僕らの世界『書き直し』物語
ほんのの思いつきで書いた物語です。
プロローグみたいに書きました。
もし、好評でしたら続きを書こうと思います。
よろしくお願いします!
コメントお待ちしております
今まで16年生きてきた。
僕らは昔からよく遊んで、よくスイとケンカして、ルナが仲裁に入ってくれて、すぐに仲直りして。
そんな日々を過ごしてきた。
高校はみんなバラバラになってしまったけれど、僕らの繋がりは切れないものだった。
月に1度はよく話した。昔のようにケンカはしなかったけれど、昔と似たような生活だった。
この毎日が、とても好きだった。
この毎日が普通だと思っていた。
けれどそんな毎日は、理不尽によって殺された。
ルナが、スイの誕生日のプレゼントを買いに行った時、テロにあって、死んでしまった。
テロリストは5人のグループで、爆弾や銃、ロケットランチャーなど、色んな武器を使って暴れまわり、その被害にあった。
テロリストのリーダーは、
「誰でも良かった。なんでもよかった。ただただこの世界を壊してやりたかった。」
と叫んでいるのがニュースでわかった。
それを知った時、怒りと悲しみが混ざって、
死のうと思ってしまった。
けれど、
「それはルナを想うと、違うよ。」
と、スイが教えてくれた時、心が落ち着いた。
それから1週間、僕らは『無』だった。
そんな僕らを『生』に変えてくれたのは、
急に僕らの前に出てきた、神だろう。
正確には神“候補”なのだが…………
「こんな世界。」
ここは薄暗くて湿っぽい。
けれど何故か心地がいい。
ーなぜ、動物を殺さなければ生きていけないのだろうか。
なぜ、自然災害なんて起きてしまうんだろうか。
なぜ、人は死ぬのだろうか。
それの答えは分かっていた。
ーーそれが世界だからだ。
僕らは少しずつ前へ進む。
ーー大人は誰も考えようとしない。
「スーパーヒーローになって人を助けたい。」
「タイムマシンを作りたい。」
「魔法を使って見たい。」
そんな夢は昔に捨てて、今を現実的に生きている。
生きて、生きて、生きて、
それに夢中になりすぎて、幼い頃に考えた夢を捨てる。
こんな難しい世界なんて。
生きるのが難しい世界なんて。
あの娘がいない世界なんて。
===さぁ消し去りましょう。そして書き直すのです。
怖いけれど。
ここで暗くなるのは怖いけれど。
2人で決めたことなんだ。
隣のスイが、手を握る。きっとこいつも怖いんだろう。
俺も握り返す。
俺の右手とキラの右手が繋がったまま、
「さぁ世界を書き直そう。」
僕らはここで、一度この世から消える。