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第6話 班会議と帰り道

「班長誰にしようね?」

 4班の中に藤堂君がいないことによりキャラ崩壊をしなくて済んでいる野崎さんが言う。藤堂君は落ち込んでいるだろうけど、野崎さんにとっても俺たちにとってもいい環境だ。

「あきっちが一番いいんじゃないすか? しっかりしてるし!」

 尾崎君が自撮りをしながら言う。なぜ今のタイミングで自撮りをしているのか全く理解できない。しかも舌を出してピースしているなんともうざく決めており、いつもに増してうざい。

「押しつけがましいわね……」

「やだなー、あーちゃん。俺はあきっちがふさわしいと思って言っただけっすよー」

 今度は少し困った顔で自撮りをする。なぜ自撮りをしているのか謎だが触れたくない。

 尾崎君の行動は置いておいて、野崎さんが班長というのはまあ妥当だと思う。

 尾崎君と鶴島君は論外だし、俺もまあ除外だろう。渡島さんか野崎さんならどちらでも問題ないとは思うが、班長と考えると野崎さんの方がしっくりくる気がする。

「野崎さんが嫌じゃなければ俺もいいと思うよ」

「そうだね! 野崎さんのように清楚で可憐なしっかり者は班長にふさわしいよ! 最近のアニメで言うならば『死神班長りんりんちゃん』のように……」

 途中から急に入ってきた鶴島君がアニメ(だと思われるもの)について語り出す。面倒くさい事になったと思いつつ、アニメのタイトルが謎すぎて内容が地味に気になる。

「……鶴島はおいていて、秋葉はそれでも大丈夫?」

「うん。ちゃんとできるかは分からないけど頑張ってみるよ」

 柔らかい笑顔を浮かべながら言う。やっぱり優しくていい子だ。

「班長決まったけど……もう解散でもいいのかな?」

「えぇ!? 恋バナしないんっすか!?」

「勝手にしてなさいよ」

「え、じゃあ、あれは俺が小学校6年生の時……」

「やっぱ黙ってなさい。あんたがどんな恋愛してようが死ぬほどどうでも良かったわ」

「あーちゃんひどいっす!」

 漫才のようなやりとりを見ながら実はこの2人仲良しなのかなと思い始める。渡島さんに言ったら殴られそうだけど。

「あの2人、割と仲良しだよね」

 隣にいた野崎さんが、俺にだけ聞こえるぐらいの控えめな声で言う。どうやら同じ事を考えていたみたいだ。

「確かにね。渡島さんに言ったら殴られそうだけど」

「だねー。尾崎君と愛羅は1年生の時クラスが同じだったからそこから割と仲いいんだよね」

 なんだか子を見守るお母さんみたいでほほえましい。高校3年生の女の子にお母さんはさすがに失礼だと思うので言わないが。

「終わった班から休み時間入っていいぞー」

 雑談をしていると、ほとんどの班が話し合いを終えていたことに気づいたのか夏芽先生がクラスの皆に言った。それを聞いたクラスメイト達は各班解散して休み時間に入った。

「じゃあ、遠足の日はよろしくね」

「うん。こちらこそ」

 野崎さんに軽く声をかけて、俺は自分の座席に戻る。


 風神の方をちらっと見てみると自分の席で本を読んでいた。風神のところの班は早くに話し合いが終わっていたようだ。そっちの班はどうだったか聞こうと思ったが、本に集中しているようなので帰りにでも聞くとしよう。

 そう思い俺も文庫本を手に取り読み始める。6時間目が始まるまでそんなに時間はなかったが何もしないのは暇なので少しでも読んでおこう。


 ◆   ◇   ◆


「はい、じゃあHR終わりー。帰るやつは気をつけて帰れよー」

 6時間目が終わり、その後のSHRも終わったので皆帰る準備をする。

「風神。今日は委員会の仕事あるのか?」

「いや、今日はない。一緒に帰ろうぜ」

 風神は部活には入っていないが放送委員をしている。放送委員は委員会の中でも仕事量が多い方で、放課後に集まることもしばしば。風神と一緒に帰る日は意外と少ない。


 今日はその委員会もないと言うことなので一緒に帰る。部活へ向かう人が多い中、まっすぐ下駄箱に向かい靴を履き替える。途中、木野山君が決め顔でサッカー部部室に向かう姿が見えたが全力でスルーした。なぜ彼は常に決め顔なんだろうか。

 靴を履き替え、校門を出て駅に向かう。

「2班はどうだった?」

 5時間目終わりに聞こうと思っていた2班のことを聞く。自分の班のことで精一杯でメンバーすら知らない。

「あー遠足? 藤堂が一緒だからそこそこうるさかったわ」

 苦笑いを浮かべながら言う。確かに藤堂君と一緒だとうるさそうだ。主に野崎さん関連の話で。

「あと蒼井も一緒だな。ぼんやりしてるし要介護な気がする」

 まだ若いのに要介護とはなかなかおかしなことだが、自己紹介の蒼井さんの様子を見ているとそういうのも納得してしまう。放置しておけば何するか分からない。

「雪斗の方も結構濃いよな」

「まあなー。でも野崎さんとか渡島さんはしっかりしてるし、案外なんとかなるかも」

 問題は尾崎君と鶴島君なのだが、こればかりは対策のしようがない。

「それならよかった。楽しい遠足になるといいな!」

 優しい笑顔を浮かべながら風神は言う。

 うーん、やっぱり……

「やっぱり風神は可愛いなー」

「はっ倒すぞ」

「すいません!」

 思わず出てしまった本音を聞くと、優しい笑顔が一瞬にして恐ろしい笑顔に変わる。最近の俺の口が滑る癖をなんとかしなければいけない。


 久々に風神を怒らせた帰り道、少し拗ねた表情を浮かべた風神も可愛いな! と思ったがさすがに黙っていた。

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