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前編

 ──ヒマリ、心をこめて紙ヒコーキを投げるんだぞ──


 小学一年生だった私の頭を撫でながら、大好きなお父さんが優しく笑ってくれる。

 ここは紙ヒコーキ神社っていうんだって、今は亡きお父さんが教えてくれた。

 神社で売られている朱印の押された紙に、お願いごとを書いて飛ばすと、願いが叶うんだって。


 ──ヒマリの願いは、絶対に、絶対に叶うからな!──


 それから私は、ここに来たときはいつも同じお願いごとをしてる。

 まだそのお願いごとが叶ったことはないんだけど……


 天国のお父さん、心配してるかな。

 お父さん、私、今度転校することになったよ。そこでは私の願いが叶うように、自分からがんばるからね!


 そう思いながら、私はまたその神社で紙ヒコーキを飛ばした。

 お願いごとを書いた紙ヒコーキは高く飛んで、ぱさりと境内の一角の、紙ヒコーキ専用置き場にゆっくりと着陸した。




 ***



 確かにがんばろうって思ってたんだけど……

 どうしてこんな素敵な人が、私の作ったしがない同好会に入ってくれたんだろ?


 黒くて艶やかな髪、高い身長、二重でありながら切れ長のキリッとした目に、しなかやかな腕の筋肉。

 私は目の前の美形スポーツマン男子を見ながら、首を傾げていた。


 ここは私立藤咲台大学付属高等学校で、私たちは今、二人っきりで放課後の教室にいる。

 中高一貫教育でお金持ちの通うこの高校に私が編入してきたのは、先月のこと。

 奇跡的に編入試験に受かったのはいいけど、私には藤大の授業は難しすぎてついていけなかった。

 しかも中高一貫教育だから、高校一年なのにすでに仲の良い人たちが固まってしまっている。部活動にしても同じ。

 だから、私は作った。『紙ヒコーキ同好会』なるものを!


 それに入ってくれたのが、目の前にいる美形スポーツマン男子……一星(いちほし)輝良(きら)くんだった。


「お、これ結構飛びそうな気がするなぁ」


 いろんな厚さやサイズのコピー用紙や折り紙を、楽しげに折っている輝良くん。


 結局私の作ったこの同好会は、輝良くんしか入ってくれかった。だから同好会の規定人数には到達しなかったんだけど、彼はこう言ってくれた。『二人で活動すればいいよ』って。

 学校非公認の紙ヒコーキ同好会は、月水金の放課後に空き教室を使って活動してる。


「よっ」


 教室の中で投げた彼の紙ヒコーキは、グングン伸びて教室の壁にぶつかって落ちた。


「結構飛ぶ! ヒマリ、ちょっと外で飛ばしてこないか?」

「うん、行く!」


 輝良くんが鞄を持って立ち上がったのを見て、私も同じように作った紙ヒコーキと鞄を持って教室を出る。


「校外で飛ばすか。この間は校庭で飛ばしてて怒られたもんな」

「そうだねー。河原なら大丈夫かなぁ?」

「だな。行ってみるか」


 河原は裏門の方が近い。私は輝良くんの隣に並んで裏門を目指した。途中の第一体育館の周りには、何人かの女生徒が中を覗いている。


「あ、輝良くんだ」


 そのうちの一人が輝良くんに気づいて、声を上げたのが聞こえた。私はちらりと隣の輝良くんを見上げる。


 輝良くんって、結構有名人っぽいんだよね。

 中学からずっとバレーやってたみたいだし、同好会のないときはバレー部に行ってるみたいだし……。


 同じ高校一年生なのに、一八一センチあるって言ってた。きっとまだ成長途中で、これからも伸びるんだろうなぁ。

 そんなことを思いながら体育館を通り過ぎようとしたとき、体育館の中から一組の男女が飛び出してきた。


「「キラ!!」」


 二人のハモった声で呼び止められた輝良くんは、ゆっくりと振り返ってる。


晴臣(はるおみ)寿々音(すずね)……」


 バレーボールを一つ抱えた背の低い男の子と、バレーのマネージャーらしき女の子の姿が、そこにはあった。


「キラ、あんたねーー、今日もバレーサボる気なの!?」

「寿々音、やめろって。月水金以外は来てるだろ」

「けど晴臣……っ」


 晴臣と呼ばれた男の子が、寿々音という女の子を制してる。寿々音さんの方はむうっと口を尖らせて、不服そう。


「キラ、今日だってそっちが終わったら、途中からでも入ってきていいんだからな。みんな、待ってるからさ」


 チームメイトであろう晴臣くんがそう声を掛けてたけど、輝良くんはなにも言わずに裏門を目指して歩き始めちゃった。私はどうしようかと迷った結果、晴臣くんと寿々音さんにペコリと頭を下げてから輝良くんを追いかける。


