歩きましょうぞ!」


騎士に取り囲まれて色々な武器をお勧めされリオンは少し面を食らった表情をする。


「う~ん、どれも面白そうだから順番にね?」

「「「分かりました」」」

「まずは弓から習おうかな、弓兵の人。お願いします」

「はい!まず弓を射る時なのですが...」


こうしてリオンは様々な武器を習得していく。そんな日々が過ぎたころヴィンセントにそれがバレた。


「リオン、最近剣以外の武器も習ってるらしいな」


夕食の席でヴィンセントに問われる。


「うん、みんな色々教えてくれるんだ~」

「何を教えて貰ったんだ?」

「弓に短剣、斧、槍...後は暗器とかかな?」

「・・・そうか、これは話し合いが必要だな」


次の日訓練場に騎士達を集め、ヴィンセントが話をしようとしていた。


「あ~、お前らにちょっと話がある」


いつもより真剣な表情のヴィンセントに騎士たちの間で緊張が走る。


「(やっべ、何かやらかしたか?)」

「(連帯責任で全員怒られるやつかな?)」

「(真剣な表情のヴィンセント様まじイケメン)」


騎士たちも真剣に話を聞いていたが、誰一人としてなぜ集められたのか分かっていなかった。


「最近、お前らがリオンに他の武器の使い方を教えてるとリオンから聞いた」

「「「(あ~、それか~)」」」

「確かに剣で他武器と摸擬戦するのは良いことだ、実際に戦ってみないと分からないことがある」


実際にリオンは色んな武器を習いながら、剣で摸擬戦も騎士たちと行っていた。


「その過程でちょっと武器を教えるくらいはいいだろう、でもな?お前らリオンに教えすぎだろ!!」


ヴィンセントの考えとしては、少し武器を習っている程度だったが実際リオンに聞いてみれば、数多くの武器で本格的な稽古を行っているという。


「弓に斧、槍に短剣果ては暗器まで教えてる教えたそうじゃないか!誰だ暗器なんかリオンに教えたやつは!!まぁ、リオンは武術に才能があるから教えたことをどんどん吸収していく、だから面白くなって教えが過熱するのは分からんでもない」


ヴィンセント自身も技を吸収していくリオンに面白くなりどんどんと教えた過去があるのでここまでは分かると言う。


「だが教えすぎだ馬鹿ども」


そう、騎士たちは教えすぎなのである。


「誰だ一子秘伝の奥義とか教えたやつ!一子秘伝じゃないのかよ!」

「はっ!リオン様は我ら無双流の後継者にふさわしいと思いますのでお教えしまいた!」

「誰が後継者だ!リオンはやらんぞ!!」

「そ、そんな~」


騎士たちの間でえぇ~?という声が上がる。


「まったく、そんな色々教えてリオンの剣に変な癖が付いたらどうするんだよ...」

「失礼ながら、リオン様の剣技は衰えるどころかさらにキレを増しております」

「...そうなのか?ちょっとリオン呼んでくるわ」


そういいリオンを呼びに行く。


「あれ?今日の訓練ってもう少し後じゃ無かったっけ?」

「あぁ、訓練前にリオンの剣術がどれくらい上達したか見たくてな」


そんな事を話しながら訓練場に戻る。


「良しリオン、まずは普通に素振りしてみてくれ」

「は~い」


リオンが剣を振り始めると以前見た時より明らかにキレが上がっていた。


「...次は覇断流の型を」

「は~い」


覇断流の型についても問題なく振ることが出来ている。


「最近騎士たちに武器を習ってるって言ってただろ?それも見せてくれ」

「う~ん、じゃあ槍から」


そうしてリオンは習った武器を順々に披露していく。

それをみたヴィンセントは驚愕する。


「(おいおい、どれも剣と同じくらいの練度じゃないか...)」

「...っと、こんな感じかな?」

「そうか。リオン、他の武器をこれからも習いたいか?」

「ん?うん、面白いし習いたいかな」

「分かった、お前ら!今回は剣に弊害がなかったからいいが次はないからな!!」


この一件でリオンに他の武器を教える許可がヴィンセントから出たのであった。




読んでいただきありがとうございます!


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