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列車内での出来事3

「タカっ!どうした!」


声をかけながら私とプレディーが歩いて行くと、タカと揉めている男たちはこちらに目を向けました。


敵の加勢が来た事でやや怯んでいるようです。


プレディーはシンハラ語で何か怒鳴りながら男たちに詰め寄ります・・もうはじめからケンカ腰。

・・・こいつもタカに劣らずアブない性格かあ。。


「師匠!この野郎、オレが便所の順番待ってたのに、割り込んで入ろうとするんですよ。引きずり出してちょっと小突いてやったら仲間が絡んで来て・・」


・・・タカ。。お前がちょっと小突いたと言ってもコイン曲げる奴のパンチなんだから。。 完全に倒れてるだろ!そいつは。


「それより師匠!オレ腹がヤバいっす。もうこいつらやっちゃっていいっすか?」


「やらなくていい。早く便所に入れ。あとはこっちで何とかするから」


「押忍。じゃマジヤバいんで頼んます」あわててトイレに駆け込みます。


・・・さて、どうしよう。


見ると現在プレディーが口げんかではやや優位にたっている模様。


「よし、プレディー。下がれ。僕が話しするから」


と言って男たちに歩み寄ります。

・・・こいつらちょっとビビってるな。何とかなる。


「なあ、あんたら。こっちの連れが暴力をふるったのは悪いけど、話を聞くとあんたらの連れにも落ち度があるよ。そこで相談だけどまあ慰謝料として彼に100ルピー、それとあんたらにも100ルピーづつ払うよ。それで水に流してくれないか?」


プレディーがケンカ腰だったので私の提案は彼らには意外だったようです。

ふたりは顔を見合わせて何か相談を始めました。


するとプレディーが

「シショー!こいつらもっと払わせようって言ってます!」


「おい!あんたら。いいかげんにしろよ」と言って私はトイレのドアを指差します。


「こいつが出てきたらこの話は終わりだよ。もう止められないから」


「う・・わ、分かった。3人で300で手を打つよ。だからそいつらにはもうこっちにかまわないよう言ってくれ」


話はまとまりました。


「OKだ。ちゃんと言い聞かせておく」


300ルピー手渡すと、男たちはうずくまっている仲間を引きずり起こして、サードクラスの車両に戻っていきました。



「あれ、もう終わっちゃったんですか?さすが師匠。早いっすねえ。。」


トイレから出てきたタカがのんきなことを言ってます。


「ばか。慰謝料払って納めてもらったんだよ。スリランカまで来てケンカする奴があるか」


「え?え!慰謝料?な!そんなもん払う必要ないっすよ。の野郎。オレが今から行って逆に向こうからカネ取ってきます」


「・・・ったく!いいから!早く席に戻れ!」



「いいかタカ。お前ももう二十歳過ぎたんだから、いい加減すぐ暴力ふるうのやめろ。いきなり殴ってどうするんだ」


師匠としてはやはり説教せねばなりません。


「でも師匠。今のはあいつが悪いんだし、こっちも切羽詰ってましたから」


「だからって何も殴らなくても、胸倉掴んで脅すとか壁に押し付けるとか、色々あるだろう?」


・・・ん?私もなんかヘンな事言ってるなあ。。



「とにかくだ。スリランカなんて銃やナイフ持ってる奴なんかゴロゴロいるんだから、そんなことやってたら命がいくつあっても足りないよ。以後気をつけなさい」


「押忍!」


・・・とりあえずトラブルは収まったものの・・このタカの性格、いったいどうやって直せばいいんだろう。。。 

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