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決着の場へ

そして早くも日曜日。


私とタカはもと居た定宿に帰っていました。

中田さんは明美ちゃんとバリへ逃げちゃいましたが、私はもうこの問題をとにかく今日中に終わらせてやろうと思っています。


プラーから荷物を受け取ったら、その足でチェンマイに配送するつもりですので、機動力が必要です。


そこで私はこの界隈に巣食う雲助タクシーのボス、チャトゥチャイに助けを求めました。


彼は50歳くらいの見るからに怪しげな男で、この辺に泊まる観光客をいかがわしいところに案内しては、法外な料金を要求する悪質タクシー(ガイドブックで要注意とされる輩)を仕切っている人物ですが、私や中田さんとは非常に仲がよく、機動力が必要なときには助けてもらっているのです。


「オーケー。トミーさん。プラーに会うのかい?ありゃ怖い女だね。トミーさん、あの女には気をつけたほうがいいよ」


「うん、ありがとう。でも中田さんが話は付いたって言ってるから、大丈夫だと思うよ・・・・」


・・ワハハハハ!!チャトゥチャイが笑いながら


「トミーさん、本気かい?本当にちゃんと話が付いていて大丈夫なら、ナカタが自分で行ってるぜ。もっともトミーさんも知っての通り、ナカタは小心者だから取り越し苦労かも知れんがね。まあ、一応気をつけることだな」


・・・チャトゥチャイまでそう思うのか?やはりプラーに会うのは危険なのか?・・なあ、みんなして僕をビビらそうとしてない?


「タカ。あとは荷物取りに行くだけだから今日は別についてこなくてもいいよ。チャトゥチャイも一緒だし」


「冗談じゃない。師匠ひとりで行かせられますか。大体、ここまで人を巻き込んどいて、肝心なときに置いて行かれたんじゃ、気になってしょうがないじゃないですか」


・・・タカくん。最近君は師匠の言うことに「押忍」で従わなくなっているが。


チャトゥチャイのクルマでピーチャイの店のあるマーケットまで。駐車場が混んでいますので私とタカは路上で降ろしてもらい、チャトゥチャイには一時間後にもう一度回ってきてもらうことにします。


そこからピーチャイの店までは歩きます。ここのマーケットは日曜日ということもあり、かなりの人が出ています。


「タカもみんなも心配するけど、待ち合わせ場所がピーチャイの店だぜ。いくらプラーでもそんなところで揉め事を起こすわけ無いだろう」


「まあ、そう言えばそうかもしれませんね。兄貴の商売しているところでめったなことは出来ませんからね」


タカも人手を見て少し安心したようです。


「おお、あった。あそこだ。あれが前の僕らのお店だったところだ」


お店はすっかりジーンズショップに模様替えされています。

店内には古着のリーバイズがところ狭しとぶら下がっています。


「サワディーカップ!トミーが来たぞ!」と、その店内に声をかけます。


「トミーさん!ひさしぶりですね。ようこそ」


見覚えのある、15~16歳くらいの少年です。


「おお、ティーか?ここで働いてたんだ!」


ティーはプラーの親類かなにかで、弟分のようなものですが、私たちのお店で働いてもらっており、何かと私になついておりました。


しかし・・私には別に男色の気はないのですが、なぜか女店員は中田さんにくっつき、私は男の子にばかり、なつかれるんだよなあ。。問題だ。


「ティー。ピーチャイはいるかい?」


「ピーチャイはいません」


「ああそう。何時に戻るのかな?」


「いえ・・・今日は戻りませんけど。昨晩からカンボジアに行ってますから早くても明日じゃないでしょうか」


・・・え!どうなってるんだ??間に入ってくれているはずのピーチャイがカンボジアに??


わけが分かりませんが、いまさらどうしようもありません。


「ティー。10時にここでプラーと待ち合わせているんだ。まだちょっと早いようだから、店で待たせてもらうよ」


「わかりました。そこらのイスにかけて待っててください」


タカと私は店内のイスに座って、プラーを待つことにします。


しかし・・・それから待つこと40分。お店には10分前に着きましたので現在10時30分ですがプラーは現れない。。



「ティー!プラーはまだか?ちょっと電話してくれ」


「はい。今すぐに!」


ティーが電話します。


「あのう、トミーさん。今家を出たところだそうです」


「なにい!!あのク○アマ!早く来いと言え!!」


何気に私も気が立ってきました。大体私だけが何でこんな目にあわなきゃいけない?中田さんはいまごろバリで、明美ちゃんとバカンスを楽しんでると言うに!!


もっとも、もっと関係ないタカはさらに気の毒ですが。。




20分後。ティーの電話が鳴りました。


「トミーさん。プラーが着いたそうです。荷物が多いから駐車場まで取りに来て欲しいそうです」


「よし!わかった。どこの駐車場だ?」


「このつきあたりの建物の裏手の駐車場です」


「ティー。もう少ししたら、僕らの運転手がここにくるから、そっちに回るように伝えてくれ」


「はい。わかりました」


ようやくプラーと最終決着です。


「タカ!行くぞ」


「押忍!!」


ふたりそろって立ち上がります。


私は神経がピリピリしてきていますが、タカはいつになく引き締まった顔になっています。

ふと見るとタカはいつものサンダルではなく、スニーカーを履いています。


・・・用意は出来ていると言うことか。。


実は私も今日はスニーカーです。


・・さすがに我が弟子よ。


タカは言われなくても、ちゃんと心得が出来てるなあ。。。。逃げるときの。

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