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第1話 使徒襲来

「へっぽこ師匠ご苦労さまです!」


「ありがとう。いつもすまないねぇお茶頂きます」



あたしの名前はへっぽこ亭へっぽこ。芸歴50年のでぇベテランでさ。まったく売れちゃあおりませんがいいんですよ。あたしゃこうやって寄席で前座さんが入れてくれたお茶を飲んで、落語喋って、幸せなんですから。それがねぇ…あんな事になるなんてねぇ…



「へっぽこ師匠ホントにいい人だよなぁ」


「だよな!いい人だ!ホントいい人なんだけど…落語つまんないんだよなぁ。ホントいい人なんだけど落語つまらないんだよなぁ。糞つまらないんだよなぁ!それに引き替え…」


「おい!前座!俺様に飲み物が出てねぇだろッッ!なにやってんだッッ!」


「うわぁー悪太郎師匠だよ。いつも怒ってんだよなぁ。飲み物出せったってあれ中身発泡酒だぜ!楽屋は飲み屋じゃねぇっうの!…でもさ売れてんだよなぁ。芸と人間性は両立しないのかねぇ」


「おう!へっぽこ兄さんッッ!俺この後落語会2本とラジオの収録と雑誌の取材の後、タレとおいしい約束があっからよッッ!だから短く降りてくっから後頼むわッッ!」


「えっ!あぁそうですかい分かりました…」


「いいんですかへっぽこ師匠?まだ次の出番の芸人誰も来てませんが…」


「大丈夫ですよ。あたしもね売れちゃいませんが、それなりに長い事やってますから、なんとかやってみます」


「すいませんありがとうござ…あっもう降りてきちゃいましたよ!まだ5分もやってないじゃないですかー!じゃあ宜しくお願い致します!」


「えっ?もうですかい?分かりました宜しくお願い致します」



そう言ってあたしゃ古典落語の時そばに入ったんです。なるべく時間を繋がなきゃいけないってんでいつもより多めにそばを手繰りました。



「ズルズルはぁーうめぇそばだねぇ。ズルズル…もうそろそろかな?」


「師匠!まだお後が来てません!もっと引っ張って下さい!」


「まだかい…ズルズル…はぁー美味いねぇ」


「…おいおいおい!さっきから長ぇ事そば食ってるけど、どんだけでけぇ丼でそば食ってんだよ!大丈夫かよこの落語家!」


「師匠まだです!もっと!もっと!繋いで下さい!」


「もっとったって…さすがにこれ以上は…そば屋さんオカワリ!」


「オカワリしちゃったよ!どーすんだよこの後!」


「ズルズルズルズルズルズル…ゴホゴホ…ズルズルズルズル…うめ〜…ズルズルズルズル…うめ〜ゴホゴホ…ズルズルズルズル…












5分後…











ズルズル…うめ〜…ズルズ…おや?ここはどこだい?さっきまであたしゃ寄席の高座にいたはずなのに…」


「お待ちしておりました勇者様」


「止せよー何言ってんだいお前さんは!新しく入ったタレ前座さんかい?それとも誰かのタレかい」


「そんな事より早くこっちに来て下さい!」


「おいおいおい!そんなに強く引っ張らないで下さいよ。あたしゃ足が悪いんだからって…」


ドスン!


「ほらごらんなさい!転んじゃったじゃありませんか!…ん?この手の中にあるこの感触は…もしや……」


続く…

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