「よかったの? 輝良くん……」

「いいよ。別に俺、レギュラーじゃないし」

「一年だったらレギュラーじゃないの、当然なんじゃ……」

「さっきの晴臣は、同じ一年だけどレギュラー確定だから」

「そうなんだ……」


 レギュラーでないなら、なおさらちゃんと練習に出た方がいいんじゃ?

 そう思わないでもなかったけど、どこか機嫌が悪いような気がして言葉には出せなかった。


 河原に到着した私たちは、気を取り直して紙ヒコーキを飛ばして競い合う。幸い無風で、紙ヒコーキは自由に空を翔けていた。


「おー、今までで最高の飛距離!」


 自分で考えて折った紙ヒコーキを遠くまで飛ばせると、気持ちがいい。輝良くんもさっきまでの表情とは一転して、明るい雰囲気でほっとなる。


「輝良くんのそれ、すごく飛ぶね! 私にも折り方教えて!」

「これ? どうやって折ったっけっかなぁ」


 二人で河原に腰を下ろして、教科書を下敷きにまた紙ヒコーキを折る。ぽかぽかと暖かい日差しの下で過ごす、のんびりとした時間。

 でも気になるのは、輝良くんがこの同好会に入ってくれた理由なんだよね。


「ねぇ、どうしてこの同好会に入ってくれたの?」


 わからなかったから、私は直接聞いてみた。

 輝良君は元々バレー部で、今もそっちに所属してる。なのに月水金は、必ず私に付き合ってくれている、その意味がわからない。


「じゃあ、どうしてヒマリはこの同好会を作ったんだ?」

「それは……友達が欲しかったから」


 私は正直に話した。

 私の実の父親は出勤中の事故に巻き込まれて、私が九歳の時に亡くなってしまったこと。

 女手一つで私を育ててくれたお母さんが、最近再婚したこと。お母さんの再婚相手は、たくさんの会社を経営してる社長でお金持ちだった。

 新しいお父さんはいい人だけど、義理とはいえ娘が程度の低い高校に通うのは、体裁が悪かったんだと思う。

 藤咲高校に編入してほしいと言われて、それが新しいお父さんとお母さんのためならって思ったから、反対せずにここへはきた。


「けど、すでに仲の良い子同士で固まってるし、どっかの社長令嬢やらなんらやらの集まりで、馴染めなかったんだぁ……」

「ヒマリも社長令嬢だろ?」

「でもずっとただの一般人だったから。輝良くんのお父さんだって、一星ホテルグループの社長兼CEOなんでしょ?」

「ホテルグループって言っても三軒しかないビジネスホテルだし、周りに比べたら大したことないよ」


 いや、充分に大したことあると思うんだけど。


「さっきの晴臣は〝速水(はやみ)皓月(こうげつ)〟の跡取り息子だし」


 ひえ、超老舗で有名和菓子店の跡取り?!


