8月2日
僕は昨日言われた通りの時間到着するように商店街の角へ向かった。今日は文化祭の準備は無く家から直に向かった。本当に彼女は待っているのだろうか。しかしその心配は無駄なものであった。
「彼女を待たせるなんてだめな彼氏ですね!普通は先に来て彼女を待っているものですよ!」
開口一番に怒られた。彼女の言い分も分からなくはない。だが、冗談なのか分からないような告白をしてきた人に大声で怒られたくはない。世間体も考えていただきたい。
「とりあえず最初はカフェにでも行きませんか。」
彼女も今日は私服で来ていた。彼女も家から来たのだろう。僕は彼女に連れられて商店街にあるカフェに入っていった。
彼女の名前は『忍崎 栞里』学年は僕より一つ下。部活には所属していないものの足の速さは陸上部に勧誘される程であり、まさに帰宅部のエースである。好物はカフェラテ。うまく付き合わされたのである。当然ではあるが、なぜ告白してきたのかも聞いた。詳しくは教えてもらえなかったが、
「一目惚れみたいなものです。付き合いたいので告白しましたがいけませんか。」
と言っていた。なぜ彼女は僕に対してこんなにも高圧的なのだろうか。仮にも彼氏のはずなのだが。
カフェでの滞在時間は1時間ほどであった。軽い自己紹介の後はたまたま二人ともハマっていたゲームの話で終わった。何か共通の話題がある事はとてもありがたかった。そして支払いは僕だった。彼女の中では当然なのであろう。果たして財布の中身は夏休みの間保てるだろうか。