謁見、そしてスキル判明
勇者様方。
目の前の女の子は確かにそう言った。
(まぁ、司に任しとけば大体の事情は聞き出してくれるだろ)
仁は今以上の理解を放棄し、司が全部の説明を聞き出してくれることを信じて、司が行動に移るのを待っていた。
「混乱なさっているでしょう。ご説明いたしますので、どうぞこちらへ」
仁の予想に反し、先に口を開いたのは女の子の方だった。
「皆!なんだかよく分からないが、この子が事情を教えてくれるそうだ。着いて行くべきだろう」
次いで司が口を開く。
(まあ、この状況を理解するためには着いて行くべきだろうね。今までの情報から察するにラノベで定番の異世界召喚とかの類だろうし)
女の子は金属製の扉を開けて部屋から出て行く。全員がそれに着いて行くと、その先は行き止まりであった。
「あの…こちらで合っているのですか?」
心配になった司が尋ねる。
「ご心配なく。ご覧下さい」
そう言って、床を指し示す。指差した先には十人は入れそうな大きさの魔法陣が眩い光を放っていた。
「こちらの転移方陣で王城の方まで来て頂きます。この陣の中へ入って下さい」
(王城?この子、王族なのかな?)
全員が魔方陣の中に入ると、女の子が床に手をつく。すると、魔法陣が輝きを増す。
「それでは転移致します」
言うや否や、またしても仁達は白い光に包まれる。
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今度はかなり豪華な造りの部屋だ。
(1日に何回転移すればいいんだ…まったく。王城ってことはここは所謂謁見の間ってとこかな?ん?部屋の奥の玉座みたいなとこに座ってる爺さんは誰だ?国王とかじゃないだろうな?)
「おお、アリスよ。よくぞ勇者達を召喚してくれた。勇者たちよ、余はこのルサールカ王国の国王をしてあるメロス・ティス・ルサールカという。異世界よりよくぞ参られた」
(やっぱ国王かよ!?あとあの子アリスっていうんだ…じゃなくて!そうか、やっぱり異世界なのか)
「それでは、勇者達を召喚した理由を説明しよう。この世界には5つの種族が居り、6つの国がある。人間族の国のルサールカ王国、フォード王国、アームス帝国、獣人族の国のプラニート王国、魔人族の国のナミア王国、天翼族の国のマイサス王国、龍人族は国を持っては居らぬ。何処かの秘境に暮らして居るとされておるが…そこから出てきた者以外、龍人族を見ることなど全くない。そもそも龍人族自体、生涯に一度見るかというほど希少な種族なのだ。
先ほど述べた魔人族がこちら側に侵略を仕掛けていて、なんとか撃退したものの、次はこう上手くはいかぬ。そこで其方らを召喚させて貰ったのだ。
魔人族を統べる、極悪非道の魔王を討ち果たし、世界に平和を取り戻してくれ!頼む!」
そう言ってメロスは頭を下げた。
ーーーーー嘘だ。
「がっ!?」
突如仁が左目を押さえて膝をつく。
「仁君!?大丈夫?」
雪華が慌てて駆け寄ると、仁は左目を庇いながら立ち上がる。
「大丈夫だ…雪華、ありがとう」
(何だいきなり?嘘って何がだ?どういうことだ?)
「あの…俺達は帰れるのでしょうか?」
仁が立ち直ったのを確認して、司が尋ねる。
「誠に申し訳無いのだが、現時点では帰る方法は無い。其方らを召喚することが決定してから我が国の魔法研究所者達が帰還魔法の研究に勤しんでおるのだが、今のところ研究はあまり進んではおらぬようだ」
嘘。
(ぐっ!?またか!?)
仁の左目に刺すような痛みが走る。
「なんだと!」
「勝手に呼び出しておいて!」
「そんな!父さん…母さん…」
「……帰る方法が無いのは分かりました。しかし、俺達はただの一般人です。戦う力なんてありません」
「その点については心配ない。其方ら異世界人には例外なく強力な力が与えられる。『ステータス』と唱えてみよ。自らの能力が分かるであろう。さらに『閲覧許可』と唱えれば特定の人物にのみ、自らの能力を見せることができる」
各々が口々に『ステータス』と唱える。
(この眼の痛みの原因も何かのスキルなのか?……よし、『ステータス』)
途端、目の前に半透明のガラス板の様なものが浮かび上がる。
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白夜仁
魔力:42/42
スキル:剣術Lv.1
エクストラスキル:闇魔法Lv.1
ユニークスキル:魔眼 眷属化
武器:なし
防具:学生服
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(なるほど、別に口で唱える必要はないのか。ん?魔眼って何だ?他人のステータスとか見れたりするアレか?…タッチしたら詳細がわかるかもしれないな)
そう考えた仁は、魔眼のところに指を運び、軽く触れてみる。
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魔眼
真理を見通す眼。所有者の片目に宿るユニークスキル。
魔力等、本来不可視のものを見ることも出来る。
必要に応じて発動する。任意で発動させないこともできる。
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眷属化
両者の同意のもと、このスキルを行使した対象を使用者の眷属にする。
眷属は、基本的な身体能力が強化され、主人は眷属に自らのエクストラスキルまでのスキルを与えることが出来る。また、与えたスキル、またはその派生のスキルに限り、徴収することも出来る。
更に、眷属の名を呼ぶことにより、眷属の持つスキルを劣化版ではあるものの、使用することが出来る。
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