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43 ダイケイブへ




 昨晩見た夢を思い返す。奇妙な夢だった。夢の中で俺はシンと会っていた。あれは、本当に夢だったのだろうか。


 身支度をすませ、家を出ると、ちょうど母屋からタリアとタータが出てきた所だった。


「プッピ、おはよう!」タータが元気に挨拶した。


「プッピ、タータを頼むわよ。できるだけ危ない目に遭わせないようにね」タリアが言った。


「ああ、わかっている。必ず無事で返すよ」俺はタリアに言った。俺には、魔除けアプリがある。ダイケイブで魔物と遭遇することはないだろう。大丈夫だ。




 タータと二人で馬車に乗り、東の詰所に向かった。


 詰所には、すでにラモンとマケラが来ていた。




 我々は二頭の馬に乗り出発した。俺はラモンの後ろに乗せてもらい、タータはマケラの後ろに乗った。


 東の森の入り口で馬をつなぎ、そこからは徒歩だ。森を抜け、ヤブカラ谷に入り、長い一本道を通り抜けた。そして、ダイケイブの入り口に到着したのは、その日の午後だった。




「とうとう、またここに入るんだな」ラモンが言った。


「今のダイケイブはザウロスが手引きをしていない、ただの坑山迷路だ。魔物がいたとしても、雑魚だけだろう。大丈夫、無事に目的を達成できるさ」マケラが言った。


「杖を見つけ出せるかどうかは、タータにかかっている」俺は言った。


 タータはスゥッと鼻から息を吸い込み、「大丈夫よ。任せて」と言った。




 そして我々は松明に火を灯し、ダイケイブの内部へと入って行った。マケラとラモンが松明を持った。そして、後に俺とタータが続いた。




 俺は、以前にも使用したダイケイブの地図を取り出し、地図をみながら、前列の二人に指示を出していった。


 坑山迷路の中を、左へ右へ、上へ下へと、奥深くまで進んでいった。


 魔除けアプリの効果も出ているようで、魔物と遭遇することは全くなく、俺達は進み続けることができた。


 歩き続けること何時間経過したろうか。


 地下二階で、少しずつ低く狭くなってきていた坑道だったのが、突然ぐっと開けた広間のような場所に出た。


 五十メートル四方はある広間だ。


 俺とラモンは苦い記憶を思い出していた。以前ここまで来たときに、レッドアイとオークの待ち伏せに遭ったのだ。




 そして、今日も、ここには待ち伏せている魔物の影があった。グルルル……とうなり声が響いた。広間には、一匹のオークが立ちふさがっていた。


「いよいよ出くわしたな」ラモンが言い、弓を構えた。


 オークは錆びた剣を握りしめ、こちらににじり寄ってきている。


 マケラが剣を抜いた。


「プッピ、タータ、下がっていろよ」




 勝負は一瞬で決まった。


 ラモンが目にも止まらぬ素早さで矢を二度射った。二本の矢は、オークの胸に突き刺さった。そして次の瞬間にマケラが飛び出し、剣を縦一文字に振り払った。

 

 そして、次には、なんとタータが何やら呪文を唱え、杖の先から炎の玉を放った。炎の玉はオークの頭部目掛けて飛んでいき、オークは火に焼かれた。


 ラモンとマケラとタータの攻撃をいっぺんに受けたオークは、反撃する隙もなく、苦悶の声をあげて倒れ、息絶えた。




「やったわ!」タータが手を叩いて歓声をあげた。


「ラモン、タータ、よくやった」マケラがラモンとタータの肩を叩いて称賛した。


「いや、皆すごかった。オークは何もできずに死んだじゃないか」俺は言った。


「攻撃系の魔法も使えるとは……恐れ入ったよ」マケラがタータに言った。


「覚えたばかりの魔法よ! 実践できて良かったわ」タータが得意気に言った。




 我々は、オークが完全に息絶えたのを確認してから、広間を突っ切った向こう側にある扉を開けて先に進んだ。


 扉の向こうは長い階段だった、我々は階段を降り、そのまま道なりに進み、いよいよ地下四階へと歩を進めた。




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