「寿々音は世界的に有名なアパレルメーカーの社長の娘だし」

「ひゃ〜……なんか、本当に違う世界にきちゃったんだな、私。友達ができないわけだ」

「俺は?」

「え?」


 輝良くんを見上げると、少し意地悪く笑っている。


「俺も、ヒマリと友達になりたくてこの同好会に入ったんだけど」

「そうなの? 嬉しいけど……でもどうして??」

「んー、一人で必死にビラ配りしてる姿が、かわいそうで?」


 ああ、なんだ、同情かぁ。


「でも、それだけで入ってくれるなんて、輝良くんはやさしいね」

「それだけじゃないけどな」


 私を映していた瞳が、ふいっとどこかに飛んでっちゃった。

 それだけじゃないって……やっぱあれかな。バレーに行きたくないからかな。

 でも、月水金以外は行ってるって晴臣くんって子が言ってたし。行きたい気持ちと行きたくない気持ちが、混ざっちゃってるのかもしれない。

 きっと、そんな時に私の同好会を知って、ちょうどいいと思ったんだろうな。やめたくなったらすぐやめられる、あってもなくてもかまわないこの同好会が。


「どうしたんだ?」

「ううん、なんでもない!」


 多分私は、輝良くんに利用されただけ。友達とは多分まだ言えない関係。

 それでも輝良くんにとって、ここが息抜きのできる場所になればいいなぁって思う。


「お腹すいたな。暑いし、どっかに入ってなんか食べていこうか」

「うん!」


 私たちは紙ヒコーキを片付けると、輝良くんがよく行くっていう雰囲気のある喫茶店で、ケーキとアイスコーヒーを奢ってもらっちゃった。



 ***



 平穏に同好会活動を送れる幸せ。

 同情でも、輝良くんが友達のように振る舞ってくれたのが嬉しかった。私、本当は……前の学校でも友達と言える人なんて、いなかったから。

 ううん、つい見栄を張ってあんな風に言っちゃったけど、本当は今まで一人だって……


「ヒマリ」


 放課後になると、同好会のある日はいつも輝良くんの方からやってきてくれる。

 今日も一緒に紙ヒコーキを……と思ったところで、制服姿の晴臣くんがやってきた。


「北条さん、ちょっとこいつ借りてもいい?」


 北条さんって、未だに呼ばれ慣れないなぁ。新しいお父さんの苗字なんだけど。

 晴臣くんの問いに頷こうと思ったら、その前に輝良くんが口を開く。


「なんだよ。ここで言えよ、晴臣」


 う、輝良くん機嫌悪そう……。

 晴臣くんは少し言葉を噤んだあと、息を吐くように言った。


「そろそろ出てこいって。週に三回も休むとか、さすがにチームに見放されるぞ」

「別にいいよ」

「よくないだろ! 頼むから、いい加減に機嫌直してこいよ! わかったな!」


 晴臣くんはそれだけ言って教室を出てっちゃった。輝良くんは、むすーっとして機嫌が悪そう。


「えっと……今日は同好会はやめとこっか……? ここにいても紙ヒコーキを折るだけだもんねぇ」

「ヒマリは、そんな程度の気持ちで同好会を立ち上げたわけ?」


 その言葉は、責めるようには言われなかった。

 紙ヒコーキ……実は昔、お父さんと一緒に〝紙ヒコーキを飛ばす会〟に入ってたんだよね。地域の行事みたいなやつがあって、そこでお父さんの作った紙ヒコーキがすごく人気だった。

 人のいいお父さんは、ニコニコしながらみんなにその紙ヒコーキの折り方を教えてあげていて。

 翼が広くて、飛ばすとゆっくりゆっくり旋回して降りていくその紙ヒコーキを折りたかったけど、折り方を忘れちゃったんだ。

 何人かに聞いて回ったんだけど、もうその折り方を覚えてる人はいなかった。似たような折り方はネットで見つけたけど、ちょっと形が違ったり挙動が違ったりで、納得できなくて。

 この紙ヒコーキ同好会で、お父さんのあの紙ヒコーキを再現したかったんだよ。友達と、一緒に。

 そうしたら、本当の友達ができるような気がして。


 私が黙っていると、輝良くんはふっと目を細めて笑った。


「いるよ、ここに。心配しなくていいから」


 そんな風に優しい声で言われると嬉しくなっちゃう私。単純だなぁ。


「輝良くんも、心配しなくていいからね!」

「え?」

「よくわかんないけど、バレーに行きづらいんでしょ? ここにいたいなら、ずっといてくれても大丈夫だよ。私、追い出したりはしないから」

「……うん、助かる。俺の居場所、もうここだから」


 わぁ、輝良くんめちゃくちゃに嬉しそうに笑ってくれてる。

 そんな顔もできたんだ。私が笑顔にさせてあげられたんなら、嬉しいなぁ。

 なにがあったかはわからないままだけど、部活だけがすべてじゃないと思うし、無理する必要なんてない。逃げる場所だって必要だよね、きっと。

 私が輝良くんの安心できる場所でいてあげられたら、それでいいんだ。昔、私がいじめられていた時、お父さんがそうしてくれてたように。


「よぉし、紙ヒコーキ折ろう、輝良くん!」

「ああ」


 嫌なことがあった時、つらいことがあったとき、紙ヒコーキを青い空に飛ばすと気持ちが楽になる。

 私だけかもしれないけど……輝良くんも、同じだといいな。


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